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「配送」×「配信」のニューノーマルな夏祭り「100BANCH ナナナナ祭2020」が開幕

パナソニック、ロフトワーク、カフェ・カンパニーが運営する100年先を豊かにするための実験区「100BANCH(ヒャクバンチ)」による「ナナナナ祭2020」が7月7日(火)に開幕した。初日はオープニングイベントとして、配送と配信を掛け合わせて実施する全30プログラムを一挙に紹介するとともに、エンタメ/体験としての食/アートをテーマに参加メンバーが語り合うクロストークなども実施した。会期は8月7日まで。各プログラムには、イベントの1週間前までナナナナ祭2020の特設サイト( https://100banch.com/nanananasai/ )から申し込みできる。

 ▲100BANCHテレビショッピング~ナナナナ祭2020~

オープニングイベントでは、今回のナナナナ祭にて提供される全30プログラム70イベントについて紹介するプロモーションビデオを放映。企画者自らが個性を発揮したプレゼンテーションを行い、会場は笑いと熱気に包まれた。また、「エンタメ」「体験としての食」「アート」の3つの切り口をテーマとしたクロストークも行われ、メンバーがなぜそのような活動を行っているか、活動の動機から意気込みまでを語り合いました。

セッション1「エンタメ」

最初のセッションのテーマは「エンタメ」。自己紹介、ナナナナ祭でどんなことをやるのか、工夫や苦労、それぞれのWillを中心に、100BANCH事務局の松井 創さんがモデレーターをする中、セッションが進みました。

MIRAI GENGO

会社員兼発明家の高橋さん。100BANCHでは以前に目でも指でも読める点字『Braille Neue』でも参加。
「MIRAI GENGO」は、見えない、聴こえない、話せない、を実際に体験しながら未来のコミュニケーションを模索していくプロジェクト。

「MIRAI GENGO」高橋 鴻介さん

https://100banch.com/projects/miraigengo

高橋さん:
ナナナナ祭では『未来言語ダンジョン』を開催予定です。見えない、聴こえない、話せない状況で、コミュニケーションを武器にダンジョンを攻略していくというものですが、ネタバレになるので、あまり詳しくは話せません。プロダクトやデザインの力で新しいコミュニケーションが生まれれば幸せだなという思いで作っています。

IGENGO Lab.

ろう者の菊永さんは手話を使ってトークに参加。いつもは、ろう者と聴者が協力して謎を解く「異言語脱出ゲーム」を提供しているのですが、ナナナナ祭ではそこから「リモートDEお化け退治大作戦」にチャレンジするそうです。

「IGENGO Lab. 」菊永 ふみさん

https://100banch.com/projects/igengo_lab/

菊永さん:
高橋さんとも一緒に『未来言語ダンジョン』を作っていて、メンバーとはオンラインで顔が見える中、テキストチャットで話しています。そこでは聴者の中にろう者は私ひとり。ろう者のうなづき、身振りってすごく目立つんです。それが脱出ゲームに使えるんじゃないか、と思ったのがきっかけです。

ろう者はかわいそう、とみられることが多いけれど、それを変えたいんです。手話はエンタメとして力を持ってると信じています。手話ができない人でもどんどん参加してください。

今日のオープニングイベントでは、音声だけでなくリアルタイムで文字情報をつけてくれたので、ずっと楽しむことができました。視覚言語が音声言語と同じくらい普及していく未来にしていきたいです。

イベント中は手話や文字情報でも情報を発信

プログラミングで落語を作ろう

大阪で落語家をやっている枝之進さん、今回はリモートで参加。現在19歳だそうですが、同年代に落語を知ってもらうためにいろんな活動をしているそうです。ナナナナ祭には「プログラミングで落語を作ろう」で参加。

プログラミングで落語を作ろう  桂 枝之進さん
Teenet ( https://100banch.com/projects/Teenet/

モデレータの松井さんによれば、枝之進さん、実は正式には100BANCHの入居メンバーでありません。アポ無しで100BANCHに「責任者いますか?」と訪問、訪問営業かなと思いきや「若い人たちに落語をきいてほしい、それを実現するベストな場所が100BANCHだ」と訴え、気がついたら参加していたとか。

枝之進さん:
『プログラミングで落語を作ろう』については、同い年でプログラミング教育をやっているTeenetの柳川優稀さんと話しているうちに、プログラミング教育と「落語を身近に感じてほしい」という自分の課題がマッチするのでは、という気付きからスタートしました。100年先に落語を残すために、同世代とこれからの世代に聞いてもらえるように、未来的に合流していけるような落語への導入設計をしています。どう面白がってもらえるか、初回の反応がすごく楽しみです。

セッション2「体験としての食」

セッション2のテーマは「体験としての食」。100BANCH事務局の則武さんをモデレーターに、「体験」としての食に行きついたきっかけなどについてトークが進みました。

SAVE THE UDON

うどんアーティスト・プロ出張専門讃岐うどん職人である小野ウどんさん。ナナナナ祭では、自宅に届いたキットを使い、儀式を通じて手打ち体験をする「うどんセレモニー」を開催。すでに、オンラインで修行が開始されているそうです。

「SAVE THE UDON」小野ウどん さん
https://100banch.com/projects/12333/

小野さん:
うどんチェーン店でもすごく美味しいし、味じゃ個人店は勝てないな、と思って、手打ちっていう体験に行き着きました。料理は作りながら味を調整できるけど、うどんって口に入れるまで調整できない。先が見えない未来みたいなもの。そこに魅力を感じています。

Cricket ramen

昆虫食の可能性を日々模索する篠原さん。ナナナナ祭では、コオロギで出汁をとったラーメン、蚕のフンのタピオカミルクティーを配送し、生産者さんとともに、調理や生産の現場をライブ配信で中継します。

「Cricket ramen」 篠原 祐太さん
https://100banch.com/projects/8771/

篠原さん:
昆虫食は新しいって思われていますが、実は昔から人類は昆虫を食べてきたし、蚕だって古くから人類はお世話になってます。そういうことを伝えることが大事なんだろうなと思ってます。コオロギラーメンを食べてタピオカミルクティーを飲めば伝えたいことは全部伝わると思うので、ぜひご参加ください。

TeaRoom

茶道の世界で14年の修業を積んだ岩本さん。茶の湯の思想を日本で感じられるシーンが少ない、茶の湯を世の中にインストールしたいという思いから100BANCHに参加したそうです。ナナナナ祭では、特殊なお香を炊きながら自宅でも茶室でお茶をたてているような体験ができるキットを作ったとのこと。

「TeaRoom」 岩本 涼 さん
https://100banch.com/projects/11063/

岩本さん:
現在、日本茶と茶の湯の世界は接続されていません。日本茶を一定の様式で飲むことで茶の湯性を感じてもらえるようなチャレンジをしています。

セッション3「アート」

セッション3のテーマは「アート」。幅広い意味で表現について取り扱うメンバーが、コロナ禍でプロジェクトをどうピボットさせたか、100BANCHで他のプロジェクトからどう影響受けたかなどをモデレーターの加藤翼さんが引き出しました。

KaMiNG SINGULARITY

Ozone合同会社CEOの雨宮さん。無音の中で行うサイレントフェスなど、スペキュラティブ・デザインとしての音楽フェスを手掛けています。100BANCHではフェス「AIが神になった世界」を手掛けるKaMiNG SINGULARITYプロジェクトを推進していて、今年のナナナナ祭ではオンラインでの新しい表現に挑戦します。

「KaMiNG SINGULARITY」 雨宮 優さん
https://100banch.com/projects/14301/

雨宮さん:
今回は、オンラインじゃなきゃできないってことをやらなきゃ、と思っていて。周りに人がいないのでフェスっていうよりは、より演劇っぽい感じで没頭できるよう作ってます。

他のプロジェクトで受けた影響といえば、SAVE THE UDONの「うどんセレモニー」。1、2か月くらい小麦を断ってから食べるうどんって「知恵」の味がするんですよ。ぜひうどんセレモニー体験してみてください。

KISABURO KIMONO PROJECT

キサブローさんは着物の魅力を伝えるデザイナー。浴衣をコートにしたり、袴をパンツにしたり、洋服の上から着られる着物をデザインしています。ナナナナ祭ではオンライン上に「るすにする」という架空の店舗を設置。服を送るとキサブローが魔除けを施して返す、ということをやるそうです。

「KISABURO KIMONO PROJECT」キサブローさん
https://100banch.com/projects/kisaburo-kimono-project/

キサブローさん:
着物を作ること自体、もともと魔除けの成分があるんですよ、背中の縫い目とか。縫い目で魔物から守っているっていう。

刺繍とか柄だとはでなところに目が行きがちなんですけど、魔除け的な要素があるところとか、サステナブルなところにも注目してもらえれば。

他のプロジェクトとのコラボはやってないんだけど、100BANCHの人たちってSNSとかでも前向きにガンガン表現していくじゃないですか。そういうのが刺激になっています。

KODOU

普段はパパ業をされている松島さん。センシング技術を使ってヒトの鼓動のリズムを光に変え、パフォーマンスやイスタレーションを行う「KODOU」というプロジェクトに取り組んでいます。

当初の企画案は、遮光空間が前提だったのでコロナ禍でできなくなったが、オンライン開催となって結果的にあえてリモートだからできる体験が生まれたとのこと。

ナナナナ祭では参加者の自宅にアート作品 「kodou」 を配送。オンラインで繋がった参加者同士が暗闇の中で光る、という体験を提供するそうです。

「KODOU」松島 宏佑 さん
https://100banch.com/projects/23621/

松島さん:プロジェクトのピボットについては、データ解析などがZoomだとやりやすく、結果的には良かったです。

100BANCHについては、いいヒトがおおいなって。お互いにないものが生まれてきて楽しくやってます。

今回のナナナナ祭での映像はあとで一本の作品にしますので、みなさんも「KODOU」に出演してください。
 

100BANCHの年に一度の祭典『ナナナナ祭』は8月7日まで開催中です。「配信」と「配送」を掛け合わせた新しい様式の祭典を、ぜひ体感してみてください。

ナナナナ祭2020 
https://100banch.com/nanananasai/

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