あなたのココロにリーチ!
感情の可視化から、新たな社会基盤を創造する

COCOREACH
あなたのココロにリーチ!
感情の可視化から、新たな社会基盤を創造する
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COCOREACH リーダー/ココリーチ 代表 島田 早織(saorin)

COCOREACH 島田早織
2026年も未来に向けた実験を大胆に繰り広げる100BANCH。メンバーたちの抱負をリレーエッセイでつないでいく新春特別企画「2026年 今年の抱負!:馬九行久(うまくいく)」。
今日の執筆者は、感情の可視化から新たな社会基盤の創造を目指す、COCOREACHの島田です。
2025年7月、ナナナナ祭でPoCを行ったときのことは、たぶんこれからもずっと忘れないと思います。
それまで私は、「研究成果を社会実装する」とか、「プロダクトとして成立させる」といった言葉を、何度も口にしてきました。でも正直なところ、それらはまだ頭の中の話に過ぎませんでした。
ナナナナ祭で、一般の来場者の方が実際にプロダクトを手に取り、使い、反応してくれたとき、初めて「あ、これはちゃんと“社会側”に出たんだ」と実感しました。
その少し後、法人を設立してから初めて、ある程度まとまった金額の入金が口座に反映されました。それを見た瞬間、感動したというよりも、どこかホッとした気持ちの方が大きかったのを覚えています。
それまでの私は、アルバイトを掛け持ちしながら自己資金を投じ、赤字のまま活動を続けていました。生活は正直かなり厳しく、家族にお金を借りることもありました。「研究も事業もやっている」と言うと聞こえはいいのですが、実際には余裕なんてまったくありませんでした。
だからこそ、あの入金は「報われた」というよりも、「ようやく現実と接続できた」という感覚に近かったのだと思います。

2025年12月26日、株式会社ココリーチを登記しました。
正直なところ、感慨深さよりも「もう逃げられないな」という気持ちの方が強かったです。
私はこの会社を、2027年3月までに売却するという目標を掲げています。これは勢いで言っている話でもなければ、夢を語っているつもりでもありません。期限を切らなければ、私はきっとダラダラと続けてしまうと思ったからです。だからあえて、しんどくなることを前提とした目標を置きました。
一方で、私は修士課程の最終年でもあります。研究も事業も、どちらも中途半端にはしたくありません。
ただ、時間は有限で、正直なところ余裕はありません。一番の不安は、「忙しい」ことそのものではなく、周りの人に迷惑をかけてしまうことです。
だから2026年は、無理をしないと決めています。体力的にも、精神的にも、壊れないことを優先します。
代表である以上、短期的な根性論ではなく、持久戦を前提に動かなければならないと考えています。

これまで、何度も本気で「やめよう」と思いました。
資金は足りません。アルバイトをしても追いつきません。お金の余裕がなくなると、人間関係は驚くほど簡単にギスギスします。結果もなかなか出ず、「自分は何をやっているんだろう」と思う夜が何度もありました。
それでも続けてこられたのは、「ここまでやってきた時間」を無駄にしたくなかったことと、共同創業者や、支えてくれた人たちの顔が浮かんだからです。いつか必ず、受け取ったものを返したい。その気持ちだけで踏みとどまった場面も少なくありません。
ここ1〜2年で一番の失敗は、環境選びだったと思っています。やりたいテーマを優先するあまり、日々感じていた違和感を見て見ぬふりをしていました。その結果、ある日突然、心が完全に動かなくなってしまいました。
今ならはっきりわかります。「頑張れる環境」を選ぶことは、「甘え」ではありません。精神的に居心地の悪い場所で成果を出し続けるのは、想像以上に消耗します。
この失敗は、2026年をどう生きるかを考える上で、かなり大きな学びになっています。

私が高校生の頃からずっと引っかかっているのは、挑戦する人ほど、安心して走り続けられない社会構造です。
研究も、起業も、10年続ける前に燃え尽きてしまう人が多いと感じています。失敗は評価されず、成果だけが切り取られる。感情や人の内面は、効率や数字の前で後回しにされがちです。
祖父のせん妄をきっかけに、「目に見えない不安」や「心の揺れ」を可視化したいと思うようになりました。研究でも事業でも、私はずっとそこに向き合ってきたつもりです。迷ったとき、私はいつも自分に問いかけています。「これは、将来、祖父のように、自分の孫に自慢できる選択だろうか?」
派手かどうかではなく、誇れるかどうか。短期的な評価ではなく、長く残るかどうか。私はその基準で、これからも選択をしていきたいと思っています。

2026年は、成果にこだわる一年にします。同時に、自分を削り切るやり方は選びません。
ココリーチの売却に向けて、具体的な進捗を生むこと。そして、周りの人を大切にしながら、少しずつでも恩返しを始めること。この二つができていたら、私は「よくやった」と言えると思います。
研究者としての誠実さも、起業家としての焦りも、どちらも嘘ではありません。だからどちらかを切り捨てるのではなく、抱えたまま前に進みます。ココリーチを、売却できるところまで、ちゃんと連れていきます。
もしこの文章を読んで、少しでも引っかかるものがあったら、応援してもらえるとうれしいです。そして、何か一緒にできそうだと感じたら、ぜひ声をかけてください。
2026年の自分へ。
成果に執着しつつ、長く走れ。
そして、売却しろ。


メンバーたちの抱負をリレーエッセイでつないでいく新春特別企画「2026年 今年の抱負!:馬九行久(うまくいく)」をお届けしています。他のメンバーによる記事は以下のリンクからご覧いただけます。若者たちの熱や未来への兆しをお楽しみください。