
めざせ百発百中!ロボット射的
TUTTI INDUSTRIESは、ものづくりをしてみたい人が半歩踏み出せるような、きっかけの場づくりをしているプロジェクトです。ロボットづくりのワークショップなど、これまでも実験を重ねてきました。
そんな彼らがナナナナ祭2025で挑んだのは、ものづくりと遊びを融合させた「ロボット射的」。人型ロボットを操作してターゲットを狙う未来型シューティングゲームで、工学やテクノロジーの楽しさを気軽に体験してもらうことを試みました。今回の実験の狙いや当日の様子をTUTTI INDUSTRIESの土谷がレポートします。
TUTTI INDUSTRIESは「誰もがアイデアを形にできる社会」をビジョンに掲げ、現在は教育用コントローラーキットの開発を進めています。年末のクラウドファンディングに向け、ナナナナ祭2025では“遊びながら学ぶ”を体現する最新プログラム「ロボット射的」を実施しました。子どもから大人まで夢中になる体験を通じて、ファンづくりとキット訴求の可能性を探りました。
ブースを前にすると、まず目に飛び込んでくるのは観音開きのアルミフレームスーツケース。内側で映るディスプレイと、縁を照らすネオン調グリーンのLEDストリップが、まるで近未来のゲームアリーナを演出しています。中央には細かな配線が露出した試作ロボット射的ユニットがそびえ、キット型コントローラーが配置されています。手に取ったコントローラーのボタンを押すと、人型ロボットが動いて輪ゴム鉄砲で的を狙い、ディスプレイに映る質問に合わせて撃ち抜く――その瞬間、自分がまるで本物のオペレーターになったかのようなワクワク感が味わえます。
射的を楽しみながら、ディスプレイには的デザインのA案・B案が同時に表示され、遊びの合間に2択アンケートを実施しました。子どもたちは「的A派?的B派?」と気軽に選びつつ、スタッフとも笑顔でやり取り。生の反応をその場でキャッチし、「どんなカラーリングがワクワク感を高めるか」「ボタン配置はどちらが直感的か」など、キット開発に欠かせないリアルな声を集めることができました。そして射的体験を通じて、「電気電子を丸ごと学べる」コントローラーキットのコンセプトを説明。興味を持ってくれた方には、LINEで最新情報をお届けするための友だち追加にも応じていただきました。
「めっちゃ楽しい!」「もう一回やりたい!」――そんな声が途切れることなく飛び交い、3日間で約40組の親子が列を作りました。小さなお子さんでも直感的に操作できるとあって、保護者からは「初めてなのに上手でびっくり」「教材としても素晴らしい」と大好評。LINE登録やアンケートへの回答率も高く、まさに「遊びながら学ぶ」体験が自然と生まれたことを実感できる結果となりました。
もちろん、すべてが完璧だったわけではありません。コントローラーのサイズが小さな手には少し大きく感じられたり、中高生世代からは「恥ずかしくて遠慮した」という声も。こうした想定外の声は、年齢別チューニングや思春期層向けの体験設計を検討するためのヒントそのものです。一方で、「楽しい」という純粋な熱中体験が、学びのハードルを下げることも改めて確認できました。
今回のロボット射的を通じて実証できたのは、「体験を通じて興味を引き、共感を深める力」です。年末に予定しているクラウドファンディングでは、この学びをさらにブラッシュアップした教育コントローラーキットを正式リリース予定。今後は全国のイベント・ワークショップで“遊びながら学ぶロボット体験”を拡大し、LINE登録者への開発ストーリー発信でブランドファンを育成。学校や自治体、クリエイター・エンジニアとも連携し、TUTTI INDUSTRIESが目指す「誰もがアイデアを形にできる社会」への一歩を、みなさまと一緒に踏み出していきます。