• イベントレポート

「コーヒーの“その後”を灯す」ナナナナ祭で挑戦したアロマキャンドル実験の舞台裏「AFTER COFFEE」──ナナナナ祭2025を終えて

コーヒーを飲む人も、作る人も自由に楽しめる場所を目指して活動をする、「NO WAVE SHAREROASTER」。今回は、抽出後に本来であれば捨てられてしまうコーヒーのカスに着目。ナナナナ祭2025では、コーヒーのカスを使って焙煎所の香りを再現したアロマキャンドルを作り、「飲む」以外のコーヒー体験を来場者と共有しました。その模様を、NO WAVE SHAREROASTERの奥田がレポートします。

こんにちは。NO WAVE SHARE ROASTERの奥田です。NO WAVE COFFEEとしてオンラインでのコーヒー販売や、焙煎機のシェアサービス「シェアロースター」の運営、そして週1〜2回のカフェ営業も行っています。

 

「飲まないコーヒー体験」って、ありえるの?

普段僕が運営しているNO WAVE COFFEEでは、「新しいコーヒー体験で、人々に驚きと感動を」というコンセプトを掲げています。過去のナナナナ祭では、圧倒的にフルーティーなインフューズドコーヒーで“飲む驚き”を届け、焙煎体験をひらくプロジェクト「NO WAVE SHAREROASTER」では“つくる体験の民主化”を進めてきました。

そんな流れの中で今回浮かび上がった問いが、「飲まないコーヒー体験ってなんだろう?」でした。その答えを探すために立ち上げたのが、今回のプロジェクト『AFTER COFFEE』です。

アロマキャンドルプロトタイプ

 

コーヒーを飲んだ“あと”に残るものから、灯りをつくってみた

ナナナナ祭2025では、「コーヒーカスで作ったアロマキャンドル」の展示と販売を行いました。ブースでは、コーヒーの販売と並行してキャンドルを紹介。価格は1個3,000円。お客様に手に取ってもらうと、「えっ、これ本当にコーヒーカスでできてるの?」と驚かれる場面が何度もありました。この“驚きのリアクション”こそ、僕たちが届けたかったものです。

 

開発中にわかった、まさかの“よく燃える”問題

ただ、制作の道のりはスムーズではありませんでした。試作段階で火を灯すと、コーヒーカスがまさかの“燃える”問題に直面。慌てて中に断熱フィルムを貼って燃えないように調整し、販売時には「燃える可能性があること」を説明して購入していただきました。器としての強度や安全性に課題が見つかり、正直プロダクトとしてはまだ道半ばです。

このプロジェクトを経て感じたのは、「コーヒーカスの再活用って、もっと自由でいいんじゃないか?」という気づきでした。例えば、花瓶やペン立て、名刺入れなど、香りに頼らない形も面白いかもしれません。アロマキャンドルというフォーマットに縛られず、「AFTER COFFEE」という問いの可能性を広げていけたらと思います。

改良されたアロマキャンドルの器

 

サステナブル×体験デザインの交差点を、これから探りたい

今回の展示で実感したのは、モノづくりは「問いのある体験」を生むことで、人の記憶に残るということ。

反応も含めて、プロトタイプそのものがメディアになるような感覚がありました。だからこそ、これからはこんな仲間と出会ってみたいと思っています:

  • PRや広報に強い方
  • コンセプトや世界観を言語化できる方
  • ビジネス視点で企画を展開してくれる方

次のAFTER COFFEEは、もっと広がりのある形で実現したいです。

 

「驚きと感動」は、コーヒーの“あと”にもある

どこまでいっても、僕たちは“コーヒー屋”ですが、だからこそ「飲む」だけじゃないコーヒー体験を届けていきたい。

焙煎という体験も、インフューズドという驚きも、そして今回のキャンドルも、全部が“コーヒーの可能性”を広げるための問いだったように思います。

来てくださった皆さん、本当にありがとうございました!
そしてこの実験が、何かのヒントになっていたらうれしいです。

 

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