「闇バイト」をゲームで疑似体験。「レイの失踪」体験会に120名以上が参加！

増え続ける闇バイト

闇バイト問題は近年深刻化している社会問題です。警視庁の調査によれば、2024年には闇バイトに関連する警告が1万件以上に達し、逮捕者の約8割が10代から20代の若者となっています。闇バイトとは、SNSや求人サイトを通じて「高収入」「簡単な仕事」などと謳い、若者を犯罪行為に勧誘するものです。勧誘された若者は、特殊詐欺の「受け子」や「出し子」、強盗の実行役、違法薬物の運び屋などの役割を担わされます。

闇バイトの危険性は、一度関わると抜け出せなくなる点にあります。当初は犯罪と知らずに応募しても、個人情報を提出させられた後に「家族を危険にさらす」などと脅され、犯罪行為を強要されるケースが多発しています。また、ディップ株式会社の調査によれば、高校生の約77%が闇バイトの危険な求人情報を判断できないという結果も出ており、若年層への教育が急務となっています。

レイの失踪は、Classroom Adventureが開発した、闇バイトの危険性を学ぶためのゲーム型教育プログラムです。突然失踪した人気動画配信者「レイちゃんねる」の行方を追う中で、参加者はSNSでの投稿や会話を分析し、闇バイトの実態に迫っていきます。実在の被害事例を基にした状況を疑似体験することで、実際のSNS環境や闇バイトに加担しやすい人の心理が再現された環境の中で謎解きを行い、座学の講習では伝えきれない深い気づきを得ることができます。

初の一般イベント開催

今回100BANCHではこの「レイの失踪」を一般の方が体験できる初のイベントを開催しました。会場とオンラインのハイブリットチケットで120名以上の方に来ていただき、遠いところでは海外からも参加してくれる方もいました。

当日は、ゲームの体験に加えて、闇バイト問題について知ることのできるレッスンやワークショップを行いました。

皆さん、はじめましての方々でチームを組んでもらいましたがゲームが進むにつれてどんどん協力し、最終的にはハイタッチをしているような様子も！

 

「孤独にしない」が鍵

レイの失踪では、闇バイトへの対策も3つのステップで学びます。

①狙われない

闇バイトにターゲットされるのは「お金に困っている人」や「孤独な人」です。そしてそんな人達をどう探しているのか…

実は身近なSNSの投稿やつぶやきからなんです。情報発信のリテラシーをもってまず狙われないようにします。

②騙されない

もし、怪しい情報や案件を見たときに、それが「闇バイト」かどうかを見抜いていくスキルも大切です。

Classroom Adventureは情報検証のファクトチェックがもともとの専門です。インターネットの検索やクリティカルシンキングを駆使しながら闇バイトに騙されない方法を学びます。

③ハマらない

もし、闇バイトに片足を踏み入れてしまった、そんな友人がいる。闇バイトは一度ハマってしまうと経済的依存や脅しなどから抜け出すのが難しいと言われています。「レイの失踪」では、警察との連携を行いながら開発をすすめ具体的な相談窓口や対処法を学べるようになっています。

闇バイト問題は、従来までの少年犯罪とは一つ大きく異なる点があります。それは「普通の学生」が手を出してしまう可能性があるということです。SNSなどを通じて、気軽な気持ちで応募できてしまい、犯罪の意識がそもそもない場合も少なくありません。

防ぐ鍵は「孤独にしない」こと。少しでも悩んだとき、怪しいバイトに応募してしまいそうになったときに相談できる人がいれば防げる事件も多いと思います。

 

実験区で行う新しい教育のかたち

Classroom Adventureはゲーミフィケーション、ゲームの力で学びを変えていくことを目標に活動しています。闇バイト問題にかかわらず私達が学ばないといけないけど「つまらない」や「自分ごとに捉えるのがむずかしい」トピックをどんどんゲームにして届けていきたいと思っています。

今回の「レイの失踪」も、きっかけはある学校の先生から「闇バイトに自分の生徒が手を染めてしまった。警察の講習も行っていたのに。なにかできることはないか」という相談をもらったことからでした。

これからもゲームを通じてどんどん社会を良くしていきたいです！