DAJARE PRODUCTS
ダジャレの「発想法」としての可能性を探求する
ダジャレの「発想法」としての可能性の探求をするプロジェクト「DAJARE PRODUCTS(駄洒落プロダクツ)」が、2024年12月15日に100BANCHにてワークショップイベントを開催しました。当日はダジャレの歴史などのインプットを交えながら、参加者の皆さんと一緒にダジャレを取り入れたブレストを体験しました。アイスブレイクからダジャレ炸裂!な当日の様子を駄洒落プロダクツの加藤が振り返ります。
こんにちは。駄洒落プロダクツの加藤寛大(ひろと)です。
駄洒落プロダクツとは、ダジャレ縛りでものづくりを行うことで、ダジャレの“発想法”としての面白さと可能性を探求するプロジェクトです。プロジェクトの中心にあるのは、【ダジャレが「発想法」として広まれば、世の中にユニークなアイデアや商品が生まれやすくなるのではないか?】という仮説。そんな仮説を検証するべく、ダジャレを起点にブレストを行う、『ダジャブレ』というワークショップを行いました。
今回のイベントでは「史上最楽のブレストにする」を目標に掲げ、
・オープディング
・ダジャブレ
・ダジャプレ
という3つのコンテンツを行いました。具体的にどんなことを行い、どんなリアクションや気づきがあったのか。順にご紹介します。
<オープディング>
最初に行ったのは、オープニングならぬオープディング。
「いい感じに絡めるように」という願いをこめ、プリンを食べながらプリンとの思い出について語り合いました。プリントークって盛り上がるのか?と少々不安もありましたが、プッチンプリンがプッチンできることを知らずに育ってきた人や、バケツプリンを作ったが上手く固まらず、液体状のプリンを飲むはめになった人、プリンを床一面に並べたアーティストの話など、ユニークなプリンエピソードが飛び交っていました。
そしてなんと、アイスブレイクとの相性もよかったです。甘いものを食べながら自己紹介することで、初対面の緊張しやすいシチュエーションでも、ラフに話していい雰囲気が生まれていました。駄洒落プロダクツイベントの定番企画になる予感。
ちなみに今回使わせていただいたのは、セブンイレブンの「きみだけのプリン」。まさかのダジャレ商品が、最大手コンビニから出ていたことに驚き。
<ダジャブレ>
次に、ダジャレアイデアの出し方レクチャー&実践を行いました。
ダジャレアイデアの出し方を①繰り返し型②置き換え型③付け加え型という3つに分類しキーワードやお題からダジャレを考える方法をお伝えしました。
実際に出たアイデアの一部をご紹介しちゃいます。
お題:ご飯にまつわるダジャレアイデア
・願掛けご飯GKG
・お米の感動をシェアするSNS(い稲、米ント、リプライス)
・ハイスピードで回るハイテンション回転寿司「ハイテン寿司」
お題:恋人ができる移動手段
・心拍数高めのトゥクトゥク「ドゥクドゥク」
・告白の返事を前向きに検討したくなる「Yesカレーター」
・新刊を取り合う時に手と手が触れ合う「新刊線」
ユニークな掛け合わせが生まれていて面白かったです。個人的に好きなのは、願掛けご飯GKG。
<ダジャブレでダジャプレ>
最後に行ったのは、ダジャプレ。ダジャレアイデアをプレゼントする、という意味です。こちら側で設定したお題ではなく、参加者それぞれが「今、どんなアイデアを求めているか?」を書き出してもらい、それに対してみなでアイデアを考え合いました。
この企画の背景には、僕の好きなダジャレである「アイデアは愛である」という考え方があります。誰かのためにアイデアを考えるということは、愛ある行為であり、何より楽しいということを感じてもらいたいなと思い、この企画を行いました。
「なんでそのアイデアを求めているのか?」という深掘りや「こういうのってどうかな?」という提案が絶えず行われていて、「愛ある空間だな」となんだか感激。やってみたいアイデアが出たからと、アイデア出しに使っていたシートや付箋を持ち帰っていただいた方もいました。
「ダジャレの発想法としての可能性を探る」という目的もありつつ、今回目指したのが「参加者にとって、今までで一番楽しいブレストにする」ということでした。
というのも僕自身、ブレストが大好きなんです。常識とか、できるかどうかとか一旦置いといて、妄想を広げ合うあの時間が最高に楽しく、人生に必要だと思っている。なのでその楽しさを少しでも感じてもらいたいという想いがありました。
その想いが伝わったのか、イベント後のアンケートにおいて、参加者全員から「今までのブレストで一番楽しかった」という声をいただくことができました。(と言っても他の場所に置きづらいシステムになってしまっていたと思うので、それは反省。にしても嬉しい。)
そして、今回生まれた嬉しい予想外は、テーブルを越えた交流が生まれていたこと。違うテーブルの誰かが口にしたダジャレアイデアに反応し、テーブルを越えて会場全体でのブレストになる、という現象が度々起こっていました。自分は「老若男女の境界を溶かすような企画を作りたい」と思っているので、「テーブルごとに分けられたグループ」という境界が溶ける瞬間を見れたのはとても嬉しかったです。
そして、この現象はダジャレだから起こったことだと思っています。
普通、ブレストでよく出てくるアイデアというのは、「こういうときに、こういう人に、こういうことをして、、、」というように、説明に多少時間がかかります。一方、ダジャレは、良くも悪くも言葉が先走る。だからこそ、空間を越えて突き抜けていくような軽やかさがあります。一風変わった言葉に会場の興味が集まり、「それってどんなアイデア?」をみんなで妄想していく。ダジャブレは、そんな流れが生まれやすいブレストの形だと思いました。ダジャレアイデアの可能性を感じますね。
ブレストのワークショップとしてはいいものを作れたなと思う一方で、ダジャレを発想法として用いるという部分には課題も見つかりました。ダジャレで縛ることで次から次へとアイデアが出てくる人がいる一方で、アイデアがあまり出てこなくなってしまう人もいたんですね。
おそらく、ダジャレは言葉起点でアイデアを考える人にはハマりやすい発想法ですが、ビジュアル起点でアイデアを考える人には、逆に自由を奪ってしまう可能性がある。
自分は言葉起点でアイデアを考えることが多いので、なんとなく多くの人がそうなのかなと思っていましたが、そんなことはなかった。アイデアの出し方は思っている以上に多様であると学びました。
そんな学びを受け、ダジャレの発想法としての可能性をどう広げられるだろうか?と考えてみたんです。
ひらめいたのが、「駄洒絵」という試み。
ダジャレは、「異なる言葉を重ねる」ことによって2つのものを結びつけ、アイデアを生み出します。では、「異なるビジュアルを重ねる」ことによっても、アイデアを生み出せるのではないか。例えば、プリン。上にいくにつれ細くなる台形のあの形は、富士山と重なる節があります。ならば富士山の麓で、富士山カラーの青いプリンを名物にすることができるかもしれません。
このように、ダジャレの本質は「重ねる」というところにあると仮定すれば、色んな重ね方を探ることで(音、形、色、味など)、ダジャレの発想法としての可能性を広げていけるかもしれない…
ということで、次回ダジャブレでは、言語的アプローチだけでなく、駄洒絵というビジュアル的アプローチも取り入れてみようと思います。
面白そう!と思っていただいた方は、インスタグラムで@dajare_productsをフォローいただけると嬉しいです。ぜひ、次回のダジャブレでお会いしましょうー!