• イベントレポート

第3の家族初のイベント:少年少女のリアルを表現した「家庭環境データ展」に100人以上が参加

家庭環境に悩む少年少女が居場所を見つけるための「環境構築」に取り組むプロジェクトDaisan no kazoku(第3の家族)。自分の状況を客観視し、仲間の存在を感じ、居場所を見つけるサイクルを回せる環境を構築する「寄り添わない」支援を目指しています。

そんな第3の家族は、11月19日に100BANCHにて初イベントを開催。家庭環境に悩む少年少女のリアルを「ちょっと考えさせられる表現」で表した展示と、トークイベントを実施しました。イベントの様子を第3の家族の奥村が振り返ります。

「ちょっと考えさせる表現」によるきっかけ作り

今回の展示を作るにあたり、全国15歳〜25歳の若者400人に、家庭の悩み・くらし・価値観について調査をしました。

そして、それらを「視覚比喩」というちょっと考えさせられるグラフィックで表現しました。

今まで気づかれにくかった家庭環境問題について、立ち止まって考えてみるきっかけづくりを目指します。

例えば、「死にたくなる」という事象を「沸騰して溢れそうな鍋」で表現します。このように、「ちょっと考えさせられる表現」にすることで、当事者が傷ついていることに気づいたり、社会が立ち止まって考えたりするきっかけ作りを目指します。家庭環境問題の制度のはざまは、あまり表に出にくい問題です。また、当事者もその悩みを自覚していないことがあります。そこで、ちょっと立ち止まって考えるきっかけを作る視覚比喩でデータを表現しました。

 

トークイベント:「支援」のハードルを下げるには?

当日は、会場には約50名、オンラインで約70名が参加をしました。

トークイベントでは、「支援のハードルを下げるには」というテーマで、各団体の取り組みの工夫についてディスカッションをしました。マーケティングによるアプローチ、友達のような支援、情報設計の丁寧さ、など各団体の「性格」が見えていきました。会場にも様々なバックグラウンドの方がいらっしゃり、非常に有意義な時間を過ごせました。

 

当事者の「周囲の人」が持つ可能性

今回の実験では、当初は「少年少女が傷ついていることに気づく」きっかけづくりを主としていましたが、それよりも「当事者の周囲の人が問題に関心を持つ」きっかけづくりの方に意味があったように感じました。支援者や教育関係者など、様々な来場者さんから嬉しいお言葉をいただきましたが、1番熱量を感じたのが「自分の知り合いにそのようなはざまの子がいる」人たちでした。「今まで悩んでいそうなことは知っていたけど、改めてこの問題の影響や実態について知れた。もう少し自分の中で考えてみたい。」という声をもらい、当事者外の周囲の人が支えてあげるムーブメントを作る一歩を生み出せることの可能性を感じました。

第3の家族の取り組みはまだまだ試行錯誤中ですが、これからも仮説・検証のサイクルを繰り返し、今救えていない少年少女たちが自分の居場所を見つけるための状態構築を行っていきたいと思います。

 

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