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100年先の未来を描く5プロジェクトが登壇 2023年7月 GARAGE Program実験報告会

100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験“を広くシェアするイベント「実験報告会」。

これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。

2023年7月27日に開催した実験報告会では、元来プロトタイピングのためのツールとして使われていた3Dプリンターに着目し、新しいモノづくりに取り組むGARAGE Program 40期生「Color Fab」の大日方伸(株式会社積彩 代表)をナビゲーターとし、GARAGE Programの計5プロジェクトが活動を報告しました。

本レポートでは、GARAGE Programの5プロジェクトの発表内容をお伝えします。

ARES Project

宇宙を目指して世界の舞台に挑戦し、地球に還元することで新たな可能性を示したい

登壇者:阿依 ダニシ

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/ares-project

「ARES Project」は、学生で構成されるメンバーで開発した探査ローバで、日本初の火星探査機の世界大会初出場を実現し、日本の探査機開発に勢いをもたらしていこうとするプロジェクトです。

阿依:3人でプロジェクトをスタートして、1ヶ月くらいの期間で初号機を開発しました。そこから、きちんと機能するようにしたり、大型化したりと、改良を重ね、実際に実験ができるレベルの機体を開発しました。100BANCHでの活動期間では、大会の本番を想定して本格的なアームや弾性のある素材のタイヤをとりつけ、きちんと走行できる5号機となるローバを開発しました。鳥取にルナテラスという月面を想定した実験ができる場所が開設されたのですが、この機体でオープニングセレモニーに参加してきました。そこで実際にローバを走行させたところ、様々なメディアに取り上げられ自分たちのモチベーションに繋がりました。今年の9月の“European Rover Challeng(ERC)”という大会には25チームに残れず出場できませんが、特別招待を受け、自分たちのローバーをプレゼンしたり、大会を見学したりする機会をいただきました。現在は、2024年の“University Rover Challenge (URC)”出場を目指して頑張っています。

「3人からはじまったプロジェクトでしたが、失敗を繰り返しながら大きな団体に成長することができました。宇宙探査機エンジニアとしてあるべき姿を実践できていると思っています。未来の宇宙開発に向けての挑戦ははじまったばかりです。大会に出て結果を残し、実際に宇宙に物を持っていくまで頑張ります。」と阿依は話しました。

 

HIZUMI

ユーザーがAIとリメイクデザインすることで実現するたのしいサーキュラーエコノミー

登壇者:加藤 優

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/hizumi

「HIZUMI」は、ユーザーが持っている服を使ってAIがリメイクデザインを生成し、そのリメイクされた服をユーザーが購入できるプラットフォームを開発するプロジェクトです。

加藤:5年前に祖父が亡くなった際、実家にあった祖父の背広を洋裁学校に通っていた祖母がすごくカッコよくリメイクしてくれたんです。そこでリメイクデザインの魅力に気づき、ちょうど自分が研究していたAIでそれを生成できないかと思い、プロジェクトをはじめました。最初はアップサイクルのコミュニティでワークショップをしたり、ユーザーが欲しいデザインを生成できるシステムの開発をしたりしていました。100BANCHに入居してからは、リメイクの服をつくって実践するために自分たちのブランドをリリースし、10着のリメイクデザインの服を制作し、100BANCHでポップアップイベントを開催しました。yorishiroともコラボし、人の手に合わせてハンガーラックが動く体験型の展示も行いました。結果、150人以上の方にご来場いただき、リメイクのTシャツもほぼ完売。実験のデータも得ることができたので、100BANCHでイベントをやって本当によかったです。このイベントで使った服は古着屋で買い付けた良いデザインの服を組み合わせたリメイクデザインでしたが、今後は予想できないような服がきても良いデザインができることを検証したいです。そのために、100BANCHに服の回収ボックスを置き、集まった服で新たなリメイクデザインを試みる予定です。

「AIでリメイクデザインを完全に代替するつもりはありません。AIがデザイン制作をサポートすることで、人が作る喜びや試行錯誤する感動を持ちながら共創していくシステムを目指しています。その結果、服を購入する選択肢として、新品を買う・中古を買う以外の、3つ目の選択肢として、今ある服をリデザインして買うことができる世界を作りたいです。」と加藤は話しました。

 

Bonheur

子育てを頑張る全ての親御様に寄り添うコミュニティを創りたい!

登壇者:平野 杏樹

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/bonheur

「Bonheur」は、家庭外コミュニティで教育や子育てに関することを学び、悩みを気軽に相談できる機会を増やすなど、子育ての不安や悩みを一人で抱え込まない環境づくりを目指すプロジェクトです。

平野:100BANCHでは3つの実験を行いました。1つ目は、プロジェクトメンバーが自身の親と向き合う機会をつくるため、自分たちの親との保護者会を開催しました。大学生の保護者会はあまりない機会ですが、子どもと親の双方が素直になれるきっかけをつくれたと感じます。親と子どもである自分との間に第三者が入ることや、親と子どもの両方を知っている人が介入することで、お互いに知らない側面や家庭内では見えない本音を知れる機会となりました。実際に私も親に対する見方が変化して、すごくいい効果があったと思います。2つ目は、北海道で農業を営む佐々木ファームの代表を東京にお呼びし、親向けのワークショップを開催したことです。食卓を通じて会話が弾み、メンバーと親御様との信頼関係を築く機会となりましたが、教育の本質について伝えることの難しさを感じました。これは継続的に開催して実験したいと思います。3つ目の実験は、小学生との旅を行いました。寝食を共にすることで、親の知らない子どもの一面への理解を深めようと期待して開催したのですが、結果、子どもが信頼を置けるようなナナメの関係を構築できたと感じます。親がその場にいないからこそ見られる子どもの素顔や強みを発見し、親御様からも高い評価をいただきました。

「今後は、1度しか開催できていない親向けの教育ワークショップと、子どもに向けた旅プログラムの2つに絞って進めていきたいです。家庭外で親と子どもが息抜きできるような場所や安全基地をつくることで、各家庭に新しい風を吹かせられるのではないかという仮説を元に活動していきたいです。」と平野は話しました。

 

Greeendy

竹スイーツから東アフリカ諸国の若者の雇用を作り出す

登壇者:柳原 沙紀

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/greeendy

「Greeendy」は、竹をつかったスイーツを開発し、東アフリカに竹スイーツ工房を建設することを通じて、東アフリカ諸国における「気候変動」「食糧危機」「雇用問題」の解決を目指すプロジェクトです。

柳原:100BANCHでの3ヶ月の成果は、まず4月にクラウドファンディングを行って成功させ、267万円を調達しました。計12のテレビ番組、新聞、Webメディアで取り上げられ、竹スイーツの認知度を拡大することができました。369名の支援していただいたサポーターの方にも心強さを感じます。また、食物繊維が豊富で、美容と健康に良い竹スイーツの開発もできました。さらに、5〜6月で計3回の竹スイーツ試食会を実施しました。5月に100BANCHで開催した試食会では、竹スイーツとドリンクのペアリングを行ったのですが、「合わせられる食材の多さが魅力に感じた」など、ポジティブな感想をたくさんいただくことができました。他には、お祭りにて出展を実施し、はじめて企業からの受注をいただくこともできました。ナナナナ祭では竹スイーツは完売して、「ECで売っていたら買います!」「本当に、美味しい」「笹茶、美味しい。」といったコメントをいただくことができました。

「冒頭で紹介したように、クラウドファンディングで資金調達することができたので、これから竹スイーツをどのようにウガンダで展開していくか、明確にしていきたいです。」と柳原は話しました。

 

nayamii

深いつながりを感じられる安らぎのある社会を作りたい

登壇者:堀祐 大朗

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/nayamii

「nayamii」は、文章で入力した悩みを元にAIが絵を生成してくれるアプリを通じ、一人で悩みを抱え込んでいる方が、自分の考えを整理したり、どうすれば自然に悩みをさらけ出して共有できるようになるか、考えていくプロジェクトです。 

堀:最初の3ヶ月の活動で、悩みを表現することはできたのですが、そこからそれを人に自然に話すにはどうしたらよいかという課題が残っていました。 延長した3ヶ月では、悩みを自然に共有する方法を模索してきました。流れとしては、モヤモヤしている事実を認識、それを表現、その悩みを使った対話、という3つの段階があると考えました。悩みの認識については、生体情報を検知してフィードバックすることで、自分がモヤモヤしてることに気づくようなウェアラブルデバイスを開発中です。ナナナナ祭ではプロトタイプを用意して実際に体験していただきました。また、悩みを含む自然な対話を促す手段として、モヤモヤをキャラクターの絵にあらわすカードゲームを考案しました。そのキャラクターをつかって、ペアで敵を倒すゲームで遊ぶ中で、モヤモヤについての質問と会話を引き出します。これも同じくナナナナ祭で遊んでいただいたところ「自己開示ができて面白い」 「ゲームを通して話せる」という対話を促進することができたとの声をいただきました。一方で「最初のキャラクターをあらわすところで迷ってしまう」「ゲームのルールがよくわからない」といった改善点も見つかりました。これら6ヶ月の成果として、悩みの認識・表現・対話と3段階でそれぞれプロトタイプを作ることができましたが、まだまだ精度の高さや自分の悩みをうまく伝える点には課題を感じています。

「今後はプロトタイプを改善しつつ、イベントを開催してみなさんに使っていただきながら、アドバイスをもらいたいと思っています。GARAGE Programはこれで卒業ですが、深いつながりを感じられる人がいる、安らぎある社会を目指して活動を続けていきたいです。」と堀は話しました。

 

実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。

ARES Project https://youtu.be/PRdWxjr0vwA

HIZUMI https://youtu.be/R32n5UxNzdQ

Bonheur https://youtu.be/uWU6p5-Mi-E

Greeendy  https://youtu.be/ezcu7LWQ6cU

nayamii https://youtu.be/pkj7_IwSFFY

次回の実験報告会は8月24日(木)に開催。ぜひご参加ください!

(撮影:鈴木 渉)

<次回実験報告会>

「傘をシェアする文化をつくり、使い捨て傘ゼロの社会へ」100BANCH実験報告会

【こんな方にオススメ】
・100BANCHや発表プロジェクトに興味のある方
・GARAGE Programへの応募を検討されている方

【概要】

日程:8/24(木)

時間:19:00 – 21:30 (開場18:30)

会場:100BANCH 3F

参加費:無料(1ドリンク付き)

参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください

詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/50266/

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