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「All Gender Sauna」による冷たい七色の足湯—ナナナナ祭2022を終えて

「男湯」「女湯」と分けるのではなく、誰でも入れる「人間湯」を作ることを目指す「all-gender-spa-sauna-with-sharehouse」は、渋谷リバーストリートに「人間湯〜ナナナナ祭版・納涼冷水足湯〜」を出展。七色の冷たい“足湯”に浸かりながら、「周囲の求める私」ではなく、「私らしい私」について考える場を提供しました。

私たちは、「男女」という分類に違和感のある人も含めた全ての人にとって使い心地のいい銭湯、「人間湯」を作るプロジェクトだ。

しかし、自身を構成するもの(セクシュアリティもそれ以外も)は自分にしか分からない。従って、全ての人にとって使いやすいものは人間湯の運営が作るのではなく、使うすべての人が作ってゆくものだ。

なので「人間湯」を思想も含めて展示するのは、完成図を示すのではなく、来場者に問いかけ、まだ生まれていない人間湯を想像してもらうものでなくてはならない。

今回の展示の目的は2つ。

①来場者にコンセプトを伝え、問いかけるコミュニケーションを作る

②来場者に人間湯のあり方を想像してもらう

ことだ。

結論から述べると、①は概ね成功(90点)、②は失敗(30点)との自己評価となる。

①来場者に問いかけるコミュニケーションを作る

内容は、花や茶を使い、レインボーに色付けされた冷たい足湯を提供するというもの。足湯の提供をしつつ、コンセプトの説明とワークの提供も行った。

伝えたいことは、「銭湯を作ろうとしていること」と「ジェンダーダイバーシティを目指すこと」の2つである。

この気候の中、冷たい(ただし冷たすぎないことが大事。ぬるいくらいでも心地よく、冷たいと長居できない。当初想定されていた氷は一回も使わなかった)水に足をつけるというサービスは、立ち寄るという行動の訴求に十分だったと思う。大雨がなかったこと、薬膳のかき氷から誘導してもらえたこと(感謝)も大きい。

また、「レインボー=LGBTQ」というイメージはだいぶ浸透しており、後者は説明があればすぐ理解された。

そのコンセプトのもと、多様性について問うコミュニケーションを作ることまでは持ってゆくことができた。

②来場者に人間湯のあり方を想像してもらう

ワークの内容は「あなたの特徴を15こ挙げる」を踏まえ、その中で周囲からの評価(日本人らしい、エンジニアらしくない、女性らしい、など)を見つめ、自分がどうありたいかのギャップに気づいてもらうというもの。

この問いかけだけでは、その人の深い部分にスポットを当ててもらうには不十分だった。

  • 特徴には、理由(因果)があるものとないものがある。そこが明らかにならないと、自分の望み・他者の望みとの関係がわからない。
  • 自分の望みが何なのかを、問いだけで言語化するのは難しい。他者と比較したり、質問される中で気付けるもの

ということがわかった。

他者軸で生きることが多いがゆえ、治安やサービスの質がいい一方、精神疾患の多い国、日本。自己を抑圧されず、「私が私であること」が大切にされる社会を目指し、人間湯は引き続き活動を行ってゆく。

 

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