LEADER INTERVIEW

2019.10.16 Wed

日本を遊び心あふれる、かくれんぼ大国にする 【後編】ー外遊びを通じて余裕と愛を:Seek new game ; Hidden in the future 高山 勝

  • #かくれんぼ

前編に続き、この記事も日本かくれんぼ協会の代表、高山 勝(たかやま・しょう)さんのかくれんぼからはじめたいと思います。

今回は動画です。高山さんはどこにいるでしょうか?

 

 

さてさて、見つかりましたか?

 

巧みに隠れていた高山さんは、100BANCHで「日本をかくれんぼ大国にします。」と掲げ、2019年4月から3ヶ月間、実験に取り組んできました。
かくれんぼで生きていこうと覚悟を決めるお話を聞かせてくれた前編に続き、後編ではかくれんぼにある「愛」について、そして今後の展開について伺っていきます。

 

▶︎前編はこちらから:「日本を遊び心あふれる、かくれんぼ大国にする【前編】ー大人も子どもも楽しめる本気かくれんぼの可能性:Seek new game ; Hidden in the future 高山 勝

 

(執筆:中嶋 希実、写真:朝岡 英輔)

──100BANCHの入居期間中は新しいかくれんぼをつくるワークショップを開催したり、かくれんぼの運動効果を学会で発表した話を伺いました。ほかにはどんなことをしていたんですか

あとは毎月、知り合いの範囲で人を集めてかくれんぼをしています。自分の周りからかくれんぼを盛り上げたいっていうことと、僕の技が鈍らないようにしたくて。

あとは、新たに隠れられる場所を見つけたときは嬉しいですね。みんなで代々木公園でかくれんぼをしたときには、ホームレスのおっちゃんに頼み込んで家に隠れた強者(つわもの)がいて。かくれんぼってコミュニケーション能力も必要なんやっていう発見もありました。

 

 

──かくれんぼがどんどん奥深くなっていく…改めて、かくれんぼに参加する楽しさを教えてください。

まずプレイヤーとしての楽しさは、圧倒的な緊張感です。ちょっとでも音を立てたら駄目だから、息も整えないといけません。変な体勢で隠れてると、なにか役を演じてるような気もしてくる。すごくドキドキする、非日常の状態になります。

それに加えて、世界大会の公式ルールは、いわゆる缶蹴りみたいに用意されているマットにタッチするものなんですが、目標であるマットにタッチできた時はヒーローのような達成感も味わえる。遊びっていうものに没入していく感じが、すごく楽しいです。

 

──鬼の役割をしている人はどんな気持ちになるんでしょう。

探す時間はずっと、相手のことを思い浮かべているんです。あの人を見つけたい、あいつだったらここに隠れるんじゃないかって。ここだ!って見たら案外外れてて悔しくなったり。見つけた瞬間はやっぱりなって腑に落ちて。

離れていた時間があって、でもお互いのことをずっと考えていて、ある瞬間に大きな出会いがある。僕はこれを、「愛」だと思ってるんです。

 


-足音のしない高山さんの走り

 

──愛、ですか。

あんなにも人のことを考えて、ドキドキして。勝ち負けはあるものの、終わったあとも「なんであんなところに隠れてんねん」って笑いがあったりして。一緒にやった人同士がめちゃめちゃ仲良くなるっていう現象が必ず起きるんですよ。

隠れてる側も、実はちょっと見つかってほしいみたいな心境が生まれていて。じっと隠れたまま見つからずにかくれんぼが終了すると、その人はうまいってことにはなるけど、ちょっと寂しいんですよね。だって遊びなので。一緒に楽しみたいっていう根底があるのが、かくれんぼのおもしろいところです。

 

Seek new game ; Hidden in the futureプロジェクトページはこちらから

──楽しく、そして順調に100BANCHでの入居期間を終えた高山さん。最近はどんなことに時間を使っているんですか。

企業や地域に対して営業に行ったり、価値を伝えるための資料づくりをしています。地域を盛り上げるために開催しましょうってときには、けっこう安全性を問われたりして。なぜ安全なのか、企業や行政を相手に根拠づくりをすることが重要なんだとわかってきたところです。

 

 

──誰もやったことがないことだからこそ、人を納得させる根拠がいる。新しい道を開拓するには必要なことなのかもしれませんね。

そうですね。正直、お金を生み出すことはぜんぜん計画通りに進められていないんです。今は自己資金を使って、まだ赤字が続いている状態で。日本選手権では、大会のスポンサーになってくれるような企業も見つけたいと思ってるところなんです。

 

──日本選手権、開催するんですね。

本当は今年(2019年)の7月に開催してる予定だったんですよ。それが…台風6号、忘れもしない憎っくきナーリー(台風の名前)っていうのが来やがって。初めてのことだったから資金も投入してたんですけど、全部おじゃんになりました。今は11月に、今度こそ開催しようと準備をしているところです。

 

──11月に開催、楽しみですね。どんな大会になるんですか?

神奈川県の松田町で開催させていただきます。町長さんがノリノリで、閉校した学校のものを自由に使っていいことになったんです。芝生のサッカーグラウンドに、校長室のソファーだとか理科室の人体模型を持ち出して、青空の下かくれんぼをやることになっています。

その大会から、日本代表5名を選出します。来年の夏に合宿をして、9月に開かれる世界大会に出場します。実績を積み上げたら、5年以内に世界大会を日本に誘致したいと持っています。

──日本で世界大会。夢がどんどん広がりますね。

日本はかくれんぼがめっちゃ強い国、盛んな国っていうイメージをつくって、日本をかくれんぼ大国にしたいと思っています。

世界大会に出るっていうだけではなくて、たとえば街中で待ち合わせするときにかくれんぼしていたり。日常にかくれんぼが溢れているような国にしたいと思っています。

 

 

──日常でかくれんぼですか?

今そんなことしたら変なやつって思われるかも知れないですけどね。かくれんぼ、外遊びを通じて生まれるユーモア、遊び心が日本中に浸透するといいなって思うんです。

日本人はかくれんぼが強い、なぜなら日本人は日常生活からめっちゃ隠れながら遊んでる、そんな日本人ってユーモアがあって心に余裕があるなっていうのをアピールしたいんですよね。だから、日本をかくれんぼ大国にします。

 

──迷いなく言い切る高山さん、応援してます。順調に進めば、いずれかくれんぼがオリンピックのいち競技になるかもしれませんね。

あ、僕、かくれんぼはスポーツには絶対にしたくないんです。僕の中でスポーツと遊びは明確に違うと思っていて。スポーツは徹底的に勝ち負けを追求するもの。遊びは、勝ち負けの判定はあるものの、楽しかったらそれでOKなんですよ。勝ち負けを気にせず、その場を楽しめるものであってほしいんです。

 

 

世界大会でも点数の優劣はつけるんですけど、ほかにも誰が一番大会を楽しませたかっていうMVPがあったりして、あくまで「遊び」として楽しんだ人を表彰するんです。いろいろな楽しみ方、いろいろな評価軸があるのがスポーツと違うところだと思っています。

 

──なるほど。あくまでも「遊び」として極めていくんですね。

世界大会では、かくれんぼを通して国と国との争いを見ました。自分の国旗を背負って戦っているっていう本気の大人たちがいて。でも終わったあとにはお互いに笑って会話をしている。誰かが決めた価値観や評価軸でなく、自分なりの楽しさを見つけて楽しんでいる。そんな心の余裕、遊び心のあるかくれんぼを、日本でも盛り上げていきたいですね。

 

 

 

【かくれんぼ日本代表を決める戦い】【11月9日@松田町】

台風で延期になった第1回日本かくれんぼ選手権は11月9日の開催に決定いたしました。本気でかくれんぼ日本代表を目指す方も友達とゆる~く楽しむ方も、小学生もおじいちゃんも誰でも気軽にご参加ください!(Peatix上の申し込みは11月4日まで、当日受付もあり

https://japan-kakurenbo.com/japan-champ2019/

WRITER

中嶋 希実

編集・チャイ屋

東京と茨城を行ったり来たり。話を聞いたり、書いたり、動かしたりしながらいくつかのプロジェクトに関わっています。ときどきチャイ屋「きみちゃい」をひらきます。

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