- イベントレポート
廃材からサステナブルなスケートボードへ——— アップサイクルワークショップ
サステナブルなスケートボード文化を渋谷から世界へ発信するプロジェクト「I ♡SKATEBOARD SHIBUYA」は、100BANCHの重点テーマである「古きをたずねて、新しきをつくる=温故創新(おんこそうしん)」を具現化するプロジェクト。
今回はアップサイクル(※)の理念に基づき、廃材からスケートボードを作るワークショップを開催しました。
※アップサイクル…素材の再循環を意味するリサイクルではなく、今あるものに新しい価値を与え、元の製品よりも次元・価値の高いモノを生み出すこと。
捨てられるはずだった廃材は、どのようにして世界で一つだけのオリジナルスケートボードに生まれ変わったのでしょうか。「消費に頼る今の経済を見直し、今あるものにもう一度新しい価値を与える」実験を通して、「廃棄量の削減を実現できる」という仮説の検証過程をレポートします。
選ぶ
今回使用するのは、使い古されたスケートボードと壊された古民家から持ってきた廃材。廃材にはなんと、現在では伐採困難な高級木材・ケヤキなども含まれていました。
中古のブランドスケートボード。削れてしまったノーズ(前方の反った部分)とテール(後方の反った部分)をカットすれば、まだまだ使えます。
廃材からは、スケートボードの原型であるクラシックなデザインを作ることができます。二種類の材料から、それぞれ好きな木目やデザインのものを一つ選びます。
乗り心地も重要な判断指標です。
切り出す
材料を決めたら、自分の好きな形をイメージしながら図面を引きます。
スケートボードづくりのプロである「INARI」代表の佐野雅彦さん、「Wooden Toy」代表の大場康司さんと相談しながら、形を決めます。
左右のバランスを合わせるのがコツ。
板に下書きをしたら、ジグソーを使って形を切り出していきます。
ジグソーを扱うのは初めての参加者がほとんど。「まっすぐ切るのが難しい」
廃材からは木本来のいい香りが漂ってきます。
仕上げる
好きな形に切り出したら、まずはかんなを使ってささくれ立った端を滑らかにしていきます。
中古のスケートボードの側面をかんなで削ると、カラフルな木くずが出現。ショットグラスに入れて飾れば手軽におしゃれに、かつ環境にも配慮したインテリアグッズができあがります。
側面をかんなで削ったあとは粗めのヤスリでさらにこすり、仕上げます。
佐野さん「ヤスリがけはお化粧をするように」
完成
イメージ通りの形になるまでヤスリがけをしたら、お好みでスケートボードに貼る滑り止めをスプレーでデザインします。
そしてついに完成!
なお、今回のイベントで出たゴミは、「ゼロ・ウェイスト」を目指して次のワークショップで使用する予定です。
※ゼロウェイスト…無駄・ごみ・浪費をなくす。 出てきた廃棄物をどう処理するかではなく、そもそもごみを生み出さないようにしようという考え方。
今回、捨てられる運命にありながらそれぞれのオンリーワンに見事生まれ変わったスケートボード。
参加者のほとんどが初心者でありながら練習日程をその場で決めるなど、デザインや工程に自ら関わったことで、スケートボードというスポーツ自体にも興味や愛着が一層増したようでした。
本イベントを主催したプロジェクト「I ♡ SKATEBOARD SHIBUYA」はスケートボードに限らず、あらゆるスポーツが環境への影響を考慮して運営できる社会を目指して活動を続けていく予定です。今後の動きにも乞うご期待ください!
GARAGE PROGRAM 実験報告会
プロジェクトの実験報告が終わると、参加者は登壇者への質問や2FのGARAGEの見学、事務局メンバーにGARAGE Program応募を質問するなどを、それぞれが思い思いに100BANCHの取り組みを知る時間となりました。
次回は【GARAGE Program応募者向け見学説明会&プロジェクト成果報告会】を4月25日(木)に開催します。
各プロジェクトの活動の様子を知りたい方や、GARAGE Programへの応募を考えている方は是非ご参加ください。
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