• イベントレポート

ナナナナ祭 Day2ー100BANCHに集う若者たちと考える「無電化地域のビジネス」と「これからの働き方」とは?

100BANCHの1周年を記念して、「ナせばナる ナさねばナらぬ 8日間」を合言葉に繰り広げられている夏の文化祭「ナナナナ祭」。

2日目の7月2日(月)には、ワークショップ「無電化地域でスモールビジネスをつくる」、シンポジウム「サラリーマン解放宣言〜人生100年地代の働き方」を開催しました。この日の渋谷は30度を超える真夏日であったにもかかわらず、多くの参加者が集まりました。

本記事では、上記2つのイベントの様子を速報でお知らせします。

ユニークなアイディアが炸裂! 「無電化地域でスモールビジネスをつくる」

月曜日の午後1時という日中の開催にもかかわらず「無電化地域でスモールビジネスをつくる」ワークショップには、40名近い参加者が集まっていました。

アイディアの発表に、総勢17名が立候補

チームで考えたビジネスアイディアは次の6つ。「最新技術を使ったあかりの祭の村を作る」「電気を使うことで現地の人にお金が入る電力供給ビジネス」「現地の家事労働を軽減する洗濯機を用いた事業」「余剰電力による浄水と光で高品質な漢方を作る」「タブレットを用いた子どもができるデータビジネス」「アクアポニックスを使った新しい生産と消費」。どれもユニークな視点で発想されています。そのため、審議にもかなり時間がかかっていました。

ビデオ会議システムでミャンマーと繋がる会場

各チームのアイディアの講評は、ミャンマーとのビデオ会議システムで行われていました。現地の実情に即したコメントを、リアルタイムで聞くことができました。

6チームの発表後に行われた審査の結果、3位に「電力供給ビジネス」2位に「高品質な漢方を作る」が選ばれました。

3位「電気供給ビジネス」のプレゼンの様子

僅差で2位となった「高品質な漢方をつくる」アイディア

そして、1位に輝いたのは、「アクアポニックスを使った新しい生産と消費」のチーム。国連によって示された「持続可能な開発目標(SDGs)」を意識しながら、すでに持っているアクアポニックスの技術をそのまま移転できることが評価されての結果でした。

1位チームのプレゼンの様子

今回出たアイディアは、現地でのトライアル実施に向けたシード、種の部分としての位置付けになります。このなかに、今後ミャンマーでビジネスを起こすことになるチームがあるかもしれません。今後の動きに関しては、100BANCHの活動を見守ってください!

 

外に出よ、軸を持て!「サラリーマン解放宣言〜人生100年時代の働き方」

日が暮れても、まだまだ暑さの残るなか、会場にたくさんのひとが詰めかけたシンポジウム「サラリーマン解放宣言~人生100年時代の働き方」。ワイシャツのポケットに首から下げた社員証を突っ込んで、仕事が終わってから駆けつけた参加者の姿も多く見られました。

「『サラリーマンっていいな、会社で働くのも面白いな』と思ってもらいたい」ーー現代は、どちらかといえば会社に縛られない、独立起業することのほうがポジティブなイメージで、サラリーマンというのはネガティブに語られることのほうが多い時代です。そのようななかで、本イベントは「会社に抑圧されている、縛られているものがあるとすれば、それから解放し、サラリーマンという言葉をアップデートして、新しい働き方を定義づけていこう」ということをテーマに開催されました。

関連リンク:サラリーマン解放宣言〜人生100年時代の働き方 | 100BANCH:https://100banch.com/events/8754/

3名の登壇者は、全員がサラリーマン。ただし、それぞれが異なる働き方をしているユニークなみなさんです。

パナソニック株式会社執行役員の小川理子さんは、入社以来ずっと会社で働きながら、ジャズピアニストとして活動しており、これまでにリリースしたCDは14枚、アメリカのインターナショナルジャズフェスティバルに招聘されるほどの腕前です。会社員とジャズピアニストの二足のわらじを履くことは、中途半端と揶揄されることもあったそうですが、小川さんは、それをバネに発奮してきたと語りました。

小川 理子さん

1社に所属しながら、社内制度を利用して他の会社にレンタル移籍して働いている「留職」中のサラリーマンが、NTT西日本に所属し、現在はトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社に出向している新田一樹さん。大企業から小さなベンチャー企業への留職を決めたのは、30歳を境に外の世界で通用する力が身についているのか、猛烈な不安を感じていたときに社内制度がはじまったため、これを機に留職することを選択したそうです。

新田 一樹さん

そして、クロストークのモデレーターも務めるamadana株式会社の伏見大祐さんは、転職したサラリーマン。さらに、平日1日のクリエイティブ休暇制度によって週休3日。その他の時間には、軟式野球クラブチーム「東京バンバータ」の運営や、ワークショップデザイナーやファシリテーターなど、様々な活動を行っています。

伏見 大祐さん

小川さんは、音に関する仕事をしたいと考えてパナソニックの音響研究所で働きはじめたそう。「仕事がこんなに楽しくていいのかしら」と思うほど楽しく仕事をしていたのに、後に音響研究所が閉鎖。しかし、部署異動をしても職場で常におもしろいことを探しながら働いてきたと小川さんが語ったことに対して、会場からは「どのようにおもしろさを見つけたのか?」という質問が投げかけられました。

小川さんの答えは「軸をもつこと」。小川さんにとっての軸は「音」でした。研究から離れたときにジャズをはじめたり、さらにネットワーク事業へ異動したときにも、音に関する仕事をしたりと、常に「音」を自身の軸として活動をしていたそうです。

さらに、会場からは「軸になるものをがなかなか見つけられない」という声があがりました。この答えとして、伏見さんは「動くこと」を提案。最初の会社ではシューズのデザイナーとして働いていた伏見さんは、会社をやめて、外に出たことでさまざまなデザインがあることを知ったそう。そのため「ずっと同じ場所にいても情報は何も得られないが、動くことでいろいろなことを発見できる」と、まずは動いてみることを勧めていました。

登壇者との質疑応答のあとは、会場の参加者同士が意見を共有する時間が設けられました。それぞれが現在何に縛られていて、何を解放したいのかを語り合い、さらに「解放サラリーマン」のあたらしい呼称を考えることに。最終的に多くのアイディアが出ていました。

参加者同士の活発な対話が行われていました

いくつかピックアップしてご紹介すると、「輝(キラ)リーマン」「カンパニープレーヤー」「チームプレイヤー」「ライフコーディネーター」「エポックメーカー」「じゆうじん(自由、自遊、志有)」「アソビーマン」「オンリーマン」「セーフティチャレンジャー」「働きGUY 働きたGIRL」など。

参加者による「解放サラリーマン」のあたらしい呼称アイディア

シンポジウム終了後も、参加者のほとんどの方が会場に残り、楽しそうに交流している姿が見られました。

 

会場内の装飾にも注目!

『ナナナナ祭』期間中、100BANCHにはさまざまな装飾が施されています。

1Fから2Fの階段には、七夕シーズンに合わせて飾られた短冊が。暑い外から建物内に入り、風で揺れている涼し気な様子を見ると、ほっとした気分になります。

七夕ウィークにふさわしい、涼し気な短冊

短冊には入居メンバーの願い事が

短冊には、入居メンバーの目指す未来が書かれています。みんなの願いをのぞき見するのも、楽しい。

また、階段の手すりには、目で読む文字と指で読む点字が一体となったフォント「Braille Neue」を使用した案内表示が貼り付けられています。

文字と点字を一体化したフォントBraille Neueを使用した案内表示

Braille Neueは3Fで展示が行われています。アイディアから実際にあたらしいフォントを制作するまでの過程がわかるパネルが用意されているので、こちらもぜひ、ご覧ください。

点字と文字を組み合わせて作られたフォント

7月8日(日)まで続く『ナナナナ祭』、入場料は無料です。渋谷駅新南口から徒歩二分の会場で、連日10:00から22:00まで開催中ですので、お仕事終わりでもふらっとお立ち寄りください!

 

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