PxCell(旧:Cybor Ichiba)
ヒトの細胞を売り買いする世界をつくる
PxCellは、2023年7月から活動を始めた「細胞を売り買いする社会をつくる」プロジェクト兼バイオテックスタートアップです。ヒトやペットなどの細胞やDNAを結婚指輪・お守り・形見に加工することで、大切な誰かを纏い、想いを繋ぎます。
今回のDESIGNART TOKYO 2024では、世界初のDNA宝石「PxCell Gem」やDNA盆栽「anima」、バイオ技術で染色したジーンズ「BIO JEANS」の3作品の展示を行いました。会場での展示の様子をPxCellの川又がレポートします。
本作は大切な誰かのDNAを独自の含浸技術で封入した世界初の宝石です。これまで細胞リングやDNA香水、ヒトの糸などを制作してきたPxCellがたどり着いたウェットとドライの中間の境地です。今回の展示ではDNAを封入した結晶をプロトタイプとして展示しました。今後は、装身具として従来より価値のある宝石にDNAを封入していき、DNAジュエリーとして販売を行います。
本作は「全てをモケモケ」にするアートユニットmokemokeとコラボレーションした作品です。盆栽に盆栽作家のDNA情報をいれることで、数多くの時間と人の手が加わり、雄大な自然を表す盆栽に「歩んだ道のり」を遺すプロトタイプです。DNAが盆栽に入っていることを明示するためにmokemokeで使われているフロッキーを盆栽の葉に塗布しました。
本作は、バイオ技術で染色したジーンズです。ジーンズのセルロースを酵素で分解することで独特の風味を出しています。今後の展望としては、糸や生地の段階からセルロースの強度設計を行い、様々な地域の山などの生態系を活用して、地域ごとのバイオジーンズを生み出していきます。
最後に、今回のDESIGNART TOKYO 2024でも見られるように、いまバイオが熱いです。
100BANCHという栄養豊富なシャーレの中で様々なバイオプロジェクトが増殖していき、ときに様々な刺激を取り入れながら、新たなコロニーを形成して世界に影響を及ぼし始めています。
私たちやバイオチームが蒔いた種がどんな未来を作っていくのかはまだ未知数ですが、100のバイオクリエイティブコレクティブが集まる「100BIO」元年が到来したことをここに記しておきます。