• イベントレポート

「グラスサンドアート」で見えてくる感情とは。心をキャンパスに——ナナナナ祭2024を終えて

ハイリ―・センシティブ・パーソン(HSP)の気質によって教育機会を損失している人を救うために発信など様々な活動をするプロジェクトHsP’eers。
ナナナナ祭2024では、体験ブース「心をキャンバスに」を出展しました。私たちが日常生活を送る上では「喜怒哀楽」様々な感情が伴いますが、その感情は自然と忘れてしまうことも多いです。そこで今回HsP’eersでは、ビーズやカラーサンドを使った自由なアートをつくることで自分の感情に向き合う体験ができるブースを作りました。その様子をHsP’eersの岩切が振り返ります。

「みんなが通いやすい学校を一緒に」というモットーを掲げ、現在13人の学生で活動するHsP’eers。普段はオンラインイベントを中心に、教育についてのプレゼンテーションやディスカッションを通して情報発信をしている。ナナナナ祭では、HSPや教育といった気難しいイメージを完全に取り払い、誰でも気軽に参加できるワークショップ「心をキャンバスに」を出展した。

 

「グラスサンドアート」とは

相手を理解するためにはまず自分を理解する必要がある。そこで、「箱庭療法」から着想を得たプロジェクトを始動することにした。箱庭療法は、砂の入った箱にミニチュア小道具を自由に置いて遊ぶことを通して、自分では気づけない潜んだ感情を明らかにするという心理療法だ。今回は、

①より手短にできること

②見た目が映えること

を意識して、ビーズや砂を自由に詰めて作る「オリジナルグラスサンドアート」を題材にした。

このワークショップには以下の二つのフェーズがある。

 

1.無意識下での作品制作

来てもらったお客さんには、まず、特に何も考えずにオリジナルのグラスサンドアートを作ってもらう。小瓶に入れるための材料として用意されているビーズ、カラーサンド、スパンコールなど20種類以上の材料をミニボトルの中に好きなだけ入れ、小瓶の中をカラフルに彩っていく。

用意したカラーサンド・ビーズ

 

2.作品の振り返り

その後、作品を作った時の感情を可視化するためにアンケートを取る。自分の現在の感情が合計で10になるよう喜怒哀楽を0~5のスケールで評価してもらい、それがどのように作品にあらわれているのかを考察する。Formsの回答で振り返りを行ってもらうことで感情が行動にどう反映するのかを実感し、自己理解を深める中で大切な自己客観能力を養うことができる。

 

当日の様子

ナナナナ祭は雨が降る中での開催だったが、全日程を通しての体験人数は100名を超える大成功だった。以前より活動を応援してくださる方やたまたま通りかかった親子など、多くの方と接することができ、充実した時間となった。普段からHsP’eersのインスタグラムを追ってくださっている方と対面でお話しながらの作品制作、親の意見を一切聞き入れずに黙々と作業をするお子さん、初めは興味がなさそうだった親御さんが一番熱中する姿などは運営する側としてもとても新鮮で、興味深かった。

中には「自分の作品は今の感情以上に自分の大雑把な性格が出ている」と別の角度からの自己分析や、「子供がこんなに想像力豊かだと思わなかった」といった親御さんの驚きの声をいただき、この体験から「感情の可視化」以上に、様々なことを受け取ってくれていることに気づいた。

 

HsP’eersのこれから

グラスサンドアートのワークショップで自分の感情と行動の結びつきに気づく。ナナナナ祭を通して、このことを多くの方に体験していただいたことでHsP’eersの普段の活動についても興味を持ってもらえたのではないか。

全ての人が通いやすい教育現場を創出するために、これからもHsP’eersは活動を続けていく。

 

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