東京の街を食べられる森にするため、 都市システムを草の根的にアップデートしたい
Reiwa no Land Reform
東京の街を食べられる森にするため、 都市システムを草の根的にアップデートしたい
都市に住んでいても、自然物と隣り合って生き、豊かな時間を過ごしたい。Reiwa no Land Reformは、建築、都市計画、ランドスケープの側面からデザインアプローチを展開し、街を食べられる森にすることを目指すプロジェクトです。
ナナナナ祭2023では、100年後の都市住民のモデルルームとして、プランターを持って移動するライフスタイルの展示をしました。この記事では展示のコンセプトや、実施して発見したことをレポートします。
こんにちは。Reiwa no Land Reformプロジェクトの森屋です。
私たちは、都市農業を実装して、東京を食糧危機から救うことを目指して活動しており、プロダクトの制作や栽培の実験、あらゆるセクターへの働きかけを行っています。
今回のナナナナ祭2023では、令和の時代に入り、ますます流動的になる都市の中では、移動しながら野菜を育てるライフスタイルが出現するのではないか、という仮説のもと、移動した先々でテントを展開して暮らし、プランターで野菜を育てるしなやかな生き方を、モデルルームとして展示しました。
来場者の方にプロダクトを実際に見てもらいながら、都市農業の未来について話し合うため、ひっくり返すとベンチにもなる三角プランター、ネコグルマ(運搬用一輪車)プランター、テントハウスの展示をしました。
プロダクトの一つ目は、三角形のプランターです。
ひっくり返すとベンチとしても使えます。組み合わせることで様々なかたちをつくることができ、庭先のちょっとした空間にもフィットしやすいです。
また、運搬用一輪車(ネコグルマ)に石と土を敷いて、プランターをつくりました。
日なたと日かげを簡単に行き来できたり、暴風雨の時に避難させやすかったりします。
テントハウスは、壁床の養生などに使われるプラダンを使って、分解と組み立てのしやすいものをつくりました。
このようなプランターとテントを使って、移動生活をしながら、プランター・土を周辺から探してきて育てるもよし、プランターごと車に積んで移動するもよし、作りすぎた野菜はその場で直売するもよし…そんなしなやかな生き方を、モデルルームとして展示しました。
自分自身がノマド的生活を体験するために、大学においていた什器をイベントのために100BANCHまで運び、組み立てて、ポップアップ的にブースを作りました。
また、見せ方にもこだわりました。特に三角プランターは、野菜と人が隣り合った風景を作ること、組み合わせでさまざまな形を作ることを配置で表現しました。
ポップアップ的で、移動にも耐えうるしなやかさを持つ農が、都市に浸透する未来が垣間見えるブースとなりました。
来場の方からは、いろいろな場所に置けるポテンシャルがあるというポジティブな意見を多くいただきました。
機能的にどうなのか(排水・排熱など)、疑問に思う声もありましたが、各機能に配慮をして作っており、場所を選べば問題がないことを説明できました。
まちなかに実際に置いてみたことで、ベンチに座ってもらったり、子どもに野菜を収穫してもらったり、体験してもらえたことが何よりもよかったです。
どんな場所に置いても、風景に馴染みすぎず、目立ちすぎず、ポップアップとして程よい存在感を持っていると思いました。
一方で、運搬が非常に大変であるという発見もありました。ノマド的生活も楽ではありません。
今後も、野菜が隣にある都市生活の浸透を目指して、プロダクトをひたすら作り続けていきたいです。作って人に見てもらうことができたことが、今回の一番の収穫です。
また、今回のプロダクトをはじめとして、まちなかのいろんな場所にプランター・野菜を置いてみたいです。実際に置いてみて発見できることが多くあると思いました。
そして、現在は大学の屋上やシェアハウスの共有スペースで栽培の実験をしていますが、空き家や使われていない屋上を活用して、野菜を育てる場を増やしていきたいです。
ものづくり・場づくりを通した野菜づくりを今後も続けていきますので、ぜひお声がけください。