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人口70人の離島に20年ぶりにオープンした商店が目指す場所とは?【未来のコンビニプロジェクトフィールドワークレポート vol.2】

みなさん、こんにちは!『未来のコンビニプロジェクト』の企画を担当している菅本です。

未来のコンビニを考える上でより広い視野を持つために様々な立場の方にインタビューを行いました。
第2弾の舞台は鹿児島県の薩南諸島北部に位置する島、竹島。人口約70人の小さな島で、20年ぶりに商店ができたそうです。

その立ち上げと運営を担う山崎晋作さん(36)にお話を伺いました。

Uターンした若者が立ち上げた小さな商店

「結婚を機に2014年に島にUターンしました。翌年に長男が生まれ、2018年4月に実家の一部を改装して商店『竹のいえ』を立ち上げました。商店が無かった時は、鹿児島本島の商店に注文して定期的に船で運んで来てもらったり、ネットショップで購入したりしていましたね。

商店をオープンさせてからは、自分が想像していた以上に沢山の方が来店してくれています。お菓子をまとめ買いしてくれたり、うっかり切らしてしまったお米や醤油を買い来てくれたり。夏はバーベキュー関連のものがよく売れますね。炭やお肉など。バーベキューの器材も貸し出ししています。」

「商品の品揃えは日用品と食品が中心で、全体的にコンビニよりも少なめの商品数です。食品の仕入れは、本島の問屋から仕入れることもありますが、ネットショップで安く沢山仕入れて販売することが多いです。島の人に“買い物をする楽しさ”も感じてもらいたいので、販売価格をできるだけ抑えられるように工夫しています。」

 

島に商店を作ったのは”便利を求めたから”ではない

「島に商店を作ったのは、ただ島を便利にしたかったからではありません。どちらかと言うと、お店に居座ってもらってみんなにくつろいでもらったり交流してもらったりして”島の人が楽しめる場”になってほしいと思っています。

そのためにお店の中にも外にもベンチを置いていますし、店内には昔の写真を飾ってみたり、小学校の運動会の様子をムービーを流してみたり、島の人同士の会話が弾むキッカケもできるだけ作っています。

なので、お店に話をしに来るお客さんもいらっしゃいます。時には、商店に『タイヤがパンクした』などの困りごとを相談に来た人がいると、居合わせた人が助けてあげていたりして。商店という場所が、”ものを売る”ということ以外の拠点になっていることを感じています。」

「島は、小さなコミュニティだからこその温かさもあるけど、まだまだ息苦しさも残っています。僕でさえ、ずっとここで生きられるか?と言われると今のままだと即答できません。島をもっと住み続けたい場所にするためにもこの商店が活きてくれればと思っています。70人という人口って、学校で例えると2クラスの人数。”設備が最先端でクラスの仲がとても悪い学校”と”設備はボロボロだけどクラスの仲が良い学校”だったら後者の方が通いたいと僕は思うんです。だから、島の”便利”を追求するより先に、島にいることの心地よさを追求していきたいと考えています。いくら外から人を呼んでも、住み心地が良くないと出て行くばかりですしね。

島の人の良いコミュニケーションを促すために、たまに商店をスナックにしたり、島のおじいちゃんおばあちゃんの話を本にする企画を立てたりいろんな挑戦をしています。今後は、飲食店が島にないのでその立ち上げ準備や、民泊許可の取得準備なども進めたいと思っています。あとは、島内でも食品やものを作り、商店で売ったり外に売ったりすることもしたいですね。やりたいことは沢山あります。」

自らの故郷であり、子どもの故郷でもある竹島をいかに住み良い場所にするか。そのキッカケとして商店を活かしていきたいと言う山崎さんのお話を伺って、”地域の集いの場”としてのコンビニの可能性を感じることができました。これから『竹のいえ』がどのように島の拠点として活きていくのか、とても楽しみです。

 

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