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ナナナナ祭はスタートライン。試行錯誤のプロセスと「触発」の土台──ナナナナ祭2026を終えて

「未来をつくる実験区」として日夜、未来への仮説を検証するためのさまざまな実験を繰り返している100BANCH。その実験を広く社会へと拓き、多くの来場者と共に可能性を広げていく最大のハレの場が「ナナナナ祭」です。

どのような体験を作り出し、プロジェクトの跳躍へとつなげていくのか。9周年を迎えた今年のナナナナ祭における取り組みと、そのプロセスから見えてきた触発の意義について、ナナナナ祭2026プロジェクトマネージャーの庭野が振り返ります。

100BANCH9周年を迎えた2026年7月7日のCONFERENCE DAYを皮切りに、7月10日〜12日のDEMO DAYの計4日程で開催した「ナナナナ祭2026 渋谷未来博」。

今年は30のプロジェクトが参画し、全33プログラムを展開。体験者数は前年に比べ4割増となる8,361名を記録し、連日オープンからラストまで途切れることなくたくさんの人が行き交う、賑やかな空間になりました。訪れた来場者の心にどこかワクワクする未来の兆しを届けられたのではないかなと感じています。

しかし、ナナナナ祭を振り返る上で重要なのは、当日の盛り上がりだけではありません。企画から開催後に至る「プロセス」と、そこから生まれた「触発」の動きにもスポットを当てながら、ナナナナ祭2026をじっくりと振り返っていきます。

「ハレの場」の基盤と、新たな実験

100BANCH最大のハレの場である「ナナナナ祭」は、コロナ禍に伴うオンライン対応や人数制限などを含め、開催形式を都度、変化させてきました。そうした数々の試行錯誤を経て、昨年、行き着いたフォーマットがCONFERENCE DAYとDEMO DAYの2本柱で、屋内を中心にしたブース展示、屋外ではヤグラステージを展開するというスタイルです。それを踏襲して臨んだ今年のナナナナ祭は、基本となる設計が安定したからこそ、新たな「実験」にも挑戦することができました。

そのひとつが、DEMO DAYで各プロジェクトが企画するブースの「体験設計」における準備プロセスのアップデートです。

これまでも、参画プロジェクトにとってナナナナ祭を跳躍の機会にできるよう、段階的なチェックポイントを設けてブラッシュアップを重ねてきました。ですが、サービスやプロダクトの開発へ没頭するほど、当日の「来場者目線での体験設計」が直前まで後回しになりがちなのもまた事実。

そこで今年は、体験設計に特化したワークショップやロールプレイングなどを盛り込み、当日の体験設計を早めに構築してもらうステップを用意しました。事前にお客様への伝え方を整理しておくことで、より深い対話や仮説検証の機会をぐっと広げることができたと感じています。

CONFERENCE DAYでは、OST(オープン・スペース・テクノロジー)の手法を取り入れ、100BANCHメンバーと参加者がフラットに対話を深める全編ダイアローグの実験的なスタイルに挑戦。あちこちで濃密な対話を重ねるあの熱気と一体感は、まさに100BANCHらしいカンファレンスとなったのではないでしょうか。

今年から安全講習会も実施

話したいテーマに自由に参加し対話する、実験的カンファレンス

熱量だけで終わらさずに次のステップへ

こうした新しい実験の土台には、これまで大切にしてきた地道なプロセスの積み重ねがあります。毎年5月に開催するジャンプアップ合宿をはじめ、進捗共有会など、リアルなチェックポイントを丁寧に踏んできたからこそ、本番での爆発力が生まれるのです。

そうして迎えた7月10日〜12日のDEMO DAY。各ブースでは単にプロダクトやサービスを披露するだけにとどまらない、熱い仮説検証が繰り広げられていました。来場者からは「どの展示もその場にとどまらせる工夫がたくさんあって、あっという間に時間が過ぎた」「熱を持って自分のプロダクトを語っている姿がカッコよかった」「自分が忘れかけていた熱量を思い出すきっかけになった」といった声が寄せられ、単に楽しんでいただく以上に、訪れた人の心に火をつけるようなポジティブな影響を与えられたのではないかと感じています。

また、今回はPR TIMESをはじめとする事前発信にもより力を入れたことで、「記事を見てこの取り組みに興味を持った」と目指して来場した連携パートナー候補の方々も多く、具体的な相談や事業提携といった「次のステップ」へ繋がるディスカッションが生まれていたブースもありました。

そして、この祭りの「その後」をつなぐ新たな試みとして企画したのが、開催から1ヶ月が過ぎた8月8日に実施した振り返りイベントです。

大きなイベントを終えると、どうしても「やり切った」という達成感だけで一区切りがつき、足踏みが始まってしまいがちです。だからこそ、ハレの場で得た熱と学びを冷静に噛み締め、次の一歩へ素早く踏み出すための場をつくりたいと考えました。

当日はアットホームな雰囲気に包まれながら、お互いの奮闘を称え、労いのコメントを送りあって自分たちが駆け抜けた期間を振り返りました。プロジェクトによっては課題と向き合い、時には壁にぶち当たり、涙を流しながら準備を進めてきた日々でもあります。そうした苦労を経て迎えた当日を振り返る中で、あるメンバーから出た言葉が強く心に残っています。

「ナナナナ祭は完成発表のゴールじゃない。ここから社会へ飛び出していくためのスタートライン」

苦しい準備過程を経て、本番で来場者との「触発」があり、そこから一気に活動を加速させていく。ナナナナ祭が単なるお披露目のイベントではなく、プロジェクトたちの次なる跳躍を支える「スタートライン」として確かに機能していることを実感した瞬間でした。

それぞれのプロジェクトの振り返りは、イベントレポートとして発信しているので、ぜひこちらも読んでいただければと思います。

https://100banch.com/magazine/nananana2026/

ブラッシュアップ合宿でのワークの様子

当日は老若男女、幅広いご来場者に体験いただきました

振り返りイベントでは労いのメッセージを送り合いました

クオリティの先にある「荒削り」を求めて

何度もナナナナ祭に足を運んでくださっている来場者や関係者から、最も多くいただいたのは「今年はどのブースも、すごくクオリティが高くない!?」という言葉でした。メンバーの奮闘とこれまでのプロセスの改善が実を結んだ証であり、確かな手応えを感じる一方で、ひとつ考えさせられるポイントがありました。

「100BANCHらしい、荒削り感が薄れてはいないだろうか?」と。

AIの進化によってアウトプットが綺麗に整いやすくなっていますが、表面的な綺麗さに一番大事なものが誤魔化されてしまうようなものにはしたくない。当初抱いていた「本当にやりたいこと」が、締め切りが近づくにつれて、無意識のうちに「できそうなこと」へとすり替わってはいなかったか。ただ美しいだけのブースであれば、100BANCHで開催する意味はありません。「ナせばなるナさねばならぬ」のナナナナ祭だからこそ、その熱量を宿したまま、イベントとしてのクオリティを高めていきたい。まだ明確な答えはありませんが、来年以降への挑戦として、ここに書き残しておこうと思います。

改めて、ご来場いただいた皆さま、そしてこのお祭りを支えてくださったすべての方々に心から感謝申し上げます。全ブースが「仮説検証の場」として準備を重ねてきたからこそ、皆さんが寄せてくださった感想や問いかけのすべてが、プロジェクトたちの飛躍の糧となります。ぜひこれからも、共に未来をつくる仲間として応援していただけたら幸いです。

それでは、10回目のお祭りでお会いしましょう!

オープンぎりぎりまで準備するメンバーたち

恒例の流しそうめんは今年も大人気

ナナナナ祭2026 ダイジェストムービー

CONFERENCE DAY

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