Bloom Girls Night

「Lumiskin」プロジェクトはどんな肌色でも輝ける世界を目指し、黒肌さんが使いやすいコスメブランド開発や海外にルーツを持つ人が集まるコミュニティ運営に取り組んでいます。自分のルーツや肌色を肯定できる世界をつくる一歩として、2026年5月4日に100BANCHにてイベント「Bloom Girls Night 〜お花のように自分らしく咲く女の子が集まる夜〜」を開催しました。トークショーやワークショップを通して参加者同士でも交流をしながら自分らしさに向き合ったイベントの模様を、Lumiskinの加納が振り返ります。

私たちは、どんな肌色でも輝ける世界を目指し、黒肌さんが使いやすいコスメブランドと海外にルーツを持つ人が集まれるコミュニティ運営を行っています。私たちのプロジェクトは、ガーナと日本のハーフであるリーダーの未裕の原体験から生まれました。メイクに興味を持ち始めた中学生の頃、ドラッグストアで化粧品を買いました。ところが初めてメイクをしてみると、日本のベースメイクでは色がなじまず白く浮いてしまい、クラスメイトから揶揄われ、自分の肌色に自信を持てなくなった経験があります。そしてそんな“自分の肌色のコスメがない”という経験を繰り返すことで、自分の肌色そのものに自信を持てなくなってしまう人は実は多く存在しています。
Lumiskinは、そんな思いをする人を少しでも減らし、自分のルーツや肌色を肯定できる世界をつくりたいという思いから今回、その第一歩として、「Bloom Girls Night」というイベントを100BANCHで開催しました。テーマは、“海外にルーツを持つ女の子たちが、花のように自分らしく咲く夜”。
イベントの幕開けを飾ったのは、インフルエンサーとして活躍する「ありちぇるちゃんねる」さんたちをゲストに迎えたトークショーです。彼女たちの発信する「ハーフあるある」を自分だけの武器に変える方法や自分のバックグラウンドを自分の武器に変える方法、恋愛相談などは本イベントのテーマである「一人ひとりがお花のように輝く」というメッセージと深く共鳴します。参加者は自分自身のバックグラウンドをポジティブに捉える勇気をもらう、貴重な時間となりました。
海外ルーツのコミュニティイベントというと、クラブミュージックやパーティー形式のものも多くあります。もちろん、音楽や盛り上がりによって生まれる一体感にも大きな魅力があります。しかし、私たちは「一人ひとりの個性に向き合い、静かに心を通わせる時間」をもっとつくりたいと考えていました。
そこで今回のイベントでは、交流に加えて、「アクセサリーBOX作り」のワークショップを実施しました。参加者それぞれが、自分の好きな色や素材を選び、自分だけのBOXをつくる。それは単なる工作ではなく、「自分の感覚だけで選ぶ」という、日常では意外と難しい小さな自己表現の時間でもありました。イベントの中で自分の手を動かしながら、「それかわいい!」「その色を選んだ理由は?」といった自然な会話が生まれ、参加者同士の距離が縮まっていく光景が印象的でした。
私たちは、このワークショップに一つの仮説を持っていました。それは「手を動かして作った成果物は、その時の感情や空気感を閉じ込めた“記憶のタイムカプセル”になる」ということです。完成したBOXを見るたびに、この夜に感じた心地よさや自分への肯定感を思い出してほしい。その体験こそが、次の一歩を踏み出す勇気になると信じています。

イベントのもう一つの核となったのが、Lumiskin独自の肌分析です。既存のパーソナルカラー診断や肌分析ツールは、比較的明るい肌トーンを基準につくられているケースが多く、黒肌や海外ルーツの方の肌色に十分対応しきれていない現状があります。そこで今回は、単に「似合う色」を提示するのではなく、「なぜ既存のツールでは測りづらかったのか」を分析し、参加者の皆さんのリアルな悩みを聞き取るリサーチも兼ねて実施しました。
実際にヒアリングを行う中で、「日本のファンデーションはどれも白浮きしてしまう」「理想のカラーがあるが通販しかないので届くまで、リアルな色が分からない」といった、切実な声が多く集まりました。
集まったこれらのデータは、私たちが現在進めている化粧品開発において、非常に重要な「声」となります。どの程度の肌トーン、アンダートーンの方々が、どのような悩みを感じているのか。今回のイベントは、理想のプロダクトを作るための大切な実験場でもありました。

イベント終了後、会場には温かい空気が流れていました。「また開催してほしい」「19年間生きてて初めて同じブラックの子の友達ができました!」などという嬉しいお言葉を多くいただき、改めてこの場所の重要性を再認識しました。驚いたのは、スタッフが無理に会話を繋げなくても、参加者の皆さんが自ら積極的に交流し、最後までイベントを楽しんでいた姿です。同じような背景や悩みを持つからこそ生まれる連帯感が、そこにはありました。


一方で、運営面では多くの課題も見つかりました。設営人数が2名では全く足りず、準備に大幅な時間を要してしまったこと。スクリーンの設定ミスでタイムスケジュールが押してしまったこと……。しかし、これらの「想像と異なった点」こそが、実験の醍醐味です。準備不足でバタバタしてしまった反省を活かし、次回のイベントではよりスムーズに、より多くの人が快適に過ごせる設計を磨いていきます。
Lumiskinが目指したいのは、体験とコミュニティをセットで届け肌色やルーツによる違和感を一人で抱え込まなくてもいい場所を増やし、最終的には「美しさの定義」をアップデートしていくことです。今後は、今回のリサーチ結果を反映したプロダクトの開発を加速させると同時に、より多くの「多様なルーツを持つ仲間」とつながっていきたいと考えています。同じ想いを持つクリエイターや、このビジョンを広めてくれるパートナー、そして何より「自分の肌を好きになりたい」と願うすべての人へ。
“どんな肌色でも輝ける世界”の実現を目指して。Lumiskinの実験は、まだ始まったばかりです。