A1 ROAD
DAO(自律分散型組織)で境目のない滑らかな世界を作りたい
100BANCHで毎月開催している、若者たちが試行錯誤を重ねながら取り組んできた“未来に向けた実験”を広くシェアするイベント「実験報告会」。
これからの100年をつくるU35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」を終えたプロジェクトによる100BANCHでの活動報告や、100BANCHでの挑戦を経て、プロジェクトを拡大・成長させた先輩プロジェクトによるナビゲータートークを実施しています。
2024年10月23日に開催した実験報告会では、うどんの手打ち文化を残すべく、店舗や手打ち塾を経営するほか、ニューヨークやフェスのステージでうどんパフォーマンスに取り組み、手打ちうどんの魅力を世界中に発信してきたGARAGE Program15期生「SAVE THE UDON」の小野ウどん(うどんアーティスト/浅草真九郎 店主)をナビゲーターとし、GARAGE Programの計2プロジェクトが活動を報告しました。
本レポートでは、GARAGE Programの2プロジェクトの発表内容をお伝えします。
DAO(自律分散型組織)で境目のない滑らかな世界を作りたい
登壇者:田村一馬
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/a1-road
「A1 ROAD」は、DAO(自律分散型組織)によって世界の境目をなくし、全人類へのWeb3の拡大を目指すプロジェクトです。
田村:実はプロジェクトのテーマは元々、ヒップホップでした。若手のヒップホップアーティストが経済的に困窮している状況に着目し始めたのですが、実際にアーティストたちに話を聞いていくうち、そもそも電子機器類をあまり使わないことや、機械が苦手なことが分かりました。プロジェクトの進め方について悩みましたが、過去に地域課題に関心が高い方たちと話したことを思い出しました。人口減少が加速する中、文化を継承する人がおらず、残すべき文化が残されない現状がヒップホップとも共通する大きな課題だと感じ、プロジェクトのテーマを「文化保全」にピボットしました。この渋谷の地から文化を残すべく、日本のローカルの持つ影響力をグローバルに拡大させていこうと考えています。方言の記録や神事、酒蔵、自然など、有形・無形を問いません。そういった文化や習慣をAIで記録して、電子上のデータに残すことで、継承者の方がいなくなったとしても永久に残すことができるのではないか、という仮説を立て進めています。アプローチ方法は、「信頼をつくっていくこと」「LINEを活用したツールの導入」「地域の横展開・拡大」の3つで現在、石垣島、京都、伊勢神宮の3地域で検証を進めています。
石垣島では、ローカルSDGsプロジェクトをお手伝いすることになり、その中の地元のイノベーターの学生のコミュニティを運営させていただくことになりました。京都では、商工会議所の方々と連携して、今週末にイベントを開催します。また、唯一の京言葉の継承者の方とも連携していろいろなプロジェクトを行ったり、技術サイドでもブロックチェーンの権威ある財団の方から後援をいただいています。伊勢神宮では、 伊勢神宮唯一の民間団体と、例えばAirbnbなどで実施できないかなど、日本と海外をつなげて文化を伝承できるかを検証しています。
「プロジェクトを3ヶ月延長することを決めました。延長した3ヶ月間で、世界中、日本中の人たちと共同で価値をつないでいくことで、文化の保全と継承につながるのではないかという仮説を本気で検証していきたいと思っています。」と、田村は話しました。
みんなの考えを形に!AIと3Dプリンターでかなえる自分だけのモノづくり!
登壇者:前川瑠里
プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/ai3d
「AI3D」は、生成AIと3Dプリンターの統合プラットフォームを開発することを目指すプロジェクトです。
前川:私は高校生のときから「理系オタク」をエンジョイしていて、研究室巡りを趣味にしていました。これまで全国で100箇所ほどの研究所を巡ってきています。そのときに課題に感じたのが、研究にはピペットマンのチューブを移し替えたり、液を入れ替えるなどの単純作業が多いことです。そういう単純作業から研究者の人を解き放つことで、もっとイノベーションを加速させたいと思って活動を始めました。それをラボオートメーション(実験作業の自動化)で実現しようと考えています。現在のラボオートメーションは、一つの研究にしか特化できないことに加え、開発に多額の費用がかかるので、大手製薬企業や資金を持つ一部研究機関でしか導入できません。そこで私たちは、ロボットアームの先端のアタッチメントを付け替えることで、1台でいろいろな実験をオートメーション化できるようにしたいと考えています。ロボットの開発費を削減することで、すべての研究者にチャンスを与えたいです。そして、研究者だけではなく、一般の人も利用できる「新しいラボオートメーション」を実現させたいと考えています。実際のロボット開発はまだまだ走り始めたばかりですが、東北大学と共同研究を始めたり、未踏事業のプロジェクトに採択いただいて研究を進めています。最近、TBSや日経新聞でも私たちの活動が紹介されました。
「これからどんどん国内外に活動を広げていきたいと思っています。実験のプロセスの構築をノーコード化して、誰もが直感的に動かせるようなラボオートメーションを実現していきたいです。」と前川は話しました。
実験報告会の各発表内容はYouTubeでもご覧いただけます。
次回の実験報告会は11月19日(火)に開催。ぜひご参加ください!
(撮影:鈴木 渉)
【こんな方にオススメ】
・100BANCHに興味がある
・GARAGE Programに応募したい
・直接プロジェクトメンバーと話してみたい
・チョコが大好き
・フェアトレードに興味がある
・ガーナでのチョコ生産に興味がある
【概要】
日程:11/19(火)
時間:19:00 – 21:30 (開場18:45)
会場:100BANCH 3F
参加費:無料(1ドリンク付き)
参加方法:Peatixでチケットをお申し込みの上、当日100BANCHへお越しください
詳細はこちらをご覧ください:https://100banch.com/events/65456/