• イベントレポート

多種多様なプロジェクトが新しい価値を生み出す 〜GARAGE Program活動成果報告会〜

2018年7月12日、100BANCH GARAGE Program応募者見学説明会と併せて、プロジェクトの活動成果報告会が開催されました。6月末で卒業した3プロジェクトの発表内容をレポートします。

東京で観客を物語の世界に巻き込む「イマーシブシアター」を

OPEN AIR THEATRE TOKYO

企画・演出:渋谷真紀子 企画・プロデューサー:竹島 唯

OPEN AIR THEATRE TOKYOは巻き込み型演劇「イマーシブシアター」で、東京に新しいナイト・エンターテイメントを提案するプロジェクト。

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/open-air-theatre-tokyo

通常の演劇はステージにいる演者と席に座る客に分かれていますが、イマーシブシアターは観客と演者の垣根がない、巻き込まれ型の演劇です。物語の世界を現実に再現し、役者と観客の垣根をなくすことによって、観客を物語の世界に巻き込みます。これによって、より深く作品を体感させることのできる演劇フォーマットです。

イマーシブシアターは「観客に作品をどう感じてもらいたいか」を徹底的に考える必要があり、究極的に観客視点を盛り込んだ演劇と言えます。

渋谷:日本で馴染みの少ないイマーシブシアターを、私たちはどのように展開できるのだろうと考えました。まず、世の中にはどのような作品があり、何がイマーシブ(没入型)なのかという仮説を立てました。次いで「イマーシブシアターにどのようなイメージがあるか」、「どのような演劇だったら観たいか」などのアンケートを実施しました。

アンケートの結果、「役者が舞台上から観客に話しかける演劇」を希望する人は0パーセントだった反面、「選択肢でストーリーが変わる」「作り込まれた世界を、自由に動き回ることができる」などの演劇が好まれることが分かりました。

それを踏まえ、イマーシブ実験公演の作品制作に入りました。「東洋と西洋の人が、同じ熱量で共感できる話」を根幹に、急速に国際化が進む渋谷において、肌の色や国籍、宗教などの表面要素にとらわれずに、相互理解を促す芸術を目指しました。

日本神話とギリシア神話の本質を抽出した作品「ほどけた時の糸 —過去と未来を結び直す今—」を制作。この物語には「未来が消えてしまった人」が登場します。

渋谷:次の未来を創造する100BANCHを会場に、観客の過去とストーリーを重ねていくことで、終演後は、会場全体で未来を創るエネルギーを生むことができればと思っています。

「OPEN AIR THEATRE TOKYO」のイマーシブ実験公演「ほどけた時の糸」は、「Papertype」「脳内ハック」など、Garage Programに参加する6プロジェクトとのコラボレーションを果たし、7月15日、16日に計4回の公演を実施、全公演とも大盛況のうちに終了しました。

実験公演を経て、今後どのような世界を私たちに見せてくれるのか。これからの活動にも期待です!

 

念じただけで気軽にあらゆるモノを操作できる世の中に

Quick BCI リーダー:青栁宏史

“念じただけであらゆるモノを操作”を当たり前にする脳波計を開発するプロジェクトQuick BCI

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/7856/

BCI(Brain-computer interface)とは、脳の電気活動を解析し、体を使わない操作やイメージしたものを3Dプリンターなどでカタチにするという研究です。

最新の研究では、MEG(脳磁計)が、アヒルを想像した脳の活動をAIで解析することによって、アヒルのように見える画像を読み取ったという発表がありました。しかし、それらに使われる脳磁計を制作するには数億円の費用がかかるため、一般に利用するまでには至っていません。

「Quick BCI」は、この数億円する最新の研究を、一般化するために活動をスタート。30ほどの大学や研究室をまわり、ひとつの大学と産学連携でMEGの開発を開始しました。

当初、活動を始めて3カ月で、試作機を開発する予定でした。しかし、産学連携の開発にはある問題が生じ、6月末の段階では回路解析と構造理解をするにとどまりました。

青栁:全ての研究者が当てはまるわけではありませんが、量産性や再現性などの安定性を評価する産業と、成果が出やすい環境でのベストデータを評価する大学では、考え方に大きな差があることが分かり、大学との成果評価軸の違いを実感しました。

これらの問題を踏まえ、今後「Quick BCI」は大学が対応できない部分を補いながら、装置の製品化を目指していきます。

気軽に念じるだけでモノを操作できる未来を創造するだけでワクワクしますね。これからの「Quick BCI」の活動にも注目です。

 

プロデュースするメンズユニットのメジャーデビューが決定!  

Dawn of the Men リーダー:島 裕晃

「ITを駆使してエンタメ業界に革命を」。渋谷発・日本一のメンズユニットフェスを作るプロジェクトDawn of the Men

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/dawn-of-the-men

「エンターテインメントの新しいカタチを創り、人々に喜びを」という理念のもと、「Dawn of the Men」はふたつの事業を展開。ひとつは、メンズの大型フェスをおこなう「リアルイベント事業」。もうひとつは、自分たちで芸能事務所機能を持ってプロデュースする「アーティストプロデュース事業」です。

「リアルイベント事業」では、3月にZepp Tokyoでメンズに特化したアーティストフェス「MenDress」を開催。日韓のアーティストが参加し、約700人を動員しました。

島:このイベントでは、ステージ前方のVIP席を設け、35,000円の「ダイナミックプライシング」チケットを販売しました。これは予想以上に早い段階で完売しました。他にも、抽選で最前列の真ん中の席が当たるウェブシステムの採用や、パナソニックに技術協力をしていただき、スマートフォンをかざすとアイドルが浮かび上がる「AR2ショットチェキ」を導入するなど、新感覚のイベントを実施しました。

Dawn of the Menは、10月13日(土)に第2回となるメンズアーティストフェス「MenDress 2018 Autumn」を、品川プリンス・ステラボールで開催します。

また、「アーティストプロデュース事業」では、メンズダンスボーカルユニットオーディション番組「ガチだん!」をプロデュースしました。

島:この番組でメンズユニット「スクランブルガム」が誕生し、8月22日(水)にユニバーサルミュージックでメジャーデビューが決定しました。

6月28日にデビューシングル『夜明けの1ページ』の先行配信を開始。配信初日にLINE MUSICのリアルタイムランキングで4位にランクインするなど、デビュー前から多くの反響をいただいています。メジャーデビュー後は、世界中のネット配信サービスを駆使して活動を展開していきたいと思います。

この先、エンターテインメント業界にどのような旋風を巻き起こすのか。興味のある方はぜひ「MenDress 2018 Autumn」や、メンズユニット「スクランブルガム」をチェックしてみてください!

プロジェクトの活動成果報告が終わると、参加者は2FのGARAGEを見学したり、事務局メンバーにGARAGE Program応募の質問をしたり、それぞれが思い思いに100BANCHの取り組みを知る時間となりました!

次回GARAGE Program応募者向け見学説明会&プロジェクト成果報告会

次回は【GARAGE Program応募者向け見学説明会&プロジェクト成果報告会】を8月9日(水)に実施!

GARAGE Program説明会&プロジェクト報告会

各プロジェクトの活動の様子を知りたい方や、GARAGE Programへの応募を考えている方は是非遊びに来てください。

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