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「この者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」——2026年 今年の抱負!

Bio-shield 山本若菜

2026年も未来に向けた実験を大胆に繰り広げる100BANCH。メンバーたちの抱負をリレーエッセイでつないでいく新春特別企画「2026年 今年の抱負!:馬九行久(うまくいく)」。

今日の執筆者は、人々の身体を紫外線や宇宙放射線から守るバイオシールドの実現を目指す、Bio-shieldの山本です。

新春おめでとうございます!
Bio-shieldとして昨年の1月に100BANCHに入居した山本若菜です。

私は、多くの人類が今後宇宙へと挑戦していく時代を生きる中で、紫外線をはじめとする有害な光から生活を守る、生物由来の素材をつくりたいという思いで活動しています。

現在は、100BANCHの現役プロジェクト期間中に出会った、イシクラゲという光合成を行う微生物を対象に研究を進めています。

また、これまで制作してきたプロトタイプは、気づけば青色を基調としたものになっており、当初はその理由を「青が好きだから」という感覚的なものとして受け止めていました。しかし研究を続ける中で、その青色は単なる好みではなく、光と関わるうえでの機能を持った色なのではないかと考えるようになりました。色というのは生存と直結する重要な要素であり、そこには文化的、科学的な意味が内包されていると感じています。現在は、その青とイシクラゲの可能性に向き合いつつ、日々研究に取り組んでいます。

 

人間の視点からの脱出

2025年は、私にとって「人間としての責任」について考えることが、一つの大きなテーマだったように思います。他の生物の能力を人間に付加するとはどういうことなのか、生物学は人間の視点から本当に脱することができるのか。そんな疑問が次々と浮かぶ中で、私は100BANCHでの3か月間のGRAGE Programを終えた後、山形県鶴岡市で分子生物学を学びました。

そこでの経験は、疑問を解消するというよりも、むしろそれらをより濃く、切実なものとして私に突きつけてきました。他の生物はしばしば「人間よりも」能力が劣っている、あるいは優れていると評価され、その背後には「人間が最も賢い存在である」という前提が当然のように存在していました。人間のために生まれたわけではないこの地球上で、それぞれの環境に適応し、逞しく生きてきた生物たちが、最終的には人間に利用される存在としてのみ扱われてしまうのではないか。そうした予感が分子生物学の研究を通して現実味を帯びたとき、私は強い恐怖を覚えるようになりました。

そんな中、偶然にも福岡県糸島で捌師をされている方のお話を聞く機会がありました。今年を表す漢字が「熊」となったように、日本各地で野生動物による被害が広がる中で、彼は「ジビエを食べるということは、私たちが殺してきた彼らを、本来食べるはずだった動物の代わりに食べる責任を持つことだ」と語っていました。自然界のバランスを壊しているのは私たち人間ですが、その責任を引き受けることで、再びバランスをとることができるのも人間なのだということ。その言葉を聞いたとき、私は涙が止まりませんでした。長く抱えてきた疑問に、そっと助け船を出してもらったように感じました。

一方で、生命をいただくことが当たり前になった生活を送る中で、ここで語られていた「責任」というものを、私はまだ本当の意味では理解できていないのではないかとも感じました。だからこそ、もっと深く知りたい、理解したいと強く思うようになりました。ここにこそ、私が生物と向き合いながらものづくりをしていく上での根幹があるのだと感じています。

 

自然と共に生きる方法

年末年始には、スタジオジブリ作品の一つである『風の谷のナウシカ』のDVDを購入し、改めて観ました。幼い頃はよく分からないまま何度も観ていた作品でしたが、今の自分の思考と重なり合い、この物語になぜか強い責任を感じました。私たち人間がこの世界を自らの手で終わらせてしまう前に、自然と共に生きることを学び、日々の選択を丁寧に行う勇気を持ち続けたいと強く思いました。

「この者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし」

この言葉を胸に私は、「人間である責任」というものを深く追求して、形あるものとして残し、みなさんと共有できる機会を作り続けたいと思います。その中で、生物由来の新たな素材を私たちの生活の中にいかせたらと考えています。2026年は青とイシクラゲを通して様々な先人の歴史を学び、足を運び、自分の世界を区切っては結ぶ年にしていきます。

今年もよろしくお願いします。

山本若菜

 

(撮影:nagisa yamazaki)

 

メンバーたちの抱負をリレーエッセイでつないでいく新春特別企画「2026年 今年の抱負!:馬九行久(うまくいく)」をお届けしています。他のメンバーによる記事は以下のリンクからご覧いただけます。若者たちの熱や未来への兆しをお楽しみください。

https://100banch.com/magazine/resolution2026/

 

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