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NOFFが野外行楽をアップデート。未来のピクニックでは、みんなで描く、飛ばす、創り続ける?!──ナナナナ祭2024を終えて

ゴザピクニックステーション2024 FUTURE PICNIC by NOFF

ONとOFFの境目をシームレスにし、余暇時間を活用した新たなアウトドアレジャーのあり方を探るNOFFは、ナナナナ祭2024で「ゴザピクニックステーション2024 FUTURE PICNIC by NOFF」を企画しました。本ブースでは、オリジナルござシート作りワークショップを展開。また、共創型コリビング「ニューヤンキーノタムロバ」とコラボして、畳やござを活用したアートインスタレーションを実施しました。企画の背景や当日の様子をNOFF安藤がお伝えします。

NOFFのプロジェクトリーダーを務めている安藤智博と申します。

私たちは今回のナナナナ祭2024にて、オリジナルのござシート作りのワークショップを展開しました。また、NOFFとニューヤンキーノタムロバでコラボし、金王橋広場のステージを活用して、アートインスタレーションとライブペインティングの公開制作を実施しました。本レポートでは、ナナナナ祭2024における実験活動に関する報告をいたします!

 

NOFFの活動紹介について

私たちは、人々の“休息”に着目し、日本のピクニックカルチャーを推進しながら、オリジナルござシートの開発とまちなかでの実証実験に取り組んでいます。

大量廃棄が問題視される古ゴザをアップサイクルした、環境にも身体にも優しいピクニックシートを開発・提供することで、目紛しく進み続ける現代社会におけるONからOFFへの休息を描くことを目的としたプロジェクトです。

畳とゴザの仮設空間を公園や川沿い、路上に展開することで、人々に憩いの場を提供します。また、持ち運びが可能な軽いモバイルゴザを、人々を外に連れ出していく新たなモビリティシーズとして捉え直し、移動と交流を促すための新たな仕掛けに見立て、イベントを通して新たなピクニックシーンを描いています。

小さな休息と行楽を。
NOFF

詳しくはこちらのプロジェクトページより、ご覧ください。

 https://100banch.com/projects/onoff

これまで、主に都内の都市空間で畳やゴザを広げて、人々の憩いの場や交流の機会を創出してきました。地域のアートフェスタや祭りなどに出展する機会を頂きながら、100BANCHでは主に古ゴザを活用したピクニックシートの製作活動を進めてきました。

今回のナナナナ祭2024では、今までの活動の集大成をお披露目するブースとして「ゴザピクニックステーション2024 FUTURE PICNIC by NOFF」を展開しました。

 

企画ブース紹介

今年のナナナナ祭は7周年の7月7日に開催、トリプルセブンの縁起が良いお祭りとなりました。ナナナナ祭特設HPには「自ら運と縁を引き寄せる100BANCHへ、未来との良縁を結びに来てください。」と綴られており、今回の企画を実施するにあたり、様々な縁を結ぶような設計を意識していました。

NOFFのブースでは、以下二点の企画を実施しました。

①オリジナルござシートワークショップ

自分のお気に入りのロゴやデザインを印字した世界に一つだけのピクニックござシートを作るワークショップ。作ったござを持って早速外へ出かけよう!

②ござアートインスタレーション
クリエイティブ最大化を掲げる共創型コリビング「ニューヤンキーノタムロバ」の住人による公開制作と作品展示。畳とござの和の空間で巻き起こる、未来の表現を目撃しよう!

去年のナナナナ祭も出展させて頂いたのですが、そのときは、路面に畳を敷き並べて、休憩所として、そこに人を集めるための声かけや呼びかけをしていました。また、持ち運べる可動式休憩スポットと、畳で作った簡易休憩ステーションを展開しました。これによって実際にゴザや畳に触れてもらいつつ、試作品に対する感想を吸い上げることを目的として、出展しておりました。

去年の様子が書かれた記事はこちらからご覧ください。
https://100banch.com/magazine/52493/

今年は更なるアップデートを目指して、集まった人同士で交流や表現活動ができるように、オリジナルござワークショップを展開したり、可動式の畳ファニチャーを用いた交流スペースの展開を実施しました。また、畳やござの新たな活用の仕方を考える上で、それらを素材として利用したアートインスタレーションのあり方を模索しました。

オリジナルござシート制作については、この一年間を通して活動をしながら「自分だけのロゴを入れたものを持ち歩きたい」や「自分自身も作ってみたい」といったニーズがあったため、下準備をした上で、はじめて大々的に一般の人にもワークショップ形式で取り組んでもらいました。中には、家族の誕生日プレゼントとして、ござシートを作ってくれた方もおり、大好きなペットの写真をゴザにプリントして、オリジナルござシートを作成してくれました。

また今回は、横浜にある共創型コリビング「ニューヤンキーノタムロバ」から、数名のアーティストに制作準備と当日の表現活動に参画してもらいました。彼らと共に空間の設計、デザインから準備を進め、作品展示として、畳ファニチャーを設置しました。狙いとしては、限られた空間にフィットさせていく畳自体の機能とあり方から抜本的に異なる、高さを変えて人々が集い、座ったり寝転んだり、時には椅子として、机として使ってもらえるような新たな家具として、使ってもらいたいというものでした。

加えて、金王橋広場のステージを活用して、アートインスタレーションとライブペインティングの公開制作を実施しました。たくさん動く凄まじい威力と、速さの旋風のように色々な人々を巻き込みながら、新たな何かを作っていくという狙いを元に、NOFFとニューヤンキーノタムロバでコラボし、少しのユーモアも込めて「扇風機多動亭」と名付け、当日の演目を実施しました。一人5分間ずつ、複数アーティストより、様々な画材と手法を用いて、板や畳、ござを活用した平面作品、また立体作品を制作しながら、観客に対する表現活動を行いました。

 

当日の様子について

1日目は大雨が降り、客足も伸びず、畳も濡れてしまい、なかなか思うような展示ができませんでした。集いの場を作ることはかないませんでしたが、100BANCHの出展メンバーによるブース紹介がステージで行われる際に、隣に待合スペースとして制作した畳ファニチャーを設置しました。メンバーの皆さんのちょっとした小道具おきや、出番待機の時間を他プロジェクトのメンバーと共に談話できる空間となりました。

また、自分たちも「扇風機多動亭」として、ステージ発表を行いました。今回は、MCとしてNOFFメンバーと、ライブペインティング&詩の朗読としてタムロバメンバーによる即興の公開制作を実施しました。画材を用いて、習字やペイントといった表現活動をひとりひとり交代しながら進めていきます。雨に打たれながらの制作となりましたが、ステージの1時間をやりきって、みんな心は晴れ晴れとしていたのではないでしょうか。

2日目には先日の大雨も明け、無事に晴天の中ナナナナ祭がスタートしました。改めて、ワークショップの準備をし、出店を開始しました。各ブースいずれも盛り上がりを見せており、自分たちの出展していた金王橋広場も多くの来場者で賑わいを見せていました。NOFFの活動を紹介しながら、多くの方々にワークショップの参加やグッズの購入をして頂き、チームとしても実りある出展になりました。子どもたちや海外の方たちに、制作した畳ファニチャーに触れてもらうなかで、自分たちで動かしてみたり、組み替えてみたりと楽しみながら、休憩してもらうことができました。

また夕方には、ステージのタイムラインの繰り上がりで、再び1日目と同じようなかたちでライブパフォーマンスをする機会を頂きました。前日に作った制作物に手を加えていく形で、色を染めたり、ござを変形させたり、組み上げた構造物自体を一度解体したり…。怒涛の勢いでアーティストが移り変わりながら、作品も変化していくその様子はまさに”旋風”。他プロジェクトからやってきた獅子舞も制作に飛び入りで参加し、塗料の飛沫で色塗られながら、最後まで舞い続けました。パフォーマンス中には、広場にたくさんの人が集まり、その表現に目を奪われていました。

3日目は最終日ということで、改めて、ONとOFFの境目を体験してもらうべく、休息の仕掛けをトライする実験的な日となりました。例えば、ただ観客として振る舞うのではなく、その場を自分から能動的に楽しんでもらえる仕掛けとして、変わらずワークショップの実施と畳ファニチャーの設置に加えて、手作りガチャポンを回して商品が当たる仕組みや、シャボン玉をみんなで会場にふわりと浮かべる体験を提供し、子どもたちを中心に楽しんでもらいました。

 

「ナナナナ祭2024とにかくえんぎがいい祭り」を振り返って

今回のテーマは「ゴザピクニックステーションーFuture Picnic 2024ー」と位置付け、簡易な食事を取りながら休憩するという従来のピクニックから脱却した少し先の未来のピクニックに対する示唆を得るための出展をしていました。

少し先の未来では、皆が持ち寄って食事をするだけでなく、各々の持つ技術やアイディアをその場で形にしていくプロトタイプ的な表現のあり方があるかもしれないと考えます。ある人がゆったり座っている横で、ある人は何かを作っていたり、またその横では談笑を楽しむ集団がいるなど、憩いの時間はより能動的になっていくのではないかという仮説を立てて、今回のブース展示を行いました。

また、アートインスタレーションを通して、ひとりひとりの持ち寄った考えや培ってきた技術、絵画や彫刻にとどまらず言語表現も複合させたものを、その場で合作させていくという手法で、素材としてのござと畳を用いた新たな表現方法の追求を実施しました。

実際に現地でいただいた声として「ただの畳屋さんでないということがすぐ伝わってきた」や「母親の誕生日だから彼女の好きな写真を印字してござシートのプレゼントを作ってあげられて良かった」、「シャボン玉やガチャポンなど子どもが楽しく遊べてよかった」、「脚がついているから雨が降っていても畳に座れて斬新だと思った」など肯定的な意見がいくつか見られ、一定の成果はあったと感じています。

一方で、今回のアートインスタレーションとパフォーマンスを実施した際に、我々が占領してしまったスペースが大きすぎた点や、騒音、塗料の散布など、他プロジェクトや観客に対する懸念を与えてしまったことで、不安に思う声も挙がっており、ご迷惑をかけた方々には大変申し訳なく思っております。この場をお借りしてお詫び申し上げます。

今回、多くの方に支えてもらいながら、予定していたプログラムを完遂できたことは大きな成果に繋がったと感じています。ナナナナ祭終了後にチーム全員で行った振り返り会では多くの反省が出てきましたが、改めてチーム全体として「自分たちはNOFFとして、未来のピクニックを起点とした、場の演出を行っていくチームである」という認識の再確認ができました。

あくまで、畳やござは手段であり、その他のリソースを組み合わせて、新たな休息と行楽を描いていくチームであるという意識の共有ができたことが、大きな成果だったのではないでしょうか。今回のコラボ先であるニューヤンキーノタムロバをはじめとして、他のチームとも連携しながら、今後の企画開発やプロジェクト推進に繋げていきたいと考えています。

 

これからの展望について

今回のナナナナ祭2024を通して、自分たちなりにピクニックを再解釈して人々が集まり、能動的な行楽を楽しめる仕掛けをいくつも作れたことは、良かった点でした。また、オリジナルござワークショップで、おみやげとして買ってくれた方や、他のバンチメンバーがロゴを入れて作っていってくれたことと、多くの方々に「可愛い」、「使ってみたい」という声をもらえたことは非常に励みになりました。

その上で様々な個人やチームと一緒にコラボレーションして、野外で余暇時間を過ごすことはこんなにも素晴らしいことなんだ、と多くの人々に考えてもらうためのきっかけを提供できるように、今後も取り組んでまいります。

ニューヤンキーノタムロバの方々、そして今回のナナナナ祭2024に関係してくださった全ての方々にこの場をお借りしてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

最後に、出展メンバーからのコメントを載せて記事の締めとしたいと思います。

《NOFF》

ワークショップ: Nagisa

ナナナナ祭を通じて、NOFFだからこそ作り出せる空気感や風景があると感じました。なによりタムロバの皆さんや他プロジェクトとコラボできたことで、人々を巻き込んだユーモアある仕掛けや遊び方をもっと作っていきたいと思いました。

ワークショップ: Ai

限りある時間の中で、心と体をつかってほんとうに届けたいことって何だろう?この問いの向こうに浮かんでくる顔は、どんな顔だろう?そんなことを考える2日間でした。NOFFが信じること、守りたいこと、訴えたいこと、、みんなで持っていたい核となる部分を再考する機会になったと思います。(to be continued…)

タムロバのみなさんのパフォーマンスからは、一回性(再現ができないこと)や、ひとりじゃなく誰かと共に創る行為そのものの価値について考えさせられました。AIがものをつくる時代に、人間はどんな行為に意義を見出していくのか?みたいなことなど。

プロダクトデザイン: Sotome

NOFFが今後どうなって、どうなりたくて、というのを考えさせられるナナナナ祭だった。個人的にピクニック(休息?)×アートの可能性を探ってみたい。今後、NOFFのアウトプットとして「畳」「アート」「シャボン玉」「???」と増えていくイメージ。

畳職人: tatami.boy

NOFFとタムロバのかけ合わせを通して全員の即興性やポジティブさが発揮された機会だと思った。各々がNOFFスピリットに突き動かされるその場でのアクションやその爆発力はこれからナナナナ祭以外の場でも大きな影響力を与えられるだろうと思う。その爆発を狙って起こしていけるようにNOFFの見たい景色や見せたい景色を追求し共有し外向きへ発信できるようにしていかなければいけない。

世の中にはいろんな日本文化があって、後世に残す取り組みがある。表層だけを攫って、核心に触れていないものも多い。畳に対してのリスペクトも忘れないでほしい。NOFFには文化への向き合い方、NOFFスピリットを大事にしていってほしいと思っている。

ブランドデザイン: Minami

ナナナナ祭に参加して、大きな事を言いますが、日本に希望を持ちました。ニューノーマルをお互いを尊重しながら多様なやり方でつくっていっていて、みんな自由にいきいきとしていて、正解は無くただ楽しむという雰囲気でした。それが未来の日常になって欲しいと思った。人間は労働するために存在してない、クリエティビティを発揮して世界をもっとカラフルにするために存在していると信じてます。その実現のためのヒントが見れた気がします!

プロジェクトリード: Chihiro

今後はもっと活動を広げていく中で、ござシートを販売して提供するだけのチームではなく、全体的な空間設計や食の提供、またアーティストとの表現活動など、大きな企画演出としてのアウトドアレジャーのプラットフォームとして活動していきたい!トラブルもあったけれど、ナナナナ祭2024楽しかったし、準備頑張って良かった!皆さん、ありがとうございました。

《ニューヤンキーノタムロバ》

アーティスト: nodom

ナナナナ祭に出れて、NOFFの皆さんと出会えたことに感謝!そして空間の在り方、人と人との関わりで生まれるモノ。『繋がりの生まれ方』について沢山考えさせられました。もっと多くの見つめ方ができるようになっていけそうだと感じました。

アーティスト: Davantes

NOFFのおかげでナナナナ祭に出ることができてとっっっっっても嬉しかったし、純粋に楽しかったです。ござを使った作品というでかいテーマに我々ニューヤンキーなりの息の吹き込み方ができました。NOFF、ニューヤンキー、100BANCHのコンセプトや歴史を調べ共通点を探しそれを表に出す。自分がこうやって新たなコンセプトを作ることが好きだということに気づくことができ、人生の新しい進み方を今回知ることができた。NOFFはピクニックの未来だけでなく、関わる人たち全ての未来の在り方にも関わり、影響を与える力を実感しました。本当にありがとうございました!!

 

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