- イベントレポート
正解にとらわれずビジョンを実現する「これからの資金調達」──ナナナナ祭2024アーカイブ
世界を変えるために、必要不可欠とされるWild Idea(ワイルドアイデア)。でも一体どう描けばいいのだろう?
スタートアップのバイブル「高解像度スタートアップガイド」著者であるGOB Incubation Partners株式会社 代表取締役社長 山口高弘氏とワーク/ツールを作成しました。
未来をもっとおもしろい方向へ動かそうとする野心的な若者すべてにシェアします。
世の中を変えるために必要なものは、破壊的アイデア=「Wild Idea」。
「Wild Idea」とは、今までにない価値を、今までにない方法で提供するもの。
「Wild Idea」の源泉は、個人の志(こころざし)起点でなければ世界は変える価値にはならない。
スタートアップがゼロから事業を成立するまでのプロセスを、これまでにない高解像度で描いた「高解像度スタートアップガイド」。
2017年の7月に無料公開された3部構成、697ページにもおよぶそのドキュメントは、すべての野心的なビジネスやプロジェクトが直面する真実の固まりであり、その真実にまつわる教えをあらゆる角度から記した、バイブルといえるものです。
このバイブルをより実践的に活用するために、これからの100年をつくる実験区100BANCHは、著者であるGOB Incubation Partners株式会社 代表取締役社長 山口高弘氏とともに「Wild Idea」をビジョンとして言語化するパートにフォーカスしたワーク/ツールを作成しました。
スタートアップが最も苦労することは、自分が“世の中に必要だ”と信じることを 世の中は、必要だと言ってくれないこと
世界を変える価値へは、社会・市場ニーズからではなく、自分の志(こころざし)起点からのルートしか到達しえない
ビジネスは、自分が動くのではなく、多くの人々に一緒に動いてもらうことで、大きく社会を変える手段である
大胆な志を、多くの人々が一緒に動きたくなるビジョンへと描き出そう——。
未来をもっとおもしろい方向へ動かそうとする野心的な若者すべてにシェアします。
山口高弘 氏
GOB Incubation Partners株式会社 代表取締役社長
元プロスポーツ選手、19歳で不動産会社を起業。3年後に事業売却し、大学に進学。独立起業支援インキュベータ。企業内起業においても多くの事業立ち上げ、企業の新商品、サービス、事業開発に携わる。 GOB-IPでは主に若い世代がイノベーションに挑戦するためのマインドセット創り、事業化支援、キャンプ等を実施している。前職の野村総合研究所ではビジネス・イノベーション室長を担い、主にイノベーション創出をテーマに新規事業開発支援を展開。 政府委員就任多数。著書多数。
ここで紹介するワークはプロジェクトのオーナーがひとりで行なうことも可能ですが、ここではヒアリングのパートナー複数と行なう方法として記載します。
STEP 1 Wild Ideaとは何かを理解する
ワークの進め方
まずは、「高解像度スタートアップガイド」を読み、Wild Ideaとは何か、Wild Ideaに必要な要素とは何かを、しっかり理解しましょう。
STEP2 志(こころざし)を鮮明化するプロジェクトオーナーへのインタビュー
ワークの進め方
インタビューシート使って、ヒアリングパートナーがプロジェクトオーナーに対してインタビューを実施。ヒアリングパートナーは、気になるフレーズを付箋にメモをとり、インタビューシート上に配置し、お互いにイメージを共有し合えるようにしましょう。
プロジェクトオーナーのスタンス
心のままに、イメージのままに、ヒアリングパートナーに語りましょう
・どういう社会の状態を実現しようと思っているか
・そのために人々にどういう行動を起こしてもらいたいと思っているか
・どんな人々の願望(インサイト)を叶えると行動を起こしてもらえるか
・インサイトを満たすソリューションは何か
ヒアリングパートナーのスタンス
プロジェクトオーナーの言葉を以下のスタンスで引出しましょう
・プロジェクトオーナーが抱えるモヤモヤを引き出し言語化することを支援する
・本来持っているオリジナリティをプロジェクトオーナーが持つイメージの中から引き出す
・イメージの世界の言語化を徹底支援する(それってこういうこと?と引き出す)
・WhyよりもWhat(なぜ?ではなく、どういうイメージ?こういう感じ?と言語化をサポートする)
STEP3 志(こころざし)をWild Ideaのビジョンとして言語化とストーリー化
ワークの進め方
インタビューで引き出し描いた志(こころざし)のエッセンスを用いて、プロジェクトオーナー、ヒアリングパートナーそれぞれ個人で、プロジェクトのビジョンとストーリーの言語化を実施します。キャッチコピー、ポエム、スケッチetc.形式にとらわれず、聞いた人たちを共感させて巻き込めるような形を意識して描きましょう。
STEP4 共有とブラッシュアップ
ワークの進め方
個々で描いたビジョンを発表・共有し、ディスカッションを重ねて、最高だと思えるビジョンとしてブラッシュアップしましょう。
※STEP3と同じワークシートを使用
ビジョンはアウトプット(志が実現された世界のありさま)が提示されていたほうがいい(山口高弘氏)ため、言語化したビジョンが明確なアウトプットを示しているかに注意をしましょう。
最後に
高解像度スタートアップガイドでは、このビジョンを策定するフェーズをアイデア期とし、PART2「スタートアップに不可欠のWILD IDEAの生み出し方と価値検証の道筋」に、さまざまな教えがまとめられています。ここで紹介したワークはWILD IDEAをつくる一部でしかありません。
ぜひ、ガイドをフル活用し、世界を変えるあなたの物語のページを進めていきましょう。
インタビューシートの書き方例
このワークを100BANCHのGARAGE Programのメンバーと実践しました