LGBTの「Ally(味方)」をネットワーク化し
残り92%を動かすうねりをつくる
CHANGE 92% - TEAM ALLY Project
LGBTの「Ally(味方)」をネットワーク化し
残り92%を動かすうねりをつくる
昨今、メディアで話題に上ることも増えてきた「LGBT」というワード。しかし、多くの場合、多様な当事者たちをその言葉で一括りにしているだけで、まだまだ本質的な理解が進んだとは言えない状況にあります。
CHANGE 92% - TEAM ALLY Projectは、代表がLGBTsのための不動産会社を運営している知見から「当事者ではないけれどLGBTを支援し、ホモフォビアや差別主義の解消を目指す人=Ally(アライ)」の必要性を痛感し、そうした人々を不動産、医療、教育など社会のさまざまな分野に増やしていくために立ち上げたもの。賛同してくれるパートナーの募集、セミナーの実施やパンフレットの作成などを100BANCHで行なっていきます。いわゆる「ストレート」の人は世の中の92%だと言われていますが、その92%を動かすためのうねりを、当事者に任せきりにするのではなく、社会全体で作っていくための取り組みです。
教育や住まい、結婚、シニアライフなど、それぞれのシーンごとにLGBTの暮らしについて考えるフューチャーセッションを開催しました。登壇者の発表を聞いたり、テーマごとにディスカッションを行ったりする内容で、47名の方にご参加いただきました。CHANGE 92% – TEAM ALLY Projectの池澤がイベント当日の模様をご紹介いたします。
日時 :2017年12月3日(日)13:00-16:00
参加費:無料
会場 :100BANCH(渋谷区渋谷3-27-1)
主催 :TEAM IMJ 実行委員会
協力 :株式会社IRIS、合同会社Juerias LGBT Wedding、Rainbow Memory
後援 :渋谷区
【第1部】では、LGBTについての基本的な知識や学校教育の現場での事例を紹介するとともに、住まいや結婚、シニアライフなど各分野で活動している方々から、LGBTの暮らしの現状と課題、実際に行っている取り組みなどを紹介しました。
写真左:公立小学校の教員による発表。「先生、わたしはレズですか?」と質問された経験をはじめ、教育現場の実情を紹介しました。また生徒の質問にどう答えるべきかというテーマで、参加者同士のディスカッションを行ったところ、「人を好きになることは素敵なことであると共感すべき」「2人でじっくり話す機会を設けたら良いと思う」など、さまざまな意見が寄せられました。
写真右:七崎良輔氏(合同会社Juerias LGBT Wedding)は同性パートナーとの結婚式を挙げた経験談を紹介。法的には結婚が認められていないのに式を挙げようと考えた理由や家族とのエピソード、どんな想いで役所に婚姻届を提出したのかなど、経験者ならではのリアルな姿に参加者からは共感する声が多く聞かれました。
http://juerias.wixsite.com/juerias-lgbt-wedding
写真:田辺貴久氏(SUUMO副編集長)は、LGBT当事者の住まい探しに関する実態調査の内容などを紹介。「賃貸の住宅探し」や「住宅購入」で困ったことや経験したトラブル、不動産会社にパートナーとの関係をごまかしたという声、相続の不安など、豊富なデータを元にさまざまな問題を浮き彫りにしました。
写真:永易至文氏(特定非営利活動法人パープル・ハンズ事務局長)は、特にLGBTのシニアライフに潜む課題とパープル・ハンズで取り組んでいる活動についてご紹介。住まいやお金、医療、認知症、終活を対象とした「にじ色あんしん老いじたく講座」や、緊急連絡先の問題など、取り組むべき課題の幅広さが印象的でした。
【第2部】では、参加者がそれぞれ関心のあるテーマに分かれて、気になった点をグループディスカッションで更に掘り下げていきます。アイデアを共有しながら専門家の意見ももらって、LGBTの暮らしの現状と未来について活発な議論が繰り広げられました。
今回は未来志向で議論する「フューチャーセッション」ということで、各テーマごとに「こんな未来が実現してほしい」という未来像を設定しました。ディスカッションの中から出てきたのは下記のような未来像で、「この未来を実現するにはどうすればいいんだろう?」といった視点で議論を進めました。
【教育】カミングアウトのない未来、良いことを良いと言える未来
【住まい】誰もが安全に自分の住みたい家に住める未来
【結婚】祝ってほしいと思っていい未来
【シニア】LGBTが特別視されない人と人が繋がり、孤独死のない未来
会場には展示ブースをつくり、LGBTに関するさまざまな取り組みについても紹介しました。LGBTのテーマに取り組むソーシャルベンチャー企業をはじめ、同性婚の法制化を目指すEMA
日本様、性的マイノリティの「安心できる暮らしと高齢期」を支えるパープル・ハンズ様、死亡保険受取人に同性パートナーを指定できるライフネット生命様の取り組み、社内外でLGBTへの取り組みを広げるパナソニック様の活動など、幅広い視点で見ていただける展示内容に参加者からも多くの意見や質問が寄せられました。
https://100banch.com/wp-content/uploads/2018/01/tenji_01-e1710726159455.jpg
イベント終了後、参加者の方からはたくさんの感想やご意見をいただきました。ここでは一部をご紹介させていただきます。
今回のフューチャーセッションでは、話す場をつくることの大切さを改めて実感しました。専門家の話を聞くだけでももちろん学びになりますが、対話をすることでより理解が深まり議論も発展します。また多くの企業・団体のLGBTに関する取り組みを紹介し、幅広いインプットがあったことで、より多くのアイデアや意見が集まり盛り上がったのではないでしょうか。
今後も対話の機会をつくっていきたいし、またディスカッションで生まれたアイデアの中にはぜひ実現させたいと感じるものもありました。本イベントをきっかけとして、次のアクションにつなげていきたいと思います。
また本イベントは大変多くの方のご協力により実現することができました。一緒にイベントをつくってくれた方、さまざまなカタチで参加してくださった方、会場である100BANCHのみなさま、そして背中を押していただいたメンターの渋谷区長など、本当にありがとうございました。