- イベントレポート
發明の貯蔵庫<INVENTORY>における顕教と密教ー科学を文化の次元で捉える──ナナナナ祭2024を終えて
「100年先の世界を豊かにするための実験区」として、 35歳以下の若い世代とともに新たな価値を共創し未来をつくる場「100BANCH」。6周年を迎えた2023年7月7日(金)、100BANCHが周年を記念して実施する年に1度の大イベント「ナナナナ祭2023」が開幕しました!
ナナナナ祭は、100BANCHで活動する若者たちが日頃の成果をお披露目したり、社会実装への第一歩を踏み出すための「ハレの場」として、毎年7月に開催しているイベントです。今年は「Future Jungle」をテーマに、コロナ禍で抑圧されていた身体の祝祭性を爆発させるべく、来場者と一緒に未来を遊べる約40の体験型プログラムを用意しています。
前半戦の7月7日(金)から9日(日)の3日間は、「STAGE EVENT」として、100BANCHで活動する若者たちから読み解く「未来の兆し」から6つのテーマを選んでキーノートトークを実施しました。このレポートでは前半戦3日間の様子をレポートします。
オープニングイベント こんにちは未来──Future Jungleへようこそ!
100BANCHの活動を振り返りつつ、GARAGE Programのプロジェクトの集合から見えてくる「未来の兆し」として、新たに開設した100BANCHのウェブメディア「Future Explorations」について紹介。
その後、ナナナナ祭出展メンバー30人が登壇し、それぞれの出展プログラムについて1分ピッチを行いました。Future Jungleというコンセプトがどのように導かれたのか?また、ここに至るまでの取り組みと全40プログラムの見どころが紹介され、ナナナナ祭に向けての期待高まるイベントとなりました。
2階GARAGEも展示仕様に! ジャングルと化したエントランスや空間演出にも注目
ナナナナ祭2023の前半戦は、STAGE EVENTとともに2階での展示も実施。初日の7月7日にも10の展示がスタートしました。徹夜でつくり終えた!というプロジェクト、まだまだ手直しが必要なプロジェクトとさまざまですが、後半戦の15-16日に向けてさらにブラッシュアップされていく予定です。
ナナナナ祭2023、こだわりポイントの一つが空間装飾。100BANCHに足を踏み入れるその瞬間から、今回のテーマである「Future Jungle」が五感で楽しめるような空間となっています。ジャングルのように多様な種が生息する100BANCHを、森を歩くように楽しめるお祭りです。ぜひ現地でお楽しみください。
Science Fusion -科学とクリエイティブの融合-
難解なテーマをクリエイティブの力で表現するAcademimicがナビゲーターとなり、科学とクリエイティブを行き来する100BANCHのプロジェクトが登壇。それぞれの分野では科学・クリエイティブをどう捉えているのか。科学の敷居はどうしたら下げられるのか。おもしろさを伝えるという科学とクリエイティブ共通の課題にどのように取り組んでいくのか。
様々な問いから、科学とクリエイティブの融合から生まれる未来について考える白熱したトークが飛び交いました。
弔いの未来 −その意味・儀式・生者との境界−
ゲストに民俗学者・学習院大学教授の赤坂憲雄さんをお招きし、死生観にまつわる100BANCHのプロジェクトメンバーと共にこれからの弔いのあり方を考えました。
未来を考えるにあたって100BANCHでは赤坂さんと共に、いにしえの弔いの風習が残る岩手県遠野市に出かけ、リサーチをしてきました。そのとき感じたことを話し合いつつ、VRやAIにより変化していく死の捉え方について考え、会場の皆さんにも話を聞きながら、多様になってゆく未来の弔いについて語り合いました。
一緒に遊ぼう! ──遊びが開く未来のトビラ
ゲストには「チャンバラ合戦」などの遊び事業を数多く展開する株式会社IKUSA 代表取締役の赤坂大樹さんをお招きし、100BANCHの遊びクリエイターたちとともに、遊びが開く可能性や夢中になったその先の未来について語り合いました。
とにかく楽しい遊びはどのようにつくられるのか。遊びを本気で考えるクリエイターたちの白熱したトークも繰り広げられ、会場の皆さんと一緒に「夢中になって遊んでいますか?」という問いを考えてイベント終了後も会場の皆さんがそれぞれ遊びについて自身の考えをシェアしていました。
茶(サ)ミット −和の心で世界を和やかに−
茶にまつわる100BANCHのプロジェクトが登壇し、熱いお茶トークを繰り広げながら飲み物以上の茶の価値や可能性、そこからつくられる未来について考えました。
茶の生産、流通、茶道の伝承や製品開発、コミュニティづくりといった、それぞれの視点でのリアルな難しさや苦労には、思わず会場の皆さんからの「知らなかった」という声も。心を和ませ人と人をつないでいく茶の価値を世界に伝えるにはどうしたらいいか、会場の皆さんとも一緒に語り合いました。
都市と祭りとコミュニティー
東京・京都・アムステルダムに活動拠点を持つ都市体験のデザインスタジオ「for Cities」の石川由佳子さん・杉田真理子さんがゲストとして登壇。全国の獅子舞を300以上取材し獅子舞視点で街を見つめるプロジェクト「獅子舞生息可能性都市」の稲村行真と共に、都市とコミュニティの未来について探求しました。
都市の暮らしを豊かにする多様な視点は人間の視点にとどまりません。その一つとも言える獅子舞の視点で都市を見つめるとはどのようなことなのか。都市で獅子舞を生息させる条件や意義、参加のデザインについて語り合い、会場からも熱いアイデアがたくさん挙がりました。
100BANCHメンバーとゲスト、会場の皆さんと一緒に「未来の兆し」を共有し合った3日間の濃厚な前半戦となりました。ナナナナ祭後半戦は、7月15日(土)・16日(日)。メンバーの日々の実験を縁日で遊ぶように体験できる「STREET FESTIVAL」とオールナイトイベント「Jungle Rave」を開催します。
森を歩くように未来を探検できるFuture Jungleをぜひ体感しに来てください!
ナナナナ祭2023特設サイト https://100banch.com/nanananasai/2023/