令和のライフスタイルを定義する 「REIWA Fashion Week」
NOVA
令和のライフスタイルを定義する 「REIWA Fashion Week」
「NOVA」は「繋げる・作る・伝える・続ける」をコンセプトに置くアーティストによるアーティストのためのプロジェクトです。
アーティストたちの共創を促し、アートを繁栄させ、人々の心を豊かにする——。そんな未来を描く我々NOVA は、11月3日(水)〜13日(土)に「令和のライフスタイル」をテーマにした近未来型ファッションウィーク「REIWA Fashion Week」を開催します。
総勢70名のアーティストが、チームを作り、自らの表現を通して、これからの時代に一石を投じるオンライン×オフラインのハイブリット型の「REIWA Fashion Week」。アーティストの想いや制作過程等を発信し、最終日にはファッションショーを開催予定です。
ここでは、10月9日に実施された各チームの中間報告会の様子をNOVA代表の中村星太が報告します。
これからの時代ってどうなっていくんだろう?
ただ待っているだけじゃなくて、私たち自身がこんな時代になるんだ! と提案して、手繰り寄せていく必要性があるはず。まずはファッションという切り口から、ちょっと先の未来を考えることをやってみたいと思いました。
テクノロジーの発展と環境問題、コロナ禍など、社会と同様に、文化芸術においても今まで当たり前だった表現方法や価値観は⾒直され、変化し続けています。
新時代・令和における私たちの生活はどう変わっていくのでしょうか?
「ファッション」は、単なる服飾に限らず、ライフスタイルや私たちを取り巻く環境全般を指すものとして、それを写す鏡になるはずです。私たちはそう考え、『令和のライフスタイル」をテーマにファッションウィークを開催することに決めました。
現在、作品を鋭意製作中です。異なる専門分野を持つ4人のリーダーのもとに、服飾に限らない様々な分野のアーティスト達が集い、「共創」される作品とは——。
それでは、中間報告会、チーム発表の様子ををお届けします!
「FlowerBEAT」えりんぬさんのコメント
「REIWAFashionWeek」の掲げるテーマは「令和のライフスタイル」。令和という新しい時代をどう生きたいか、どのような時代にしていきたいか、という問いかけに対し、私達FlowerBEATはこう答えます。
「やりたいことをやり、いきいきと生き、会いたい人に会い、満足して死にたい。意思が阻害され続けたとき、人の心は簡単に枯れ、やがて死ぬ。しかし、自分自身の心の声に耳を澄ませ、行動することができれば、また少しずつ生き返ることができると、私達は知っている」
FlowerBEATのコンセプトは「花の一生」。
物理的な命の生死だけでなく、精神の生死も含めて表現します。種から花、花が枯れるまでの一連の流れを、早着替えによる衣装チェンジで実現。舞台上には、花の命を表すドローン、心拍を可視化するLED、モデルによるコンテンポラリーダンス、服を届けるロボットが登場。
様々な技術を駆使し表現された「命」を見届けるランウェイを実行します。
(FlowerBEATのメンバー)
「Circle」菅原夏凪さんのコメント
私たちはホスピタルアートをテーマにファッションを通して自己表現や心の健康の大切さを訴えます。病院にアートを増やすことをホスピタルアートと言いますが、海外では当たり前のこの概念も日本ではまだまだ認知度が低く、アートに対する優先順位が低い日本社会を反映しているようにも思われます。無機質な空間から色づいていく様子を、ファッション、そして音楽や映像などの空間演出を通して表現します。
(Circleのメンバー)
「MAGARI」志帆さんのコメント
サステナブルをテーマに作品を制作していた私は、一点物を作る衣装制作会社に就職し、衣装業界から出る残布の多さに驚きました。ですが、オートクチュールであるが故、残布が沢山出るのは当たり前のこと。見た目の美しさだけでなく、例えば衣装を着てダンスをする人の手が上がりやすくする為にはどの様な構成をすればいいのだろうか、など着る人に対しての気遣いをし、それを形にするのが衣装業界の仕事だと感じます。一点物の服を完璧にし、人の心に寄り添うことができる衣装は素晴らしいと思う一方、オートクチュールなサステナブルができれば、それは私の理想です。
今回建築関係をお仕事にされている方々の出会いがあり、建築的要素を掛け合わせた服作りをすることになりました。服と建築は共通するところがあり、どちらもデザインは大切ですが、衣も住も風雨から身体を守るシェルターであること。話を進めていく中で似通うところが沢山あると感じます。
木の枝を拾い、3Dスキャンをし、3Dプリントでその木の枝のジョイント部分を制作し建造物を組み立てる、彼らの活動を見て頂きたいです。
MEKENが創り出すZWEIGの映像
サステナブルを重視した建造物を作っている彼らの力を借りて、空間ではなく、人にスケールダウンし、身体に纏う建造物を制作するのはどうかと彼らに提案しました。これは誰も見たことがない新しい令和ファッションが生まれるのではないのかと。
ショーで使う木は私の地元である茅ヶ崎の海岸に落ちている流木を使いました。流木は軽い為、衣装に向いていると感じました。そして腐らないのもメリットの一つです。布にもこだわりました。私が足繁く通う日暮里の生地屋さんで購入した麻100%の生地で雰囲気とマッチさせ、アクセントに廃棄予定だった皮革を使い、トータルでのファッションを創り上げる予定です。ヘアメイクには現在美容師やスタイリストとして働く方にお力頂くことになり、若きプロフェッショナルが総力を上げてこのショーに取り組みます。
それぞれの才能を発揮できる場として、私はあくまで”引き立て役の服”として。今回だけでなく、これからも彼らをアシストしていき、一緒にものづくりを続けて行きたいと感じるようになりました。
(MAGARIメンバーの登壇の様子)
「team oto」音さんのコメント
情報であふれている社会、なんでも共有する風潮になってきた今、人々が物事を考えることをしなくなってきていると思いました。知りたいことや、みんなの意見や評価もすぐにスマホひとつでわかるのはすごく便利で良いことだけど、それによって失うものもある気がします。自分で考えて素直に感じたことを言うことは悪いことじゃないのに、違う空気感を受け入れられない風潮がでてきている気がしている。
それによって他人の価値観だったり新しい視点を見逃したりすることもある。だから今回作る服にはみんながそれぞれ解釈をして、考えられる何かの余白を残しました。「なんだこれ?」って思ってもらえたら嬉しい。何かわからないものを楽しむっていうのは人間に与えられた高度な思考だと思っています。「こういうのがオシャレでしょ」、「こういうのがファッションでしょ」じゃなくて、違和感の部分を追求したいです。
(team otoのメンバー)
報告会のあとはチームをシャッフルして、「もしもあなたが相手のチームに入っていたらどんなアイデアを出していたのか」と問い、それについて話し合ってもらいました。今回はコロナ感染対策として、人数を制限するため2チームずつの入れ替え制で行いました。
服作りに特化したチームと映像や音響演出・テクノロジーを駆使するチームがそれぞれの領域からファッションに対する想いを語りました。
(Circle × MAGARI)
(Flower BEAT× team oto)
「令和のライフスタイル」というテーマでファッションを考えてみることから始まった「REIWA Fashion Week」プロジェクト。様々な領域のアーティストが、このテーマで共創したらどのような結果が得られるのか。これまでの実験と今回の中間報告を通して私が感じたのは、新しい技術や価値観のもとで、斬新な切り口で表現をしながらも、その根底には心や物の「豊かさ」への渇望と「個人」の感情や考えを大切にしていることです。
自分の心の声に耳をすませることで生き生きとなれること、アートや自己表現が心の健康につながること、環境や服を着る人への配慮が自然や人の心を豊かにすること、他者の意見や感情をそっくりそのまま同調することへの違和感。4チームの掲げる想いはこれからの令和の新しいスタンダードになっていくと思います。そして、アーティストたちは繋がりを求め、表現の場所を求めていることも改めて感じました。
3名のメンバーから始まったこのプロジェクトも、今では70名を超えるアーティストたちが繋がり、ショーに向けて作品作りを進めています。「REIWA Fashion Week」は11月3日からNOVAの公式ホームページを中心に開催します。また、11月13日には表参道のWall&Wallにてファッションショーを行い、その様子を生配信で無料公開を予定してます。
是非、私たちの活動を見て欲しいです!
中間報告に参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様ありがとうございました!
REIWA Fashion WEEK
アーティストの共創から生まれる近未来型ファッションウィーク
会期:2021年11月3日〜11月13日
詳細:https://novanova.studio.site/