チャリティへのイメージの変化!おしゃれで みんなが幸せをシェアできるような社会へ
- イベントレポート
古着をアップサイクルして持続可能な社会へ! 「Project Upcycle Runway Workshop」イベントレポート
100BANCHのGarage Programで活動する「London Charity Shop 2119 - Love Charity ❤️ Tokyo」(以下「Love Charity Tokyo」)は、イギリス主流のチャリティーショップシステムを通して、ファッションで日本にチャリティー文化をつくることを目標にしています。
この活動で「Love Charity Tokyo」は、イギリスに比べて文化や宗教的背景など異なる点ばかりの日本にも根付きやすい、日本人のためのチャリティーの仕組みを考え続けています。
その一環として、2020年2月16日(日)に、オリジナルファッションアイテムを作るリメイク体験や、参加者と「これからの未来を担う世代が今後の持続可能な社会のためにどのように貢献できるか」を一緒に考えるイベント「Project Upcycle Runway Workshop」を開催しました。
多様な年代や国籍の方に参加したイベントの様子を「Love Charity Tokyo」の鈴木がご報告します。
チャリティーショップとは?
突然ですが「チャリティーショップ」をご存じですか?
イギリス主流のチャリティー文化の1つで、着なくなった物品を販売し、その利益がチャリティー団体に寄付される仕組みです。
日本でイメージしやすいのは、下北沢にある古着屋や、ローカルのセカンドハンドショップ(中古品販売店)でしょう。しかし、それらとは大きく違い、チャリティーショップは買い取りサービスなどはなく、基本的に販売しているものは寄付で賄っているもであり、また、利益はチャリティー団体に寄付されています。
私達はこのチャリティーショップを通して、日本にチャリティー文化をつくり、助け合う精神を持つ持続可能な社会を実現するために活動しています。
古着に新しい価値を吹き込む
普段、私達は様々なイベントにてポップアップショップを出店しているのですが、今回のイベントでは「古着を捨てる選択ではなく、新しい価値を生み出す楽しさを感じてもらいたい」という目的のもと、アップサイクルワークショップを開催しました。
私達は「渋谷の若い人にもっとチャリティーについて知ってもらいたい!」という思いがあります。そこで、オリジナルグッズや個性的なファッションを楽しむ傾向にある参加者に、自分では飽きてしまった洋服を持参してもらい、そこにペイントしたりワッペンを付けたりしてリメイクし、オリジナルアイテムを作ってもらいました。
当日は高校生の参加者もいて、「初めてアップサイクルという手法を知って、今まで着ていた洋服が、新しく生まれ変わったみたいで嬉しい」と話してくれました。
このように、新しいモノを買って古いモノを処分するという意識を変えていくことができます。持続可能な社会のためには、モノを大切にする意識にもアプローチしていく必要があると思います。
持続可能な社会実現のための3人のヒーロー達
また、イベントでは持続可能な社会のために活動する3人のゲストスピーカーを招き、様々な活動事例を紹介してもらいました。
1人目は大学生ながら持続可能なライフスタイルに興味を持ち、積極的に実行に移す獨協埼玉大学の学生・佐藤エミリーさん。自分で石鹸を作り、なるべくモノを買わないように意識しているなどの事例を紹介してくれました。
登壇した獨協埼玉大学の学生・佐藤エミリーさん
続いて登壇したのはプラスチックを陶器に変える技術を開発した「Swellplastic」の代表・カノウアツシさん。カノウさんが「陶器を販売してビジネスをすることが目的ではなく、この活動を通してモノを大事にする感覚を大切にしてほしい。そのことを新しいモノを買う時、古いモノを捨てる時に、1度考えてほしい」と力強く述べた場面が特に印象的でした。
「Swellplastic」代表のカノウアツシさん(登壇者)
最後の登壇者は自作の洋服をホームレスの人に届ける活動をする「Please Don’t Throw Your Love Away」の設立者、21歳の廣中俊志さん。廣中さんが高校時代に過ごしたアメリカで出会ったメンターに言われた「誰でもある日突然ホームレスになる可能性がある。だから助け合わなければ」という言葉に胸を打たれました。
「Please Don’t Throw Your Love Away」設立者の廣中俊志さん
2019年9月からスタートした「Love Charity Tokyo」も、チャリティーショップを通して途上国の人達を助ける活動をしています。このような活動は、3人のゲストスピーカーとして参加してくれたヒーローだけでは成り立ちません。その活動が日本や世界で普通になるまで、「自分にとって持続可能性とは何か」と積極的に考え続ける必要があると思います。
チャリティーという障壁
日本では多くの人が無宗教だと考えているため、チャリティー文化が根付くことが難しいと昔から言われています。私達は皆さんに、チャリティーショップのコンセプトを理解してもらいどうやったら快く参加してもらえるか、と考える一方で、ときにそれらはとても困難だと感じます。
しかし、日本に根付きやすい文化や手法は様々だと思います。例えば新年に神社でお賽銭を投げる文化は、1つのチャリティーの手法だと言えます。決して日本はチャリティーに参加していない冷たい国ではありません。そう意識することで、日本にはチャリティーにまつわる意識や物事が沢山あると気付くはずです。
私たちは活動を続けるなか、ふと「なぜ日本にチャリティー文化をつくりたいのか?」と迷うときもあります。そのときは「人の繋がりを感じることできる日本で、誰ひとりとして欠けることなくみんなで幸せをシェアできる社会があれば、そこで生きていく人達は幸せだろう」という考えに立ち返り、進んでいます。
「Love Charity Tokyo」はこれからもチャリティー文化を創るために、走り続けていきたいです。
(写真:ON-1, Inc. Jimi Okelana)
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