
Next1Dogs Action ー犬の日に犬を語る会ー
犬と人のより良い共生社会をクリエイティブの力でデザインするNext1Dogs project。「一番遠くで犬を抱きしめたい。」というコンセプトを掲げ、企画やクリエイティブな切り口から「犬と人の関係性」を見つめ直すことに取り組んでいます。2025年11月1日、「犬の日」を記念して100BANCHにて、犬と人の関係性をもう一歩先へ進めるためのイベント「Next1Dogs Action -犬の日に犬を語る会-」を開催しました。
本イベントは、Next1Dogs projectが主催し、「わんこの窓」と100BANCHプロジェクトでもある「DOG-PEE PROJECT」をゲストに迎え、犬を通して社会を見つめるトークイベントを実施。犬のことを語るというシンプルなテーマを起点に、人と社会の未来を語る場へと変わっていった当日の様子を、Next1Dogs projectリーダーの相場葵がレポートします。


イベントは3部構成。
第一部では、3つのプロジェクトがそれぞれの視点から、自身の取り組みを共有しました。Next1Dogsは活動の原点となった、大学での卒業制作から現在に至るまでの活動や、ナナナナ祭でのイベントの様子や今後のビジョン、 そして「犬の専門家と社会をどうつなぐか」をテーマに、“ドッグプランナー”という新しい職業の可能性を提示しました。DOG-PEE PROJECTは、犬の“おしっこ”を資源として捉えるユニークなデザインアプローチを紹介。ちょうどその日に、グッドデザイン・ニューホープ賞を受賞したことをみんなでお祝いしました!わんこの窓は、SNS上で犬と家族をつなぐ「お迎え前相談所」の活動を語りつつ、動物看護やペットショップアルバイトでの経験などを交えながら、解像度の高いテーマを軸にトークを展開しました。
第二部では、会場全体を巻き込みながら「では犬と人の関係、これからの未来をもう一歩先に進めるための1アクションとは?」をテーマにディスカッション。オンライン投票ツール「Slido」を使い、リアルタイムで参加者の声を“見える化”すると、「犬を人間社会に合わせるのではなく、人が犬に合わせる社会もありえるのでは?」「“かわいい”の先にある犬の尊厳をどう守るか?」といった様々な角度からの問いや意見、参加者の一言一言があり、犬をめぐる価値観を揺さぶられました。
第三部は、展示と交流を兼ねたフリータイム。来場者同士や登壇者との会話が自然と生まれ、「ここでしか出会えない人と話せた」「犬を通じて未来を考える時間だった」といった声が寄せられ、非常に和やかな雰囲気の中、濃い情報を交換することができたようです。


会場では、各プロジェクトによる体験型展示を実施しました。
Next1Dogsは、性格や価値観に基づき“あなたと友達になれそうな犬種”を診断する「ベストフレンド犬診断」のデモンストレーションを実施したり、普段100BANCHで自身のブランディング&マーケティングを兼ねて取り組んでいる「犬の解説動画」で仕上げた作品を展示しました。「この犬、意外と自分と似ているところがあるかも」「自分に合う犬ってこういうタイプなんだ」と、犬種との新しい出会いを“自分ごと”として感じる参加者の姿が印象的でした。
DOG-PEE PROJECTは、犬の“マーキング”を肥料化する「犬のおしっこポール」を展示。犬の行動を環境資源へと変換するその発想に、多くの参加者が足を止めて見入っていました。
わんこの窓は、SNSを飛び出して初の「お迎え前の出張相談所」を実施。「どんな犬が自分に合うのか」「一人暮らしでも飼えるのか」など、リアルな悩みに寄り添う姿勢が、多くの共感を呼び、何人かから犬を迎える前、迎えた後の相談を受けていました。

「犬と人の共生関係を、今より一歩先の未来へ進めたい」
私の思いどおり、「Next1Dogs Action」は単なるイベントではなく、“次に進むための一手”を模索する社会実験となったと思います。当日集まった参加者は16名。少数精鋭の空間だからこそ、深い対話が生まれました。「学びになった」「若いパワーを感じた」「犬の見方が変わった」
そんな声が、イベント後もSNSやDMを通じて寄せられています。
私自身も、ナナナナ祭での活動を経て、“いいね”だけで終わらない繋がりをつくりたいと思い今回のイベント実施に至りました。 犬業界には横のつながりが少ないからこそ、若い世代で一度集まり、語り合う場をつくること自体にも大きな意味があったと思います。

犬を通して語られたのは、犬のことだけではありません。 「相手を理解すること」「違いを受け入れること」、それは、人と人の関係にも通じるテーマです。
犬を鏡にして、自分の中の“優しさの形”を見つめる時間。
犬の話をしながら、いつのまにか「人との関係」について考えている。
Next1Dogsが目指すのは、そんな共感を起点にした、社会の未来デザインです。
犬を語ることから、社会を変える。改めて【ドッグプランナー】の需要を高く感じ、同時にNext1Dogsの小さな“一歩”が、確かな波紋を描き始めていると感じた1日となりました。