ICHIGIKU
社会に一つ、新たな軸を。
「宇宙(Universe)」を新たなファッションジャンルとして提案し、その第一歩として宇宙服をテーマにしたファッションショーの開催を目指すプロジェクト「ICHIGIKU」。今回のDESIGNARTでは指の機能に注目し、指の機能や役割を捉え直す宇宙時代のアクセサリーを展示しました。その模様を、ICHIGIKUの松広が振り返ります。
ICHIGIKU では、「宇宙と共に生きる服」を主題に、地球文化に一つの軸を提案することを目指しています。衣服社会における、宇宙環境の視点から、既成概念を壊すこと、既成概念を創造することを「宇宙服の場合」と題しました。
今回のDESIGNART TOKYO 2024では宇宙服の場合/Vision2として、指全体を包み込むグローブという形状のアクセサリーを提案しました。
本展示では、「指の機能」の多様な動作や役割を整理することを表現の基盤とし、指のあらゆる機能において「拘束」の概念を取り入れることとしました。指輪ではないFinger Gloves、拘束された指で私たちは下記のような機能をどう意識するでしょうか。
【つかむ・握る】
物を持ち上げたり、運んだりすることができる。
【操作】
ペンを持って字を書く、ボタンを押す、糸を縫うなどの細かい操作を可能にする。
【感覚の受容】
指先には多くの神経が集中しており、
触覚に非常に敏感であることから、温度、圧力、質感などを感じることができる。また、物体の特性を把握する。
【バランスと支持】
体のバランスを保つ。
【表現】
ジェスチャーや手話など、指を使って言葉以外のコミュニケーションを可能にする。
本来、拘束には行動の自由を抑制する、また判断の自由を制限するという意味があります。宇宙全体を取り巻く楕円という形状で指を拘束し機能制限するデザイン表現は、アクセサリーの装飾としての機能に対して、思考という充足的役割を追加します。
指先を取り巻く惑星たち。
一つの惑星ができるまでを想像すると、各環の過程を考えることになります。
素材も違う世界で、何が元になるのか。
来場者の方にはFinger Glovesによって拘束された指先から、その触覚の行方を探して頂きました。
これからも、【宇宙服の場合】という、ある種の共同幻想を作品として表現し、ICHIGIKUとして製品作りや空間演出を手掛けていきたいと考えています。
宇宙を想定とした素材や空間に興味がある方、ぜひ ICHIGIKUのプロジェクトを追ってください。