- イベントレポート
發明の貯蔵庫<INVENTORY>における顕教と密教ー科学を文化の次元で捉える──ナナナナ祭2024を終えて
2024年7月7日に7周年を迎えた100BANCH。トリプルセブンの今年、100BANCHが周年を記念して実施する年に1度の大イベント「ナナナナ祭」は「とにかくえんぎがいい祭り」がテーマです。えんぎがいい空間装飾で変身した100BANCHで、会期1日目から5日目にはコミュニティ、教育、お金、宇宙、といった様々なテーマで未来を考えるトークイベント「講」を実施しました。白熱したトークの様子をお届けします。
7周年の記念日となる7月7日に行われた「こんにちは未来」では、100BANCHの7年間の軌跡を振り返りつつ、今年のテーマにもなっている「えんぎ」について、みんなで語り合いました。
ゲストは、100BANCH出身プロジェクトの中でも、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍している株式会社へラルボニーの代表、松田 崇弥・文登の兄弟。GARAGE Program7期生として彼らが入居したのは、まだへラルボニーを起業する前、「MUKU」というプロジェクト名で活動していた頃。そこから、さまざまな縁をたぐり寄せながらチャンスをつかみ、進化してきたエピソードを2人で掛け合いながら話してくれました。
後輩プロジェクトにとって、へラルボニーは目標とも言える存在。そんなプロジェクトにも、今、100BANCHで活動するプロジェクト黎明期のメンバーと同じように悩んだり、迷ったり、いろんな実験をしながら活動していたということに、続くメンバーたちも大いに勇気づけられ、刺激を受けたようです。
メインゲストはへラルボニーの松田崇弥(左)と松田文登(右)
進行はオーガナイザーの則武(左)とアイドルの庭野(中央)
会場には50以上のプロジェクトが集合。世代を超えた新たな縁もつながりました
100BANCHはしばしば「スタートアップコミュニティ」と称されることがあり、コミュニティをつくりたいという人たちからの問い合わせや協力依頼も多くいただきます。「コミュニティの果たす役割が重要だ!」という声はたくさん聞こえてくるけれど、そもそもコミュニティって何なんでしょう?
Day2のイベントは、さまざまなコミュニティに関わる人たちが話題提供をし、参加者同士の対話を通じて、考えを深めていくスタイルで実施しました。Food Waste Chopping Partyの大山貴子をモデレーターに、Liquitousプロジェクトの栗本拓幸、soma no base プロジェクトの西来路亮太、100BANCHアイドルの庭野里咲が、自らの関わるコミュニティについての話題を提供しながら、クロストークを行いました。
来場者にも、何らかのコミュニティ醸成に関わっている方が多く、その後のダイアローグの時間もかなり深い議論が交わされていたのが印象的でした。
話題提供を行ったのはさまざまなコミュニティに関わる100BANCHメンバー。写真左から、大山、栗本、西来路、庭野
気になる話を付箋に貼り出し、気になるポイントについてさらに議論
数人でグループをつくり、対話を深める
100BANCHには、学生でありながら、自ら「学校」という枠にとらわれない新たな「教育」「学び」の機会を創出しようとするメンバーがたくさんいます。3日目は、「Z世代による教育論」と題し、教育に関連する4プロジェクトのリーダーたちが登壇。
教育社会学者の福島 創太さんにモデレーターを務めていただき、それぞれが捉えた教育の「理想」と「現実」を語り合いながら、これからの教育をつくるために何を行っていけばよいのか、そのアプローチについて議論しました。
若いメンバーだからこそ、現状の教育に対する課題感がとてもリアルで、言葉にも熱がこもります。当事者としてその課題に向き合い、自分たちが欲しいと思う環境をつくろうとしている姿に、来場者も刺激を受けていました。
写真左から、福島さん、lightfulプロジェクトの田中あゆみ、Online Yomikikase YOMY!の安田莉子、Classroom Adventures MOGURAの堀口野明、HsP’eersの中津井 楓真
現役高校生のリアルな声もヒアリング
来場者にも自分ができる「アクション」を考えてもらったワークの時間
イベントの最後に記念撮影
4日目となる7月10日のイベントは「これからの資金調達」。メンターの高宮 慎一さん(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー、Chief Strategy Officer )にお越しいただき、活動資金について悩むプロジェクトリーダーたちへの公開メンタリングとして実施しました。
また、さまざまな領域、フェーズのプロジェクトが活動する100BANCHにおいて、活動資金を得るための重要な選択肢の一つとなっているクラウドファンディングについても、そのノウハウを共有するために、これまでにクラファン各社でプロジェクトを立ち上げて資金を得てきたDEW/RINGO PAYプロジェクトの高橋良爾が登壇し、体験談を話しました。
何となく難しく感じてしまう資金調達ですが、高宮さんの話はとてもシンプル。目指している規模に対してどれくらいの金額が、どんなタイミングで必要なのか。まだそれを自分たちでも突き詰めて考えられていなかったということに気づいたというメンバーの声も多くありました。
公開メンタリングのメンターは高宮慎一さん
クラファン体験談を語った高橋
「講 -トークイベント-」の締めくくりとなるDay5のイベントは、「宇宙へ行こう!」。民間による宇宙開発も進み、宇宙旅行も夢ではなくなってきたというものの、いざ、自分の身に置き換えて考えてみると、宇宙について知らないことがたくさんあります。
このイベントでは、宇宙に行ける時代に私たちの生活にはどんな変化があるのか、100BANCHで活動する宇宙関連のプロジェクトと有識者で徹底トーク。宇宙タレントの黒田有彩さん、将来宇宙輸送システム株式会社 最高事業責任者の嶋田 敬一郎さんをゲストに迎え、100BANCHからはYspaceの川崎吾一、ARES Projectの阿依ダニシ、ICHIGIKUの松広航が登壇。彼らをとらえて離さない「宇宙」の魅力と、宇宙産業の未来について語り合いました。
未知なる地である宇宙に対し、さまざまな課題はあれども、「人間が想像できることは、 人間が必ず実現できる」と力強く語る登壇者の話にワクワクしました。宇宙がどんどん身近になる。もっとスケール大きく挑戦していこう!そんな思いが湧いてくるイベントでした。
なお、それぞれのトークイベントの詳細レポートおよびYoutube動画につきましても順次公開の予定です。
モデレーターは宇宙タレントの黒田さん
ゲストの嶋田さん。同社の宇宙旅行は300万円からだそうです
宇宙関連のイベントチケットをかけたじゃんけん大会も