BANCH PROJECTS

2017.09.08 Fri

「FFF」リーダー星野雄三:ふんどしは、パーソナライズされる未来へ向けた知的でいたずらな社会実験

  • #アパレルのルールを乗っ取る

  • #ファッション

  • #パーソナライズ

  • #ふんどし

  • #GARAGE Program

“これからの100年をおもしろくするプロジェクトか?”を唯一の判断基準に、フロントランナーであるメンターに採択されたプロジェクトが入居する100BANCH のGARAGE Program。プロジェクトのリーダーは、いずれも35歳以下の野心的な若者たちです。そんなリーダーの人物像とプロジェクトの世界観に迫るインタビューシリーズ。

第1回は、伝統下着"ふんどし"を「表現者のためのファッションウェア」として未来に伝える。というとびきりエッジなプロジェクト「FFF」を率いる星野雄三さんです。

ふんどしの製造・販売・コンサルティング、トレーニングジム事業、プロモーション及びメディア運営という3事業を展開するふんどし部という株式会社の経営者でもある彼は、東大大学院で筋生理学専攻、バー経営、服飾文化を学びにイタリア留学etc.と、経歴もとびきりユニークです。

2017年10月29日に世界初のふんどしファッションショーを100BANCHで開催、さらにはMakuakeでのクラウドファンディングもスタート! ニヒルな笑みを浮かべる彼は、そもそもなぜふんどしに情熱を注ぐのか? その先にあるビジョンとは? 

——ふんどしの世界展開を本気で掲げる「FFF」は、“変人のスタートアップ拠点”とも称される100BANCHにおいても異彩を放つプロジェクトですよね。そんな冒険を率いるリーダーの星野さんは、一体どんな人物なんですか?

ボクはもともと高校時代から身体に関心があって、今でもそれは引き継がれているんですが。きっかけは、アメフト部で筋トレをやってたことです。純粋に筋トレすると強くなる、相手を倒せる、それが楽しかったんです。

——アメフトで強くなりたいから身体を鍛える。シンプルな動機ですね。

世の中のビジネスや生活における悩みのほとんどは人間関係ですよね。それは関係性によって問題が生じるんですが、筋トレについては、自分との会話であり、自分に依存する。すごくシンプルなんですよ。やれば力がついて、気持ちよくなって、疲れる(笑)。

今、ほとんどの人が身体や健康のことで悩んでいますよね。それは今に始まったことではなく千年、二千年変わっていない。美しくなりたい、強くなりたい、かっこよくなりたいって。身体や健康はビジネス市場として見ても巨大だし、その欲求は人間の不変の真理だと思っています。機械化が進んでも、今後人工知能の世界になっても、しばらくは人間の身体性には固有の価値がある。

ある意味、身体づくりはライフスタイルづくりの一番簡単な手段だとも思っているんです。

——さっそく、これからの未来の話題につながってきましたね。そんなことを高校時代から考えていたんですか? 

いえ。身体とライフスタイルが結びついたの大学に入ってからです。大学、大学院とずっと肉体・健康のことを学んできて、大学院からは、現在ふんどし部の事業としても行っているパーソナルトレーナーとしてのキャリアを歩んでいきました。

星野雄三 │ FFFリーダー
東京大学大学院総合文化研究科卒業後、世界平和のために、株式会社ふんどし部(Fundoshibu Ltd)を設立。現在、ふんどしの製造・販売・コンサルティングを行い、日常のあらゆる問題をふんどしで解決することを理念とする。業界史上最速でふんどしマン業界のトップに座すことに成功し、業界でのふんどしマンの保有数No.1を誇る。

——なるほど。身体のプロフェッショナルへの道を極めていったと。でも、そこにふんどしが、いつどうやって結びついていったんですか?

ふんどし部の副代表「ふんどしやさしいマン」こと野田との出会いがきっかけです。実は、僕は東大の前でバーを経営していたことがあるんです。そこに、当時はまだ服を着ていたのですが、彼が常連として訪れてくれていた。そのあと彼は芸大の活動で、新宿の街をふんどしで歩くっていうのをやっていて。それは現実と非日常の境目を表現する作品になったんですが、彼はその作品だけに終わらず、ふんどし一丁でフリーハグする活動へと発展させていて。それを、イタリア留学中に見たんですよ。

—— ん? イタリア留学!?  身体関係のことを学びに留学していたんですか?

いえスーツです。TEDにも出て、クラシックスーツについてプレゼンしているんですが、当時服飾文化にも興味があってイタリアでクラシックスーツを学び、情熱を注いでいたんです。

——身体から身体を纏う衣服への関心へ、ということですね。TEDの映像を観れば、身体から衣服へのものがたりを深く理解できるんですかね?

難しいことは言ってなくて、ボクは着られる服がないんですよ。手足が太い上に短いし、首も太いから、シャツがまったくフィットしない。だからスーツを着る時は、オーダースーツになってしまうんですね。体を鍛えてる人は同じ悩みを抱えているはずで、一般に売られている普通のファッションが合わなくなってしまうんです。

ちょっと結論じみた話をすると、そんな平均から外れた人間も含めて、あらゆるものがパーソナライズされる世界観が、これからの社会だし、これからのライフスタイルだと思っているんです。“すべてのひとが自分らしくある”という未来です。

ふんどしというのは、ある意味、そのパーソナライズされた自分らしくあるというスタイルを一番極端なかたちで表現しているだけなんですね。

ふんどしやさしいマン 野田 貴志:東京大学農学部卒。同大学院で抗がん剤の研究をしていたが、ふんどしを通してより社会貢献ができると感じ、退学して株式会社ふんどし部を起業。ふんどしやさしいマンとして、WEB運用とメディア広報、ふんどしマン派遣事業を担当する。起業前よりふんどしマンとして一年を通してふんどし一丁での生活を行い、街の平和維持活動に努めている。

——パーソナライズ化されていくこれからの社会のアイコンとしてのふんどし。メッセージ性もあるんですね。

すべてがパーソナライズされる世界観っていうのは21世紀型だと思っていて、筋トレも潮流はパーソナルトレーニングなんですよね。

究極的には、個人それぞれのメタボリズムにあったトレーニングをやりたいんですが、それは人間だけでは無理で、スーパーコンピューターと人工知能の進化が必要です。本でいいと言われている汎用的なメソッドが、誰にでも当てはまるわけではないのは、みんなわかっていると思うんですが。

医学的なデータの取得については、今は静的なんです。採血しても、それは採血したタイミングに限定されたデータでしかない。代謝っていうのは動的なので、例えば肉を食べた後に身体にどんな変化が起きるかっていうのまではわからない。動的な身体データの取得と解析は人間が判断できる域を超えています。

パーソナライズされていた社会で言えば、19世紀は服に関してはパーソナライズされていました。オーダーメイドの文化で、職人と客との一対一でものづくりをしていた時代があった。でも、今はファストファッションがスタンダードになってしまった。

——オーダーメイドと比較した場合、ビジネスとしてのスケールを考えると、最大公約数的なものを大量に作り、大量に消費させるファストファッションは合理的ですよね。

確かに合理的で素晴らしいけれど、いかんせん生地や人間を余らせなくてはならないスタイルなんです。そこをいくと、ふんどしは19世紀的で、パーソナライズされたファッションです。なぜかというと、人はふんどしを着ている人を見た時に、ふんどしではなくて、その人の顔や肉体で認識するんですね。それは100BANCHでメンターになっていただいている落合陽一さんも、認識能という言葉で表現されたんですが、ボクも腑に落ちました。また、ふんどしは、どの股間にもフィットするという意味でもパーソナライズされています。

——確かに、今ふんどし姿の星野さんを、ふんどしが消えた、個人として認識している気がしますね。

21世紀的にいえば、ふんどしをもっとアップデートするために、誰にでもフィットするふんどしをコンピュテーショナルにつくるというアプローチにもチャレンジしたいんですが、今のボクらには技術力がありません。だから、文化的なアプローチから誰にでも合うふんどしという下着をリバイバルさせるプロジェクトをやっているんです。

——文化側からのアプローチしか見えていなかったんですが、技術側からイノベーションを起こす世界も視野に入れていたんですね。

ふんどし部が、アパレルの世界で戦おうとした時のわかりやすい成功モデルは、アパレルのルールを変えることだと思っています。ファッション・アパレルを立ち上げたい人はたくさんいるし、表現したい若者もたくさんいるのに、20世紀型の縫製工場の世界観によって誰もローリスクでものをつくれない。

ふんどし部としてはふんどし以外も扱っていくので、テクノロジーによってアパレルの構造やプロセスなどのルールを変えて、すべてをパーソナライズさせたいですね。

でも、さっきも行ったように今は技術力がないので……。イノベーションの文脈でいうと技術中心ではなく、人間中心で人々の認識をズラすチャレンジをやっているんです。

ふんどし部ではデザイン性の高いふんどしの製造・販売を行っている。https://fundoshibu.com/

——ふんどしの認識をずらすというのも相当チャレンジングですよね。

ふんどしは、単純に外国人が面白がるのと、日本独自の古来のものだと視覚的に一発で認識できるので、むしろ新しい下着として伝えることが可能だと思っています。

ボクらは、ふんどしの世界化計画を、みんなが笑顔になれる知的ないたずらとしてのビジネスだと思ってチャレンジしています。

——みんなが笑顔になれる知的ないたずら……。そういう印象はあります。

消え去りつつある下着なのに、これは日本の新しい下着ですって言い張ってルール作りをしていく。わかりやすいゴールはコレクションに出すことですね。アパレル業界のルールを乗っ取りつつ、ルールをずらしていく。

——100BANCHでのプロジェクトのゴールも、世界初のふんどしのファッションショー「FFF(FUNDOSHI FASHION FESTIVAL)」を100BANCHで、10月29日(日)に100BANCHで開催することにしましたよね。モチベーションとして、既存のアパレル業界へのカウンターという想いが強いんでしょうか?

最終ゴールとしてアパレルのルールを変えるとはいいましたけど、ファッションショーのゴールは、「ふんどしって、まさかカッコいい?」って思わせることです。メンターの落合陽一さんにも言われたんですが、まだ世の中にめちゃくちゃカッコいいファッションとしてのふんどしの表現は提示されたことがない。だからチャレンジしようと。

テーマは「祭り」としていますが、伝統産業としてのふんどしのものづくりを守りたいという表現ではありません。ふんどしというアイコンを、どのように今風に表現するかが、我々世代の課題というか熱量を持っているところです。

ファッション業界のスタイリストやデザイナーもプロジェクトチームに巻き込んで、スゴイものを仕込んでいくので絶対に来て欲しいですね。

 

 

FFF(FUNDOSHI FASHION FESTIVAL)は、2017年10月29日(日)18:00 - 22:00 @100BANCHで開催される

「世界初のふんどしファッションショーを開催して、この世からパンツを消し去りたい!」

世界初、ふんどしのファッションショーが渋谷100BANCH(Panasonicオフィスビル)にて開催決定!

日本一ふんどしを楽しむ会社「株式会社ふんどし部」が、既存の常識を打ち壊し、新たなふんどしファッションの確立を目指してイベントを開催します!

ふんどし×ファッションという、今までの常識ではありえなかったコラボレーションを実現させるためクラウドファンディングに挑戦いたしますので、皆様なにとぞご支援ご協力をお願い致します!

https://www.makuake.com/project/fundoshibu/

■ふんどしファッションショーイベント概要

【日時】2017年10月29日(日)18時 – 22時

【場所】Panasonic 100BANCH(渋谷駅新南口徒歩1分)

【定員】150人

【当日スケジュール】

 18:00 開場

 19:00 イベント開始

 19:30 ファッションショー開始

 20:15 世界ふんどし脱ぎ方コンテスト – World Fundoshi Takeoff Contest –

 21:00 アフターパーティー(DJタイム)

 22:00 イベント終了、そのままふんどしで渋谷ハロウィンの街へ

 05:00 ふんどしゴミ拾い

——はたして、ふんどしは、カッコイイにスイッチするのか? ワクワクしますね。最後にこれからの100年をつくる100BANCHに入居したひとりとして、100年後の世界への想いを聞かせてもらえますか?

20世紀は、組織が「お前はこれをやれ」と個人に対して明確な役割を与えていましたが、これからは、個人の自分は何がしたいのか、何がやれるのか、ということを基準に社会がフィットしていくというスタイルを取るべきだと思っています。ふんどし部もそうですが、もはや一箇所に所属する意味合いもあまり感じていなくて、いろいろな人が目的やスキルによってプロジェクトベースで関わりあう、という形で働けばいいと思っています。100年後のあり方として常に意識したいのは生々しい身体性とパーソナライズすること、ということです。

 

■FFF〜Fundoshi Fashion Festival

伝統下着”ふんどし”を「表現者のためのファッションウェア」として未来に伝える

プロジェクトの詳細→http://100banch.com/projects/fff/