消えない「虹」を3Dプリントする。
ー未来の色彩工芸ー
Color Fab
プロジェクト概要
3Dプリンタはこれまで新しい構造をつくり出す「造形」ツールとして使われてきましたが、私たちは3Dプリンタを新しい「着色」のツールとして捉えなおし、デジタルとフィジカルが融けあった未来の色彩工芸をつくり出すプロジェクトです。
TAG
#メイカーズ
動機
昔から「色彩」に心惹かれていました。特にオパールやモルフォ蝶、玉虫などがもつ「構造色」という現象はとても美しく、見る角度によって目まぐるしく変化していく虹色の色彩は魔法のように思えました。自然界に存在するこの豊かな現象を自分たちの手で再現することができないか?と考えたのが始まりです。
仮説
発展してきたデジタル言語を使ってフィジカルな現象をリッチなものにする。「3Dプリンタ」はデジタルとフィジカルをつなぐ「翻訳機」として機能し、豊かな物質現象をアップデートしていくことができるのではないかと考えています。「構造色」を3Dプリンタで再現しようとしているのはその一歩目です。
実験
「構造色」を3Dプリンタで再現したプロダクトの商品化に取り組みます。
1.形状設計
2.耐久テスト
3.販売方法の検討
目標
商品化を実現します。より多くの人に手の中で「虹」を転がす体験を味わってもらいたいです!
未来
3Dプリント品が商品として私たちの手に届くことが当たり前になったとき、物流は大きく変化します。設計データのみが輸送され、その場で自分好みの形状/色彩に最適化されて出力される。そして使い終わったモノは粉砕されまた新しいモノへと生まれ変わる。モノと人、地球環境との関係はより良いものになっていくでしょう。そんな新しい関係をつくる第一歩として、3Dプリントで良い商品をつくる、届けることにこだわっています。
リーダーインタビュー(大日方 伸)
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あなたははどんな風に育ちましたか
昔から絵を描くのが好きで、一日中自作のキャラクターを描いては物語を妄想し遊んでいました。将来は漫画家、イラストレーターになるとばかり勝手に思っていましたが、原研哉さんの本に出会い「デザイン」を知り、デザイナーを目指すことにしました。その憧れは、ただ原研哉さんを目指すのではなく、原さんでもできないことをできるようになっていつかコラボレーションしたいという想いとなり、3Dプリンタを自分のデザインツールとして制作を始めることになりました。 -
渋谷の街のエピソード
渋谷のFabCafeで2年間ほどアルバイトをしていました。そこには目をキラキラさせながら自分が追い求めるモノをつくる人たちが集まっていて、「あ、ここに仲間がいる」と嬉しくなりました。自分が作ったモノが自己紹介になる。渋谷には多種多様な人がいますがそこには肌の色や名前なんか関係なく、ただいいモノを作っていればいけてる人になる。名刺が必要ない街ですね。 -
メンバーたちの意外な一面
チームメンバーはまるっきり性質が違くて、面白いです。デザインの極地に自分がいて、エンジニアリングの極地に高盛がいる。そこをグラデーショナルにつなげてくれているのが木下です。みんな性格も目指すものも全然違うんだけれど、そのベン図が重なる部分の「良い」を突き詰めれば必ず良いモノになるというのが面白いですね。僕は人との関わりの中でデザインを考えるけど、高盛は極論自分が満足するモノ、自分を驚かせてくれるモノをつくることにしか興味がない、マイペースな職人気質。木下は細やかなことに気がまわり、僕たちが広大な地図の中で今どこに位置しているのか再確認させてくれるコンパスのような役割を担ってくれています。 -
意気込みをお願いいたします!
3Dプリンティングはここまできた。ということを見せたいです。
PROJECT TEAM
大日方 伸
デザイナー
クマ財団第3期クリエイター奨学生。慶應義塾大学SFC 4D Fabrication Lab所属。3Dプリンタで新しい色彩表現をつくるグラフィックデザイナー。
高盛 竜馬
エンジニア
慶應義塾大学4D Fabrication Lab所属。ジェネレーティブデザインを得意とするソフトウェアエンジニア。
木下 里奈
デザインエンジニア
慶應義塾大学4D Fabrication Lab所属。デザインエンジニアリングを勉強中。
mentor秋吉浩気
VUILD株式会社 CEO
VUILD株式会社CEO。アーキテクト/メタアーキテクト。1988年大阪府生まれ。芝浦工業大学工学部建築学科にて建築設計を専攻。慶應義塾大学ソーシャルファブリケーションラボにてデジタルファブリケーションを専攻。