縁側を渋谷に出没させる実験を通して、未来の縁側のあり方を拡張させたい
ENGAWA project
プロジェクト概要
本プロジェクトでは、日本の伝統的な建築構造である『縁側』の新たな形を模索する。『縁側』は日本家屋において、通路やベランダ的な役割、近所の人との憩いの場や死者を運ぶ出口など多様な側面を持ち、機能と情緒に溢れる素晴らしい日本家屋特有の構造である。住まいの変化によって現代の都心部から消えた『縁側』を、公共空間に簡易的に設置し、縁側の様々なあり方を検討することで、未来のための『縁側』を新たに提案する。
TAG
#クラシ
動機
メンバー全員が、儀式的なものや超現実的なもののような、奇妙なものへの関心を持っていた。その中で現代の建築ではあまり見られない縁側にも同様な関心があり、縁側のある暮らしに対する憧れを持っていた。一方で都会で気軽に縁側を持てない課題があった。そこで縁側を切り取り,都市に出没させることで、一見奇妙に見えるその光景から何らか新しい縁側のあり方を模索できるのではないかと考えた。
仮説
『縁側』は意匠的には西洋建築のバルコニーやテラスなどに近いが、それらにはない機能性が多く存在する。屋外と屋内の境界を曖昧にする独特の構造であることで、廊下や勝手口、気温の調整や、憩いの場、死者を運ぶ出口など多様な機能を持つ。そのため、新たな『縁側』には様々な効果が検討できる。その中でも公共空間の形成についての仮説を述べる。実際に『縁側』はご近所さんとの井戸端会議であったり、地方では、休憩スペースとして他の人の家の縁側を利用する例もある。一方で現代では、生活が多様化していくことで共通文脈を失い、孤立していく「無縁化」が課題としてある。そんな個人の孤独感や不安を、都市で失われた『ご近所さん』の形成によって解決できる可能性がある。
実験
1. 既存の縁側見学・リサーチ
2. 渋谷エリアの公共空間での展示、実践
3. 未来の「縁側」を提案
目標
1. 縁側プロトタイプの作成
2. 渋谷の公共空間での展示
3. 新しい縁側の在り方の提案(作品制作)
例1. 未来のビジネスプラン
例2. 「移動式縁側がある暮らし」SFプロトタイプ
未来
1. ご近所さんを1000人つくる!
2. 「縁側」という伝統が廃れずに、新しい形で活用されるようになる。
3. 公共空間の新しい在り方が提案される。
リーダーインタビュー
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あなたはどんな風に育ちましたか?
総人口3万人程度の盆地という閉鎖された環境で生まれ、伝統的なものに対しても新しいものに対しても、良い側面と悪い側面両方を感じながら育ちました。 -
渋谷の街のエピソード
高校1年生の修学旅行が人生初の渋谷でした。109でチェックとストライプ混ざったシャツを買ったことと駅周辺で迷子になったのを覚えてます。最近では東京に就職した友達と食事に行きましたが、東急東横線からJRの乗り換えの際迷ってしまいました。 -
メンバーたちの意外な一面
メンバーは組織的な上下関係はなく、平等に好き勝手言い合いながら進めています。みんな宇宙人みたいな不思議で独特な感じです。でもちゃんとしっかり決めるところではキッチリ力を発揮してくれる頼もしいメンバーです。 -
意気込みをお願いします!
もりもりがんばるぞい!
PROJECT TEAM
佐伯拓海
福岡代表(御意見番)
1997年生まれ 熊本県人吉市出身。九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻に所属していて、専門はメディアアート。思想やテクノロジーに対する自己矛盾と向き合いながら、素材を問わない制作を行なっている。現在ではバイオテクノロジーに注目した制作している。
百瀬莞那
Designer(大家)
1998年神奈川県三浦市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部4年 徳井直生研究室所属。自然×人×テクノロジーをテーマに作品制作を行う。アートだけでなく、教育や建築の分野でも活動。第12回エコツーリズム大賞(環境省)、WIRED COMMON GROUND CHALLENGE等で表彰。
寺崎薫
"デザイナー(おすそ分け担当)"
1997年福岡生まれ。九州大学芸術工学府デザインストラテジー専攻。 大学時代はプロダクトデザインを専攻し、現在はサービズデザイン・ビ ジョンデザインなど幅広くデザインを行なっている。大芸工展 2019 グランプリ、グッドデザイン賞、アジアデジタルアート大賞展等で表彰。
戸嶋野乃香
フィンランドで生活している人(さえずり)
1998年福岡生まれ。九州大学芸術工学府デザインストラテジー専攻。 大学時代はメディアデザインを専攻し、現在はフィンランドのアールト大学に1年間留学している。絵本を軸としたアート制作を行なっており、アジアデジタルアート大賞展等で表彰された。
mentor石川 俊祐
KESIKI inc. Co-founder
1977年、茨城県生まれ。Central St.Martins卒業後、Azumi Design Studio,Panasonic Design Company,PDD Innovation UKのCreative Leadを経て、IDEO Tokyoの立ち上げメンバーとして参画。Design Directorとして数々のイノベーションプロジェクトをリード。BCG Digital VenturesのHead of Designを経て、現職。分野を超えたイノベーションプロジェクトやデザイン経営に従事。複数社のアドバイザーも兼務している。
D&ADやグッ ドデザイン賞、全国各地のデザインセレクションなどの審査委員を歴任。単著に『HELLO, DESIGN 日本人とデザイン』 (幻冬社)など