EVENT REPORT

2017.12.26 Tue

個性こそが、未来を切り開く力になる。
「高校生が考える『生き方のダイバーシティ』
-Dive Diversity Summit Shibuya-

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「ちがいをちからに変える街。渋谷区」で、2017年11月7日から15日にかけて開催された新しい社会のスタンダードと向き合う都市型サミット「DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA(DDSS)」。“個性こそが、次の未来を切り開くちから”と掲げ、ダイバーシティとインクルージョンを問い、議論をするこの取り組み。100BANCHでは11月12日にサテライトプログラム「高校生が考える『生き方のダイバーシティ』」が行われ、100BANCHのGARAGE Programの採択プロジェクトのなかから2人の高校生、東出風馬さん、柳川優稀さんも登壇しました。

高校生が考える『生き方のダイバーシティ』

「まずは自分のなかの個性、多様性に気づくことからはじめること。そうすれば、他人の違いや個性を受入れることができ、それぞれの個性は可能性に変わる。」

そう冒頭にメッセージを送ったのは、DDSSの発起人かつ仕掛け人でもある金山淳吾さん(一般財団法人渋谷区観光協会代表理事)。

渋谷区役所 総務部 男女平等・ダイバーシティ推進担当課長の永田 龍太郎さん、会場となった100BANCHに関わる株式会社ロフトワーク代表取締役の林千晶さんを交え、「課題解決型ではなく、可能性創造型のダイバーシティ」とのアイデアを投げかけ、高校生たちとここ渋谷で、ダイバーシティとインクルージョンについて意見を交わす意図を語りました。

体験からの気づきをもとに情熱的に語る高校生と、彼ら彼女らのことばに耳を傾け、自らの10代の過去の想いと体験を反芻する大人の参加者。メインプログラムでは、高校生と大人が「LGBT」「学校・教育」「ファッション」「働き方」というテーマについて、否定なき意見交換を行い、これからの生き方、そして違和感のある固定観念からの変革について考えました。

 

あえて目立ってみるビジビリティ

自身LGBTであり、インターナショナルスクールに通い日本と海外の異なる価値観に触れている片山星南さん。特別な視線を浴びやすいLGBTのひとびとの内省的な態度について「恥ずかしさを乗り越えるためには、ビジビリティが必要。見られると恥ずかしいというマインドから、他人の人から見てもらいたいというマインドになればいいと思う」と自らの考えを語りました。

 

小さな社会が持ってしまう固定観念への疑問

自身も兄弟も不登校学生であり、教育制度や教育環境への疑問から、教員向けの講演などの活動を起こす熊本の通信制高校に通う高校2年生成毛侑瑠樺(なるげ るか)さん。「学校にいくことが当たり前ということを否定したいわけではなく、それを絶対的なものとして考えてしまうことに疑問を持っていて。それは不登校に限ったことではない」と、学校という小さな社会での同調圧力や固定観念への違和感を投げかけました。

 

自己表現から許容性を拡げるアプローチ

海外でのモデル活動や、アーティスト水曜日のカンパネラのツアー衣装のスタイリングなど、表現の世界で活躍する清水文太さん。「こういう格好をして自己表現をしている理由は、こういう人間がいるんだということを世の中に広めていかないと、許容性が広がらないから。ファッションは自己表現のひとつなんです。」と、ひとりひとりが外見的にも個性を表現することの重要性を問いかけました。

 

高校生の“はたらく”と勉強のシナジー高校生とベンチャー企業の協働での社会課題の解決を目指す「teenet」という100BANCHのGARAGE programプロジェクトのリーダーを務める柳川優稀さん。「アルバイトは基本的に私立高校では禁止されているけれど、アルバイトには、勉強が社会のどこで役立つのかを実感できる」と、高校生からビジネス経験を積むことのメリットを語り、参加者と議論を重ねた結果、「高校生だから時間がない。採用や入試に改革が必要だということもわかりました」と仕組みのを語りました。

 

小さくてもいい、少ない人でもいい。誰かに届く行動を株式会社Yokiを起業、代表としてIoTが普及したときにもっともユーザーフレンドリーな情報端末をつくる、ということをミッションに安価でオープンなパーソナルロボット「HACO」を開発する東出風馬さん。ロボット事業のほかにもスタートアップ的な働き方、多様な働き方を促進するプロジェクト「IDEA is」も展開し、プレスリリースのフィードバックと仲間集めのためのFacebookグループや、シードの起業家活動を紹介するニュースメディア、資金調達のできるシード起業家のアイデアピッチコンテストを行っていくという。そんな彼が想いをスタンスを語りました。

小さいくても良いから何かやってみよう。

少な人でもいいから誰かに届けよう。

そういう想いで行動を起こす人がいる。

そういう人たちが大きくても小さくても

何かしら世の中に笑顔をもたらすのではないか?

クロージングセッションでは、鈴木敦子さん(NPO法人ETIC. 理事・事務局長)、福島創太さん(株式会社教育と探求社/東京大学教育学研究科博士課程)、箕輪憲良さん(ソフトバンク株式会社 CSR統括部 CSR部)、林 千晶さん(株式会社ロフトワーク代表取締役)の4名が、高校生が語った多様な想い、いかにインクルージョン(包含)するかについて語りました。

箕輪さんは、ヤフー勤務時の東北の被災地での復興支援活動を振り返り「東北の人は、はじめ僕のことを「ヤフーさん」って呼んでいて、名前で呼ばれたことはほとんどありませんでした。でもある日スナックにみんなで行った時に、みなさんお酒が入ると色々と話してくださった。そこで気が付いたことは、本当の心の内は、いきなりは話せないってこと。話すためには、ちょっとでも楽しい時間を共有することが大事で、そうすることで閉ざした気持ちを開かせることができる。対話のはじめにエンジョイを持ってくるのはすごく大切。」と、楽しむ時間の共有の重要性を語りました。

 

福島さんは、「僕が思っているのは”正義の反対は別の正義”だということです。自分が正義や常識や当たり前と思っていることは、自分だけの正義かもしれない。たまたま今、その環境でその考えが良しとされているだけで、国や時代が違うとその正義は前提では無い。でも日常のなかでそれは当たり前になりすぎていて気づくのがとても難しくなっている。僕は自分自身の正義が、たくさんあるうちの一つの正義であるということに気づくには、“教養”を養うことが重要だと思っています。幅広い知恵や価値観のなかで自身の正義を相対化するためには教養は非常に価値がある」と、日々多様な教養を学んでおくことの大切さについて問いかけました。

 

鈴木さんは、福島さんの問いかけを受け、ミッションドリブンの集合体がヒエラルキーを生み出してしまうリスクと、その回避にはやはり対話が必要だという考えを語りました。

「NPOはミッションに対し集まっている組織ですが、いつの間にかミッションにたいしてやりたい気持ちが気持ちがやらなきゃいけないという圧力に変わり、ヒエラルキー型の組織になっていることがあります。私は過去そうなりかけた組織にいた際に、「何か違う!こんなのヤダ!」っていうメンバーの声を聞いて初めてそのおかしさに気づけた。そういう”そもそも”っていう気づきを与えていく為には社会の対話が大事だと思います」。

 

最後に林さんは、「私が気をつけていること、実践しているのは『枠を先に作って人を当て込まない』ということ。枠なんて作らずに、出会った人たちが作っていけばいい。人と出会ったことでその人と自分の間に何かが生まれると思う。私はそれをドーナッツ理論と読んでいて、それがインクルージョンじゃ無いかと考えています」と、自身のインクルージョンへの考えを示し、最後に100BANCHへの想いを綴りました。

「100BANCHに込めた想いは、たったひとりでも、それいいね、応援してあげるという人が見つかれば、人は羽ばたけると思っている。たくさんいなくていい、ひとりでもいい。100年先につながるようなヘンテコなアイデアを持っている人は、みんなにいいねなんてぜったい言われない。誰かひとりが可能性を見出していいね!おまえやれよと言えば100年先はもっとおもしろくなる」。

未来を新たにするのは、新たな文化を創るのは、これまでもこれからも人という変数であり続けるはずです。そして、100BANCHは若者の個性、大胆なビジョンを応援する場所です。イベントに登壇した高校生メンバー、東出風馬さん、柳川優稀さんのように、これからの未来を豊かにするビジョンがある方はぜひGARAGE Programへエントリーしてください。

GARAGE Program

100BANCHでは野心的な若者たちのプロジェクトを支援するGARAGE Programを展開しています。毎月エントリーと審査を実施しています。