BANCH PROJECTS

2017.11.22 Wed

Food Waste Chopping Party:
活動を通して見えたフードロスと暮らしの豊かさの関係性

  • #ソーシャルクッキングイベント

  • #廃棄食材

  • #フードロス

  • #食糧問題

Food Waste Chopping Partyは、フードロスを楽しく解決することを目的にした廃棄食材を使って行うソーシャルクッキングイベントです。このイベントでは、参加者の人たちに持ち寄ってもらう家で使い切れない食材や、農家から提供してもらう規格外野菜を使ってレシピのないゲリラクッキングをしてもらうことで、フードロスに対する意識を無知(または少し知っているがどうしていいかわからない)から知へのマインドのシフトを行ってもらいます。

9月に100BANCHへ入居してからさまざまな場所でこのChopping Partyや、その他にも一般層へフードロスを広める活動として、生ゴミコンポストボックス作り&ぬか床作りワークショップなどを開催してきました。そして10月後半には、渋谷区が開催した「SHIBUYA WELLNESS ACTION しぶや・もったいないマーケット」で渋谷区長・長谷部さんを交えたフードロスディスカッションに、またパナソニックの若手デザイナーたちによるクリエイティブユニット「FUTURE LIFE FACTORY」が手がけるHARVESTの取り組みについてのトークイベントに登壇させてもらう機会をいただきました。また食料廃棄についてのドキュメンタリー映画「0円キッチン」監督ダーヴィド・グロスさんとともにFood Waste Chopping Party&映画上映会と参加者とのディスカッションを行い、密度の濃い2週間を過ごしました。

 

そしてこれらのイベントで、それぞれ行政・企業・一般層と異なるバックグラウンドの方々とフードロスに関する意見交換をしたなかで、1つ気づいたことがありました。それは、「人々の日々の暮らし方を改善することがフードロスを減らす重要な手がかりなのでは?」ということです。

 

例えば飲食業界からのアプローチでは、区のディスカッションでも長谷部区長が「飲食産業でのフードロスをどのように削減していくかが、渋谷区でこの問題を解決するには重要なポイントとなってくる」といったお話されていた通り、来店客に常に食事を配給するのに用意している過剰な食べ物のストックが飲食店での食料廃棄問題の1つに挙げられます。コンビニやファーストフードチェーン店での食料廃棄問題は度々ニュースサイト等で議論にあがっていますが、ここで「なぜ人々はコンビニ&ファーストフード店で食べ物を購入するのか」と考えると、仕事が忙しく、家に帰り食事を作って食べる時間がない&食べ物をシェアする仲間がいないという「豊かな時間の過ごし方」が欠落した現在の人々の暮らしが浮かび上がってきます。そして消費者が出す飲食店の食料廃棄は高級なレストランよりもこのような安価な飲食店のほうが顕著に出るのではと考えます。

 

また家庭内でのフードロスに関しても、「家庭でフードロスがでる根本的な理由はどこにあるのか?」という観点で考えると「食材を買ったものの料理する時間がなく、結果材料を腐れせてしまう」という経験、みなさんにも心当たりがあるはず。これも前者同様に、家でゆっくりとした豊かな過ごす時間を過ごすことをおろそかにしてしまった私たち現代人の暮らしぶりに問題があるのではないだろうかと考えられます。パナソニックのFUTURE LIFE FACTORYが提案する未来の家電も「豊かなくらしを再定義し、具現化させていく」ことを目的とデザイン&開発が行われていますが、これからの将来、人々がどのように日々の暮らしを豊かな方向にクリエイトしていくことが、フードロスの解決に繋がるのではと感じました。

さてFood Waste Chopping Partyでは、参加者に廃棄食材を使い料理をしてもらう他にも2つ狙いがあります。「コミュニティ形成」と「クリエイティビティ」です。このイベントでは、参加者を幾つかのグループに「やんわりと」分け(なぜやんわりかというと最終的にはほとんどの人たちが全てのグループの料理作りに加わり、いい感じのごちゃごちゃ感を生み出すため。)、その場にある食材を使って料理をしてもらいます。お酒を飲みながら、できた料理を味見しながら、その場にある食材を使ってさまざまな料理を作り上げていく過程で「あれ切って!」「これ美味しいから味見してみて!」などの会話が生まれ、料理がコミュニケーションツールとなり自然な形で参加者の交流が生まれます。

 

また料理の仕方やレシピにルールはなく、そして「自分たちのアイデアが廃棄食材を美味しい料理にした」という意識の記憶を参加者に持ち帰ってもらうため、主催者である私はほとんど口足しをせず、またレシピサイトの閲覧を禁止するので、最後にはアイデアに溢れたクリエイティブな多国籍溢れる美味しいご飯が完成されます。数時間前まで他人だった人々と時間&料理を共有し創造していくことで、豊かな時間が生まれ、その結果フードロスについて考えるきっかけになるのです。

ダーヴィド・グロスさんとのイベントでは、ディスカッションでグロスさんが「社会問題とフードロスの問題は密接に関わりあっている」とお話されていたのですが、これから100年、労働環境や家族、暮らし方の多様化がより複雑な形で進んでいくと言われています。だからこそ私たちが快適で安定した日々を送ることが大切で、Food Waste Chopping Partyでは、単に食からのアプローチだけではなく、根本的な問題の解決とよりよい豊かな暮らしの提案からフードロスを解決していく活動をしていきたいと、今回3つのイベントの参加&主催を通して感じました。

WRITER

大山 貴子

EarthommUnity 代表。東新宿の実験トライアングルコミュニティスペース&自然派カフェ「みせるま」ディレクター。 米ボストンサフォーク大にてゲリラ農村留学やアフリカで人道支援に従事、卒業。ニューヨークにて新聞社、EdTechでの海外戦略、広告代理店コピーライターを経て、「みせるま」に参加。小さな街角スペースから発信する平和活動を食を通じて行っている。2017年春よりEarthommUnityを立上げ、サステイナブルな暮らしの提案を行う。