LEADER INTERVIEW

2018.05.25 Fri

【前編】LEADER INTERVIEW NODOKA
洪 秀日×楠本修二郎

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新しいお茶の楽しみ方を提案するNODOKAリーダーの洪さん。メンターの楠本さんと一緒に、NODOKAの100BANCHでの活動の軌跡と、日本茶の未来について質問を投げかけてみました。今回は前編・後編から、前編をお伝えします。

近年、海外で日本の食文化がめざましく発展するなか、抹茶をはじめとする日本茶が注目を集めています。そこに注目したひとり、洪 秀日さんは、日本茶をまるごと食べることができるオーガニック日本茶・抹茶パウダー「NODOKA- ORGANIC JAPANESE TEA」(以下、「NODOKA」)を商品化。ニューヨークをはじめ海外で販売をスタートし、2017年の夏には日本でも発売をはじめています。

洪さんは、ニューヨークで日本茶の可能性を察知しプロジェクトを始動。さまざまな分野で新しい価値観が交差する100BANCHに魅力を感じ、「伝統・文化の形はひとつじゃない。日本茶を、もっと自由に楽しむために」というテーマを掲げ「NODOKA」プロジェクトを立ち上げました
海外だからこそ脚光を浴びる日本の文化。ましてや日本ではどこでも手に入る日本茶になぜ洪さんは注目したのでしょうか?そして、「NODOKA」プロジェクトで成し遂げたいビジョン、洪さんの想い描く日本茶の未来像に迫ります。
プロジェクトについて|http://100banch.com/projects/nodoka/

———日本茶に興味を持ったきっかけを教えてください。

洪 もともと私は、日本の製品を海外に発信する会社の日本支社で働いていました。日本各地の作り手と会う機会が増える一方で、「そもそも海外では日本の文化がどう受け入れられているのか?それを知らないと作り手さんの意思を正しく届けることができないんじゃないか?」とどんどん疑問が膨らんでいきました。この疑問を解決するため、現地で感じるしかないと単身ニューヨークに向かいました。

お茶にフォーカスしはじめたのは4、5年前です。そのころ、ニューヨークでは抹茶がクールなものとして注目され、抹茶バーもすごく人気でした。でも、実際にその抹茶を飲んでみると、日本で飲む抹茶とは異なり違和感を覚えました。他にも「ジャパニーズティー」とうたっていますが、産地が日本ではない商品もありました。こんなもどかしさや疑問から少しずつ日本茶が気になりはじめたのです。

 

———それが日本茶に興味を持つきっかけだったのですね。

洪 そうなんです。そこから実際に日本茶は誰がどのように作っているのかを見たいと思い、帰国して日本全国のお茶農家さんに会いにいきました。そこで、海外で抹茶が流行っていることが、日本の生産者には全然届いていない事実を知りました。

他にも、現地に足を運んだことで日本茶の問題が浮き彫りになりました。日本茶は農薬を使いながら大量生産や低コストへ向かう傾向があり、オーガニックのお茶は生産全体の3パーセントしかありません。。その背景から買いたたかれる生産者が多くなっています。さらに、日本茶の生産者の平均年齢は60歳と高齢化しており、で後継ぎも見つかっていません。「もうお茶作りをやめようかな」という方も少なくなかったので、「お茶を使って何かできないかな」と思ったことが、製品開発の動機です。

加えて、無農薬・無化学肥料栽培で正真正銘のオーガニックな日本茶をつくる数少ない生産者に会えたことも大きかったですね。「この文化を僕が伝えたい」って本気で思いました。

———そこから、どのように製品化は進みましたか?

どうすれば日本茶を飲んでもらえるか? と考えていくうちに、「食べられるオーガニックの茶葉にしたい」「誰でも簡単に淹れられる仕様にしたい」と考えがまとまってきました。その考えから、抹茶のように日本茶を粉末にするアイデアにたどり着きました。初期の商品のラインナップは、煎茶・玄米茶・ほうじ茶の3種で、もともと抹茶はありませんでした。でも、海外のファーマーズマーケットでは圧倒的に抹茶を探す人が多かったので、お茶の入り口として抹茶を加えて、4種類の「NODOKA」として商品化しました。

洪 「NODOKA」はニューヨークで販売をスタートして、日本では2017年の7月末にクラウドファンディング の「Makuake(マクアケ)」を使い先行販売をしました。そのころは、日本でどうやって商品展開をしていこうかと模索していました。そんなときに100BANCHを知りました。

———どうやって知ったのですか?

洪 ニューヨークで活躍するフリーランスシェフのジョナ・レイダーによるトークイベント『MEET HEAPS Public Interview Studio Vol.1』を100BANCHで開催することになり、主催者から「NODOKA」を使いたいとお声がけ頂いたことがきっかけです。。イベント当日は、100BANCHを舞台に、クリエイティブでおもしろい人たちが多く集まっていました。

100BANCH自体もワクワクする場所で漠然と「100BANCHで何かやりたいな」って思いました。

そのころは日本でお茶単体の販売は難しいだろうなって考えていたので、100BANCHの多様なプロジェクトとコラボすることによって「NODOKA」の新しいかたちが生まれるかもしれないと期待を持ち、100BANCHの「NODOKA」プロジェクトを立ち上げました。

———どのような活動を行いましたか?

洪 100BANCHメンバーは日本茶に接してこなかった人が多かったので、その“知らない”を武器に、さまざまな分野で活動する人たちと交わり「NODOKA」に化学反応を起こさせたいと思いました。だから100BANCHではいろいろなプロジェクトとコラボすることをテーマに掲げ、あえて日本茶だけのイベントはやりませんでした。

フードロスの問題に取り組む「Food Waste Chopping Party」の大山貴子さんには、ニューヨークでよく飲まれているアップルサイダーを使った“アップルサイダー×玄米茶”のレシピ開発を協力してもらったり、バーテンダーを呼んで“NODOKA×お酒”をテーマに100BANCHのメンバーに試飲してもらって意見をもらったりと、他のプロジェクトに協力してもらって可能性を探る実験をしていきました。

———他のプロジェクトとのコラボレーションをしてどうでしたか?

プロジェクトを進めながらも、「正直、この先どうなるかわからない」って不安もありました。でも、100BANCHのメンバーはみんなポジティブだから、うまくいかないときも「じゃあ、次!」って切り替えられましたし、思いもよらない結果も生まれたので、全てがステップアップできるコラボでした。ちょっと肌感なので数字化はできないんですけど、ものすごく得るものが多かったと感じています!

撮影:岩本良介
http://ryosukeiwamoto.com/

後編に続く

後編ではメンターの楠本さんが「NODOKA」のどこに惹かれ、洪さんとどのような未来を想像してプロジェクトを進めたのか? 後編ではそんな2人の思いに迫ります。。

WRITER

100BANCH編集部

船寄 洋之

writer / gallery / coffee

鳥取県生まれ。アパレルメーカー、出版社を経て、横浜・反町にH.Funayose galleryをオープン。ギャラリー運営のほか、ライター業や出張コーヒースタンドもおこなう。

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