• イベントレポート

未来を切り拓く5プロジェクトが登壇 2022年2月 GARAGE Program実験報告会

これからの100年をつくる、U35の若手リーダーのプロジェクトを推進するアクセラレーションプログラム「GARAGE Program」。3カ月目と活動期間終了のタイミングで、どのような実験を行ってきたかを発表する実験報告会とメンタートークを実施しています。

2022年2月の実験報告会には、100BANCHに入居して3カ月や半年の区切りを迎えた3プロジェクトと、GARAGE Programを経てさらに活躍の場を広げる2プロジェクトが登壇。活動の成果報告と今後の方針や展望について発表しました。

GARAGE Program プロジェクト成果報告

■MOCK-PLAMO

登壇者:境 悠作

プラモの様に手軽に、楽しく、カスタマイズできる国産木製家具キットをつくりたい

プロジェクト詳細:https://100banch.com/MOCK-PLAMO

MOCK-PLAMOは国産木材を用いた”プラモデル式 家具製作キット”の製作を目指すプロジェクト。より多くの人が「国産木材との接点」を持ち、100年後には国内各地の木材をだれもがオタク的に楽しみ・楽しめる未来の創造をしています。

:100BANCHの入居期間は、木材を用いたスツールや差し込み式で使うことができるソファーの開発を行いました。このソファーは岩手県の演劇イベントで採用され、納品しています。そういった開発は楽しかったのですが、一方で「このプロジェクトはどんな社会課題の解決に繋がるのだろうか」という問いが芽生えました。そこで私たちは、災害大国と呼ばれる日本だからこそ被災地の方々に注目し、生活の質を落とすことなく使用できる家具を作ることができれば、100年先まで繋がる新しい価値観になるのではないかと仮設を立てました。

その後、被災地で聞き込みなど調査を行い、現在は通常時はコミュニティの連携や団体などの絆を強める家具でありながら、災害時にはベッドやパーティション、イスやテーブルとして活用できる「防災家具」の開発を進めています。

 

■STREET ART LINE PROJECT

登壇者:阿部佑紀

アートでつなぐ、視覚障碍者の新たな道。

プロジェクト詳細:https://100banch.com/projects/street-art-line-project

STREET ART LINE PROJECTは、点字ブロックが街で不足や不整備状態にある課題に対し、アートの力を取り入れた点字ブロック「STREET ART LINE」を開発し、健常者への啓蒙性を持たせながら、視覚障碍者が街を楽しむための道をつくりだしていくことをミッションに活動を続けています。

阿部:GARAGE Programの3カ月間では「STREET ART LINE」の新たな実装場所の確定をゴールとしていましたが、結果その期間では到達できず、3カ月間の活動延長を申請しました。現在は東京メトロやSIBUYA109などとディスカッションを交わしている他、渋谷区障害者団体連合会への提案が承認されるなど新たな展開が生まれています。

また、西武渋谷店との敷設検討のキックオフミーティングを実施したそうで、阿部さんは「施設のエントランスに『STREET ART LINE』を敷設できないかと検討を進めている」と進捗を話し、「今後はアーティストや製品開発、機能実証などを行う予定だ」と報告しました。

 

■MUJO

登壇者:中澤希公

渋谷で死と出会う

プロジェクト詳細:https://100banch.com/MUJO

MUJOとは、死を日常に溶かす企画や作品を通じ、死の曖昧さに手触り感を与えて、死を忌避する対象ではなく、生に活用する対象として捉え直す機会を創出することを目的に活動しているプロジェクトです。

中澤:100BANCHでの活動期間中は、棺桶に入り、自身の死に思いを馳せることのできるイベント「棺桶写真館」の実施や、日常から死に対して考えるきっかけを与えるメディアの立ち上げ、距離と時間を超えたオンライン追悼サービス「葬想式」の開発を進めてきました。

中澤は自身の母の死によって変化した「母の日」に対する捉え方を語りながら、母を亡くした人たちが母の日という記念日を通じて思いを伝える参加型イベント「死んだ母の日展」を5月に実施予定だと報告しました(昨年「死んだ父の日展」を実施)。中澤さんは「このイベントを通して、多くの人たちの思いが天国まで届けられるようにしたい」と思いを語りました。

 

■The Herbal.

登壇者:新田 理恵

日本の在来ハーブ・薬草を活用した美味しくて健やかな食卓を、お茶などを通して提案

https://100banch.com/projects/the-herbal-hub-to-nourish-our-life/

 もともと管理栄養士だった新田は、食と健康をテーマに食品の開発などを進めていました。その延長で現在は大学院で時間栄養学を研究し、食養生の再編成とサービス化に挑んでいます。

新田は2017年にGARAGE Programに入居し、プロダクトの開発のかたわら、薬草を中心に暮らしを多角的に見つめて学ぶ市民大学講座「薬草大学」を実施しました。また100BANCHの周年祭「ナナナナ祭」では食養生のAIアプリ「Qusnoki」をローンチ。これは10問のライフスタイルに答えると、自分自身コンディションにぴったりの養生がわかるサービスです。

新田:現在は、大学院に学びながら「Qusnoki」のバージョンアップを進めつつ、時間と集中力を味方につけるナチュラルエナジードリンク「iel」の開発をしています。こういった活動を通して、完全無欠の健康から、自分らしい健康をパーソナライズできる新養生を提案していきたいと思っています。

 

■YASAI no CANVAS

登壇者:瀬戸山 匠

やさいの色彩や都市型農業の生産プロセスを通して、贈与経済文化の醸成・発信を目指す

https://100banch.com/projects/22060/ 

YASAI no CANVAS(株式会社 Share Re Green)は「土をつくる」から「食べる」までをコミュニティ化し、地域社会の主観的幸福感を最大限にする活動に取り組んでいます。

GARAGE Programには2020年に入居。その期間では、子どもたちが食パンにお絵描きしながら食育の機会を創出する、野菜とはちみつのおいしいお絵かきクリーム「やさいのキャンバス」を開発。現在はこのクリームを使い、歯科医院や食パン専門店などと組んでワークショップを展開しています。

瀬戸山:もともと孤食をなくすことを目標にこのプロジェクトを立ち上げましたが、活動を進めるうちに「このプロダクトだけでは孤食はなくならないのでは?」という問いが生まれました。自分たちの活動だけでは思いを発信するだけになってしまうので、私の地元・埼玉県越谷市の母親のコミュニティと意見交換を交わし、それも踏まえてリブランディングを計画しているところです。

また、現在は移動式農園「レイズド・ウィッキングベッド」を開発中で、この取り組みによって、畑のない街に畑を出現させることができると言います。瀬戸山さんは「この農園を媒介に生まれる対話を軸としたコミュニティの醸成や、環境保全や居場所づくりへの関与の実現を目指している」と話し、「そういった活動の先に『地域の心理的安全な場所』を思い描いている」と実現したい未来を語りました。 

実験報告会の最後にはメンタートークを終えたメンターの岩田洋佳さんが、「どれも面白くて感心するプロジェクトばかりだった」と話し、それぞれのプロジェクトに向けて感想やアドバイスを伝えました。

 

岩田洋佳さんのメンタートークはこちら 

※登壇・集合写真の撮影時のみマスクを外しています。

 

(撮影:鈴木 渉)

<次回実験報告会>

100年先の未来を描く5プロジェクトがピッチ!

3月実験報告会&メンタートーク:米田 惠美(米田公認会計士事務所 代表/一般社団法人エヌワン 代表)

日時:2022年3月29日(火) 19:00〜21:00

無料 定員100名

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※ZOOMウェビナーでの開催になります。
Peatixの配信観覧チケット(無料)に申し込みをいただいた方に配信URLをお知らせします。
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https://100banch2022-03.peatix.com/

『実験報告会』は100BANCHの3ヶ月間のアクセラレーションプログラムGARAGE Programを終えたプロジェクトの活動ピッチの場です。
また毎回100BANCHメンター陣から1人お呼びし、メンタートークもお送りいたします!
今回のゲストは米田公認会計士事務所 代表/一般社団法人エヌワン 代表の米田惠美さんです!

【こんな方にオススメ】
・100BANCHや発表プロジェクトに興味のある方
・GARAGE Programへの応募を検討されている方

【概要】
 日程:3/29(火)
 時間:19:00〜21:00
 参加費:無料
 参加方法:Peatixの配信観覧チケット(無料)に 申し込みをいただいた方に配信URLをお知らせします。

【タイムテーブル】
19:00〜19:15:OPENNING/ 100BANCH紹介

19:15〜20:00:メンタートーク
・米田惠美(米田公認会計士事務所 代表/一般社団法人エヌワン 代表)

20:00〜20:45:成果報告ピッチ&講評

登壇プロジェクト(現役)
Audience-based Switching : 観客の視点をベースにしたスイッチングを実現し、新しい映像配信の体験を作りたい
GEKI: エンターテインメントの力で、「働く」をもっとワクワクに。
Radio is Izakaya : 言いたい事も言えないこんな世の中じゃ Poison 泣く子も黙る大衆ラヂオ

登壇プロジェクト(OB)
Period of 100 Athletes Project:生理で悩む人たちへ。アスリート100人の声を世の中へ届けたい
Seek new game ; Hidden in the future:日本をかくれんぼ大国にします。

20:45〜21:00:質疑応答/CLOSING

【メンター情報】

米田惠美
米田公認会計士事務所 代表/一般社団法人エヌワン 代表

プロフィール
高校時代から社会システムデザインに興味をもち、慶應義塾大学在学中の2004年に公認会計士の資格を取得。大手監査法人(EY)勤務を経て、2013年に独立。 組織開発・人材開発の会社を共同設立。副社長としてビジネスセクターの人材・組織マネジメントの知見を蓄積。

2018年より日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の常勤理事として各種ガバナンス改革と並行して、社会課題を共通テーマにした官/民/スポーツの連携を推進する『シャレン!』を立上げ、経営改革を推進。理事退任後もスポーツを使った社会課題解決の取り組みを多く扱う。
現在はソーシャル・スポーツ・パブリック・ビジネスなど多様なセクターのリーダーのパートナーとして挑戦中。

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