EVENT REPORT

2018.10.24 Wed

Designart in 100BANCH “Emotions~感動の入り口~”
Gallery tour 第一回レポート

  • #デザイン

  • #渋谷

東京の主要エリアを舞台に、デザインシーンの新たなムーブメントとして注目が高まるデザイン&アートのフェスティバル「DESIGNART TOKYO (デザイナート・トーキョー) 2018」。100BANCHは、10月19日(金)から28日(日)までの10日間、「DESIGNART TOKYO 2018」に参加出展しています。会場は100BANCH(渋谷区渋谷3-27-1)の2F GARAGE。

ダウン症のアーティスト・八重樫季良が描くカラフルな建築物を立体として可視化する作品。世界一薄い和紙を紙活字®︎で印刷した素材を使用したインスタレーション。身の回りの環境音で紡ぐ音楽を体験できる装置。実際に測定した100人分の血糖値と食事のデータから立体作品とアートブックの展示。たくさんの100BANCHで活動するプロジェクトが”感動の入り口”へと誘います。

イベントに先立って、10/20 (土)には、展示作品をプロジェクトリーダーがいる場で鑑賞・体験できる第一回Gallery tourを開催。作品に対する思いや制作秘話に迫りました。

作品名・New Phantasm in Tokyo 100 years — Inventing Tradition

結わえて、包むという例をみない日本の伝統衣服、ふんどし。 プロダクト・デザイン、インダストリアル・デザインの観点から、新しいシンプリシティ、新しいフェスティバルアイコンとしての 「ふんどし」を世界流通させるためのアートふんどしを展示しています。

FHP〜Fundoshi Hack Project〜のプロジェクトリーダー星野 雄三さんは次のようにアートふんどしを紹介しています。


星野:「こちらはふんどしの締めつけないメリットを示したインスタレーションです。ゴムで締めつけた桃が傷んでいくのに対し、小さなふんどしを着せた桃は傷んでいません」

星野:「こちらは世界一高級なふんどしです。ビクーニャというアンデス地方の動物の革を使用しています。イタリアではこの革を使用したコートが200~300万円で売られていますが、こちらのふんどしは破格の10万円で販売しています。先着一名様にお買い求めいただけますので、お急ぎくださいね。」

星野:「ふんどしを履くと、女性はリンパ、男性は睾丸を圧迫しないので、妊活にも役立てていただけます。パンツを撲滅するのが我々のミッションです。ポジティブに性や肉体に向き合ってほしい、というメッセージも発信し続けていきます」


▼プロジェクト紹介はこちら
http://100banch.com/projects/fff/

 作品名・RGB_light

光の3原色の原理を利用して、普段見ている白い光と対象物の中に、分解された七色の影が現れるという不思議な体験が味わえる照明器具「RGB_Light」。「影は黒」という概念を更新し、光と同時に影をデザインする新しい概念を提案し、クリエイティブな空間を演出できる照明器具として製品化に取り組んでいます。

RGB_Lightのプロジェクトリーダー河野 未彩さんは、次のようにRGB_Lightを紹介しています。

河野:「角度によって3方向に影ができるので、物体の湾曲部など光が屈折する場所は、当たっていない光の色が引き算されて影の色が変化する構造です。3原色全て当たっている場所は影が白になります。電球はRGBフルカラー対応なので、光と影の色を同時にデザインすることが可能です」

河野:「使い方は自由。例えばバーで、ドリンクの水面が揺れることで色の影を楽しめるなど、エンターテイメント性のある照明として使用できます。 最近は、カフェ『NO RAILS, NO RULES.』に導入されました

河野:「この照明を使えば、物体の角度を変えることによって様々な色の影を楽しめるということを体感できます。影は黒いという共通認識がある中で、刺激的で新しい感覚ではないでしょうか。この現象を使ったインスタレーションは過去にも例がありますが、プロダクトはまだ存在していなかったので、今後も積極的に広めていきたいです」


▼プロジェクト紹介はこちら
http://100banch.com/projects/rgb_light/

 作品名・八重樫季良の家

るんびにい美術館(岩手県・花巻市)に所属するダウン症のアーティスト、八重樫季良が描く一見抽象的な幾何学パターン。彼が描き出すカラフルな建築物を「模型・グラフィックパース・見積り・工期等」で可視化しています。

八重樫季良の意識の上で絵は平面図なのか、立面図なのか。あるいはそれらが入り混じったり、そのいずれでも無かったりするのか。彼が描き出す想像の宇宙が、物理法則や空間のルールにとらわれない超次元的な世界であることを他者に共有します。

八重樫季良さんはご自身の作品、八重樫季良の家に関して次のように語りました。

「自閉症の兄を持ったことがきっかけで、知的障害を持つ方々の新しいブランディングやビジネスの仕組みを作ることを目的に『ヘラルボニー』という会社を立ち上げました。福祉を軸にした様々な活動を行う中、出会ったアーティストの一人が八重樫季良さんです。今回は 本イベントに合わせて作品『家』の原画をお借りしました」

松田:「彼の父親が大工だった背景から、常に図面が広がる家で幼少期を過ごしたそうです。その図面に描かれているものをフィーチャリングしながら、図面に色を塗っている感覚で絵を完成させたと聞きました」

松田:「絵の中の四角形は窓、丸はトイレを表しているそうです。つまり、この絵の中には何百個もトイレがあることになります」

松田:「この彼の作品を立体物にしたらどんな化学反応が起こるのかを検証したのが、『八重樫季良の家』という展示作品です」

 

▼プロジェクト紹介はこちら

http://100banch.com/projects/muku/

 作品名・Light as Air

Light as Air は和紙「典具帳紙」に紙活字®︎で印刷表現したインスタレーション。世界一薄い和紙である典具帳紙は、その品質の高さからルーブル美術館などをはじめ様々な美術館で美術品の修復にも使われています。

今回は美術品の修復の材料としてではなく、和紙そのものをアート作品とし、商業印刷目的の活版印刷が美術印刷として用いられています。和紙から生まれた美術的価値を創り出して行きたいということをコンセプトとした作品です。

Papertype×Shibuyaのプロジェクトxxさんはご自身のプロジェクトに関して次のように語りました。

守田:「今回のテーマが『Light as Air 』なので、軽いものを連想したデザインを和紙に印刷しています。さらに、和紙どうしを重ねて生まれたレイヤーを使うことによっても軽さを表現しています」

守田:「薄さの秘密は、『典具帳紙』の生産地である土佐の気候。和紙作りに適した気候であることから、繊維を長く作ることができるため、世界一の薄さを実現することができます」

守田:「現在は、この和紙を用いて世界一滞空時間が長い木の葉や名刺の製作を検討中です」

▼プロジェクト紹介はこちら
http://100banch.com/projects/8745/

作品名・Colorful ヘラルボニー

福祉を傘にモノ・コト・バショを編集・企画する「株式会社ヘラルボニー」と、紙や印刷の可能性を探り、既成の関係を壊して再構築するきっかけを作る「Paper Parade Prinitng」がコラボレーション。 ヘラルボニーのロゴデザインを軸に紙製の活版印刷用活字を作成。
福祉施設に所属するアーティスト約30名が、引っ掻いたり、ちぎったり、線を入れたりしながら紙活字に躍動感溢れるテクスチャを施しています。

xxプロジェクトxxさんはご自身のプロジェクトに関して次のように語りました。

名前:「『Paper Parade Prinitng』が生産する多彩なインキの色と『ヘラルボニー』が発掘したアーティストと何か作為的でないコラボレーションができるのでは、という発想から実現した作品です。希望されたインキは用意しましたが、どのように色づけするかはアーティストの方々に任せました」

予想不可能な配色や手法をそれぞれのアーティストが実現し、不思議な風合いを醸している。

松田:「知的障害を持つアーティストによる作品の大きな特徴として、日々のルーティンに対する強烈なこだわりが詰まっていることが挙げられます。例えばこれらの作品の中には、かなづちを終始使用していたり、文字をちぎったあとに再度並び替える行為を繰り返して完成させた作品が見られます」

作品名・Day Life

環境音を使用した音楽表現はmusique concrèteというジャンルに代表されるように、現代音楽において重要な歴史を持っていますが、従来の環境音を利用した楽曲は、あらかじめ録音した環境音を楽曲のパーツとして使っていることがほとんど。

『Day Life』は、リアルタイムに環境音を録音、処理し、音楽作品として再構築するという体験を実現させています。身の回りの音と関係し合いながら、音楽をつくり上げていくという体験を通じて、音に対する感性を少しでもアップデートさせたい、という制作者の思いが込められています。

BrainHackSessionプロジェクトのxxさんはご自身のプロジェクトに関して次のように語りました。

天野:「音楽として認識されるものと音として認識されるものの間が曖昧になってきている中、どうしたら音である環境音だけで音楽を作ることができるのかをテーマに作りました。ダイニングテーブルの周りにある環境音を増幅させ、それをループさせることで音楽を制作することができる仕組みになっています」

天野:「普段は音楽神経科学の観点から、演奏者の脳をハックすることで新しい演奏形態を生み出すことができないかを研究しています。現在は即興演奏の構造的な理解を目指しているところです」

▼プロジェクト紹介はこちら
http://100banch.com/projects/8888/

作品名・180mg/dl
血糖値をテーマにしたコミュニケーションデザインプロジェクト「180mg/dl」。20歳で糖尿病を患ったプロジェクトリーダーの実体験をきっかけに、糖尿病や血糖値をより身近に考えてもらい、健康を促進するための活動を行っています。


今回のDesignartでは「デジタルから生まれるフィジカル」をテーマに、100BANCH street!にて測定した100人分の血糖値と食事のデータから立体作品とアートブックを展示しています。


本作品を通じて、健康について新しい発見することを目指します。
※展示期間:10/19(金)~27(土)

180mg/dlプロジェクトのxxさんはご自身のプロジェクトに関して次のように語りました。

丸山:「『何時間前に何を食べたか?』を尋ねるアンケートを行い、自分の食べたもの、食べた時間、血糖値を知ることで、普段の食事と血糖値との関係を意識してもらいました」

丸山:「何を食べると血糖値が上がるのかを明確にするため、この立体作品にUVライトを当てます。光る食べ物が、血糖値を160mg/dl以上にするものです。食後は血糖値が上がりやすく、時間が経つにつれて下がることを分かりやすく表現しています」

▼プロジェクト紹介はこちら
http://100banch.com/projects/11175/

作品名・FREE(future room exhibit events) ~未来のへやを展示するイベント~

海外や日本のテレビで話題となっているDIY、家で誰でも簡単に安く自分の好きな物を作るための動画メディアを配信しているtsukuroom。
今回は、横3m・奥行き2mの狭い空間の中に全く違った部屋を2つ用意。手軽にDIYで作れる物はもちろん、おしゃれな家具やその部屋に合ったアイテムを展示し、それぞれの「好き」や「大事」を確認できる場所づくりを提案します。
※展示期間:10/19(金)~27(土)

白を基調とした部屋と男前な落ち着いた部屋。どちらも5万円以内の予算で制作。

Tsukuroomプロジェクトの河野さんはご自身の作品FREEに関して次のように語りました。

▼プロジェクト紹介はこちら
http://100banch.com/projects/11158/

DESIGNARTは10/28(日)まで

次回のGallery tourは10/27日(土)を予定しています。
25名限定となっていますので、お早めにお申し込みください!

●Designartについて
http://designart.jp/

●Designart in 100BANCH詳細ページ
http://100banch.com/events/12744/

WRITER

100BANCH編集部

芦沢 恵利香

大手IT企業でデジタルアーカイブソリューション展開を経験後、動画メディアベンチャーにてコンテンツ企画を担当。人々の日常に焦点を当て執筆活動も行う。学生時代はフィンランド留学ブログ「Run the World」を運営。横須賀市出身。