EVENT REPORT

ナナナナ祭トークイベント『AIは優しくなれるか』開催レポート

  • #ナナナナ祭

AIが便利なだけではなく、優しさを持つテクノロジーになるとしたら、「優しいAI」とはどのようなことだろう。

 

「AI」誰しもが日常的に耳にする言葉となりました。AIは私たちの生活を便利にしていく一方、テクノロジーはつめたいもの、社会をディスラプトするものと捕らえられがちです。

未来を作る公開実験を行う100BANCHでは、「優しいAI」を探しています。AIが便利なだけではなく、優しさを持つテクノロジーになるとしたら、「優しいAI」とはどのようなものになるのでしょうか。

 

「AIは優しくなれるのか」という究極のテーマを語る、幸せな未来のあり方を探求するトークセッションがスタートしました。

 

ゲスト

・粟生 万琴(株式会社エクサウィザーズ 取締役 / 株式会社パソナテック 取締役 / 株式会社Job-Hub 取締役)
・林 千晶(株式会社ロフトワーク代表取締役)
・森川 幸治 (パナソニック株式会社 テクノロジーイノベーション本部 副主幹研究長)

 

参加プロジェクト

・”HACO” robot 東出 風馬

 

ユーザーの思った通りに動く機械が(仮に)あったとしてそれは優しいと言えるのか?

AIは意外と私たちの日常に溶け込んでいる。実際にどんな場面でAIを使っており、何をAIと定義するのだろうか?

 

林:Google MAPのルート案内も1つのAIです。Google MAPのアルゴリズムが最短ルートに変更され、農道を使って目的地にたどり着いたことがありました。農道の道は細すぎて、迷子になるかと思いました。
AIを頼りすぎると、考えることをやめてしまうと実感しています。

 

森川:プログラミングのバグが、生活の中に入れば入るほどAIを背景にそのトラブルシューティングをすることが難しいのかもしれないですね。

 

東出:ニュースや世の中で見るAIというサービスが本当にAIなのか、まだその定義はわかっていません。立派で賢くてシンギュラリティだけれど計算しているだけ、かもしれないと見ています。

近年はAmazonのアレクサ、Google Home、Apple Watchを持っている人も多いだろう。そして、これまではありえない風景であったがこのデバイスに話しかけることも日常茶飯事になってきている。

果たして、デバイスに話しかけることはAIと会話していることになるのか?森川氏は皆に問いかけた。

 

粟生:まず、デバイスに対する入力に関して、フリック入力をしているのは日本くらいです。中国やアジアは基本的に音声入力をしています。

 

林:お母さんが仕事や家事で忙しいため、siriと会話するお子さんを見たことがあります。

 

   お子さん:「面白いこと言って」

   siri:「すみませんその才能がなくて」

 

こんな会話が成り立っていたのです。

 

東出:僕はGoogle Homeで「OK google、アレクサのことどう思う?」と聞いたことがあります。Google Homeは「良い友達だと思います」と回答していました。
僕ら大学1年生の世代でもAIネイティブではありません。生まれたときからAIネイティブなサンプルはどうなるのか?
メディアアーティストの落合(陽一)さんはお子さんが生まれたタイミングでiPadを渡しています。これはどんなことをもたらすのでしょうか?

ファシリテーターの森川氏は、ペッパーとアイボだとどちらが優しいのかと質問を投げかけた。

 

東出:ペッパーとアイボだと、アイボが優しいと思います。それはアイボは犬だからその期待値通りのレベルの回答をすれば良いからです。

 

林:ちなみに人工知能で作れるのは犬で猫はまだ作れていません。
猫は行動の予測できなさが可愛くて仕方なく、人気なのです。猫の行動の予測をプログラミングするのは現在の技術ではまだ無理なのです。

 

東出:優しいAIに関連しますが、優しさの中に充電が問題点になると思います。猫と犬は充電がいらない。しかし、ロボットは電池が切れたら終わり。電源用ボタンがないロボットを作りたい。そして、将来的にはペラペラ話さないyokiを作りたいです。

 

粟生:人間が想像できる範囲の動きや、人間の想定内の行動をすると優しくなると思う。

 

林:これからは音声のインターフェイスが伸びていく印象です。AIが対象とするのは人で、人の動きや人の感情に寄り添い、形よりは声であり、話す内容にフォーカスが当たる。見た目は声が大切です。

 

東出:そもそも今は擬人化とかしてロボットを置いているけれど、その対象としてのロボットがあるだけで最終的にロボットはなくなると思います。

 

林:最近、Gmailにgoogleが返事をしてくれるロジックが追加されました。インテリジェントにひたすらレコメンドをしてくれますね。
Gmailに人工知能がさらに入ったら、人工知能がお互いに返事をして、結局やりとりって何?ってなる可能性もあります。自分の書きぶりを真似して、村上春樹風お返事ソフトがでたらすぐに買いたいです。これも優しさの1つなのかも知れません。

会場からの質疑応答を受け、ファシリテーターの森川氏は、「優しいAI」って何をしてくれるのかと質問を投げかけた。

 

林:優しい人って何をしてくれる人?って考えてみました。利便性のためのAIと感情のAIが違ってくる印象で、線は引けないですね。

 

東出:冷たい言い方になりますが、Aさんよりも自分のこと優先してくれる。優劣はあると思います。

 

林:利便性、HRtechや人の評価など人間が苦手な部分をAIがやってほしいです。判断のサポートに一役買うのではないでしょうか。

 

粟生:人の無駄な作業を減らしてくれるのが優しいAIではないでしょうか?
株式会社エクサウィザーズのHR君はHR君がサポートすることで、人事の作業を減らしています。AIは大量のデータを読み取ってコントロールすることは得意です。
中国はAIを用いて、事故も泥棒も減っています。AIによって社会全体の信用度が上がっていくのかも知れません。これは、最適化を追求しているため、安易にデータが怖いとは言えません。

 

森川:四次元ポケットを持つドラえもんと四次元ポケットを持たないドラえもん、どちらを選びますか?

 

東出:四次元ポケットを持つドラえもんですね。確かに、アニメで見たドラえもんが究極の優しいAIなのかも知れません。

 

林:悲しいかな、私も四次元ポケットを持つドラえもんを選びます。これが人間ですかね。

粟生::AIを知って理解した上で、AIと向き合い、作っていけばいいのだと思います。知らないものは怖いですが、使ってみるとそれが身近な存在になって気がついたら溶け込んでいます。

 

林:アメリカは黒人を人間にした。この経験があるから、ロボットは人間を裏切る前提がある。日本は全部一緒の国です。神社も政治も地層が重なっている。日本が作る、雑多な人工知能が楽しみです。

 

東出:文化の違いはロボットやAIです。テスラのイーロンマスクは反対し、Facebookは賛成しています。実は、僕はロボットはやっているけどAIには関わりたくない。事業戦略的にgoogleにデータ量で勝てないのと、危険が及ぶかもしれないことを今はしたくないからです。
自分にとっての優しいAIを思い浮かべてみてください。その思いは作る側の人にも伝わり、優しいAIの出現に近づいていくのかも知れません。
作る側の人も迷って優しいAIを模索しています。みんなが優しくAIと向き合える世の中になるといいなと思います。

WRITER

100BANCH編集部

#ナナナナ祭