PROJECT REPORT

2018.06.25 Mon

7/7出発直前!
BUSHOUSE製作の現場に迫る

  • #ナナナナ祭

  • #プロジェクト活動レポート

人間のモビリティは、メソポタミア時代に車輪が発明されてから始まっている。その後ジェームズワットが蒸気機関を、ヘンリー・フォードが自動車の大量生産を可能にした。現代ではイーロン・マスクが、電気自動車テスラや民間宇宙船SPACE Xを提示するなど、進化をし続けてきている。

 

それに対して私たちの居住はどうだろう。狩猟をしていた原始時代以降、農耕技術を覚え、土地に定住し、都市を形成した。そして今では、コンクリートジャングルの中、毎朝すし詰め状態の電車に揺られ、スマホの画面ばかり見て暮らしている。これは果たして人間らしい生き方なのか。

 

そんな疑問を持った、BUSHOUSEのリーダー青木大和氏が考えるのは、自由に移動できる未来。言うなれば「超移動社会」だ。インターネットの発達によりオンラインで働ける今、必ずしも職場の近くに住む必要はない。落ちついて作業をしたい時には湖畔のそばで、波音を聞きながらアイデアを出したっていい。深夜作業も満点の星の下なら心地よいかもしれない。

 

移動型住居は、暮らし方、働き方、生き方を大きく変えていく。働き方改革がやメンタル・ヘルスが叫ばれる中、BUSHOUSEが考える未来の居住の形は大きな示唆を含んでいるに間違いない。では、そんな夢物語を彼らはどのように実現するのだろうか?

「バスを改造して移動する住居にします。」この青木の言葉に、私の頭に浮かんだのはクエスチョンマークだった。キャンピングカーかと思い話をよく聞くと、彼らが考えていたのは「もっと壮大な社会システム」だと分かった。

 

一言で言えばBUS HOUSEは、車内が居住空間となっているバスだ。「不動産ならぬ可動産」を掲げ、動く家を実現する。バスの全長は7m くらいあるので、約8畳の1ルームの部屋だと思ってもらっていい。また住居として、キッチンや、食卓を囲むテーブル、寝室スペースもある。

一時的ではなく毎日暮らすことが、BUSHOUSEの提案する居住の形だ。「水とかはどうするの?」読者のみなさんが思ったであろうこの疑問。私も最初に感じたことだ。

 

BUS HOUSEは、電気自動車の給電ステーションのようなスポットを全国に配置し、トイレやシャワーなどを完備する事を考えている。例えば全国のコンビニと提携して、設置をするのも不可能ではないという。

 

さらに、自動運転が実現された社会では、バスハウスで友人をピックアップし、自然豊かな森の中で夕食をとり、寝てる間に移動して、普通に朝出社する生活も夢ではない。

 

また、バスは乗車定員10人以下の普通免許で運転可能な車体であり、中型免許を持たない一般の方でも運転できる仕様になっている。私たちがBUSHOUSEのハンドルを握る日も遠くないかもしれない。

6月2日、そんなBUS HOUSEの制作現場に伺った。所沢の運送業者の駐車場の一角に、遠目から見ても雰囲気の違う集団が目に留まる。ファッション雑誌1ページにも収まりそうな青空の下、作業に没頭するメンバーたち。「Popeyeに載りたいんです。」と冗談交じりに話す青木氏。作業現場は常に笑いが絶えず、楽しい雰囲気でどんどん作業が進んでいく。

製作には美大で金属加工の技術を持つ人や、エンジニアリングのバックグラウンドを持っている起業家、青木氏が別事業として運営するシェアハウス「アオイエ」の住人など、様々なバックグラウンドのメンバーが集まっていた。

 

作業プロセス

プロセス1:車体の解体、シート等の取り外し(◀︎取材時)

車内壁面や、断熱材を取り外し、その後備え付けられたシートなどを取り外す。最後に床面を剥がして、内装をまっさらな状態に戻す。

 

プロセス2:インフラ工事

車内の設計図面を元に、配管等の電気工事を実施。天井、床面に下地工事、仕上げ工事を実施。

 

プロセス3:家具の装着

室内に家具を装着。一部家具はメンバーがオリジナルでデザイン・製作したものを使用。

 

作業に参加をしていたBUS HOUSEの運転手を務める内記朋冶氏と、乗車予定の深町レミ氏に、このプロジェクトに関わった理由を聞いてみた。

 

内記「大和はいつも突拍子もないことを言って驚かせてきます。でも、よくよく話を聞くと彼なりの思考があって共感することが多いんです。BUS HOUSEは未知数な部分が多いですが、彼の夢を応援するのが好きなので参加しました。」

 

深町「大和さんからお誘いをいただいたんです。カメラマンとしてバスで日本を周りながら、一緒にメディアを作って、まだ誰も気づいていない日本の魅力を訪日外国人へ発信しようって。私はもともと旅が好きですし、高校生の時には訪日観光客向けのツアーをやっていたのですぐに参加を決めました。

 

黙々と作業をする彼らの目に、一切の迷いは無かった。

7月7日に開催する100BANCHの1周年「ナナナナ祭」では、BUS HOUSEの出発式を実施する。当日は来場者の見学が可能だ。

また100BANCHの2FにあるGarageでは、BUSHOUSE製作のプロセスを写真で紹介したり、実際に解体したバスの一部も展示する予定だ。

イベント詳細はこちら

URL|http://100banch.com/events/8706/

 

また、青木氏は出発式前のイベント、クロストークイベント「人間の条件 – Vita Activa – 」にも登壇する。なぜ彼はBUSHOUSEに取り組むのか。きっかけや想いについて深く知りたい方は、こちらのイベントにも合わせて参加を期待したい。

イベント詳細はこちら

URL|http://100banch.com/events/8767/

 

BUSHOUSEのナナナナ祭の見所を青木氏に聞いた。

青木|ナナナナ祭では「過去」と「未来」をテーマに展示を行います。100BANCHの2階では、「過去」をテーマに、解体する前のバスの座席やシートなど、元々の姿を見ることができます。外へと移動すると、BUSHOUSEの制作現場を見ることができます。ここからBUSHOUSEで全国をまわっていく中で、どのような暮らしをし、どのような未来の社会を描くのか、皆様と一緒に話すことができればと思っております。

 

是非ナナナナ祭で一足早く「可動産」の未来を体験してもらいたい。BUSHOUSEの挑戦はこれからが始まりだ。

 

撮影:加藤翼

ナナナナ祭が気になったなら

ナナナナ祭のスケジュール、イベント一覧等は、ナナナナ祭特設サイトにまとまっています。是非チェックしてみてください!

WRITER

加藤翼

100BANCH コミュニティマネージャー

早稲田大学文学部で哲学を専攻後、社会科学部へ転部。Boston Universityへの留学を挟んで卒業したのち、新卒で外資系コンサルティングファームに就職。アメリカ、タイなど海外プロジェクトでの業務改革に携わる。働きながら通信制美大に通い空間デザインを専攻後、100BANCHの空間設計などに興味を持ち、ロフトワークに入社。100BANCHのコミュニティーマネジャーを担当。食べることより知識を得ることが生きがい。